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盗撮で逮捕されたことを職場に知られたくない
盗撮で逮捕されたことを職場に知られたくない
盗撮で逮捕されたことを職場に知られたくないという場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
ご家族が盗撮で逮捕されてしまったが解雇されないために職場に知られたくないという場合には、ひとまず通話料無料のフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
~盗撮事件~
盗撮は各都道府県で規定されている迷惑行為防止条例違反となります。
大阪府では、公共の場所での盗撮行為について「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が規定されています。
盗撮事件では、逮捕されてしまう可能性も十分にあり、逮捕されてしまった場合、職場に盗撮事件のことが発覚してしまう可能性は高まります。
~逮捕されたら職場にばれるのか~
盗撮事件で逮捕されてしまった場合、職場や周囲に発覚してしまうかどうかは、その後の社会生活にかかわる大きな問題です。
特に、職場に発覚してしまうかどうかは、解雇されてしまうかどうかに大きく関わります。
では、職場への発覚を防ぐための活動としてどのようなことがあるのでしょうか。
今回は32歳会社員Aさんの事例(フィクション)で弁護士の活動を見て行きましょう。
~事例~
1月22日(金)会社員のAは、通勤で利用しているJR茨木駅構内のエスカレーターで前に乗っていた女性のスカートの中を持っていたスマートフォンで盗撮しました。
Aの盗撮行為は女性に気付かれてしまい、Aは通報で駆け付けた大阪府茨木警察署の警察官に盗撮の疑いで逮捕されてしまいました。
Aが盗撮で逮捕されたという連絡を受けたAの両親は、なんとか息子の職場に事件が発覚しないように、刑事事件、盗撮事件に強い弁護士に初回接見を依頼し、弁護活動を頼むことにしました。
職場への発覚を防ぐための弁護活動としては、以下のようなものが挙げられます。
【まずは、身体解放】
盗撮で逮捕され身体拘束が継続されてしまうと、その間は職場を欠勤することになります。
逮捕、勾留されてしまった場合、逮捕されてから起訴されるまでの身体拘束期間は最大で23日にも及んでしまいます。
今回の事例で言えば、1月22日(金)から2月13日(土)まで身体拘束を受ける可能性があるので、さすがに発覚してしまうでしょう。
そのため、逮捕されている場合、まずは1日でも早い身体解放が必要となります。
【捜査機関との連絡】
盗撮で逮捕されたとしても、弁護士の活動によって勾留を回避することができれば、翌日にも釈放される可能性があります。
しかし、いくら釈放されて職場に復帰することが可能となっても、警察から職場に連絡されてしまっては、そのまま勤め続けるのは難しくなってしまうでしょう。
そのため、弁護士は警察や検察などの捜査機関に対して、職場への連絡をしないように働きかけることができます。
また、弁護士が捜査機関との窓口となることで、本人と連絡が取れないから職場に連絡したり、職場にいるときに警察から電話が来たり、といった状況を最小限にでき、職場への発覚の可能性は小さくなります。
【報道回避の働きかけ】
盗撮で逮捕されたが身体解放され、弁護士が窓口となって職場に発覚しなかったとしても、実名報道されてしまえば、職場の人にも知られることになってしまいます。
刑事事件の報道は、捜査機関を通じて発表されます。
そこで弁護士は捜査機関に対して報道機関に情報を開示しないように、仮にするとしても実名報道を避けるように、など働きかけていきます。
なお、報道されることの多いタイミングとしては、逮捕されたとき、事件が検察庁へ送られたとき、起訴されたとき、が挙げられます。
今回見てきたように職場に発覚する可能性を少しでも下げたいという場合には、刑事事件に強い弁護士を選任し、最大限の活動を行っていくことが大切となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
盗撮事件やその他刑事事件を起こしてしまったが職場には知られたくないという場合には、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。
傷害罪で逮捕
傷害罪で逮捕
傷害罪で逮捕された場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
ご家族等が傷害罪で逮捕されたという連絡を受けたら、まずはフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
専門スタッフが24時間体制で受付対応を行っています。
逮捕されたらすぐに弁護士の派遣を
ご家族等が傷害罪やその他刑事事件で逮捕されてしまったと連絡を受けたらすぐに弁護士を派遣するようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、逮捕されて身体拘束を受けている方の下へ弁護士を派遣する初回接見サービスを行っています。
初回接見サービスでは、お電話でのお手続きで刑事事件に強い弁護士を留置場や拘置所に派遣します。
では、逮捕されてしまった場合の流れについて実際の事例(フィクション)を見てみましょう。
事例
1月15日(金)午前5時ごろ
会社員のAは、大阪市此花区の路上で通行人を殴って怪我をさせる傷害事件を起こしてしまいました。
すぐに大阪府此花警察署に通報されてしまい、Aは警察署へ連行され傷害罪の疑いで逮捕されてしまいました。
その日、Aは不安を覚えながら傷害罪について取調べを受けています。
1月16日(土)午後13時ごろ
Aは大阪府此花警察署から大阪地方検察庁へ移動し、検察官の取調べの後、勾留請求されることになり、大阪地方裁判所で勾留質問を受けました。
その後Aには傷害罪で10日間の勾留が決定されることになり、1月25日(月)までの身体拘束が決定しました。
延長されると最大で2月4日(木)までになると聞いてAは絶望しています。
逮捕されてしまうと、このような流れで起訴されるまでに最大で23日間の身体拘束を受ける可能性があります。
殺人罪や強制性交等罪、強盗罪のような分かりやすい重大犯罪だけでなく、今回の事例のように路上での傷害事件であっても逮捕、勾留の可能性はあります。
もしも、23日間も身体拘束を受けることになってしまうと、会社に行くこともできませんし、事件のことを知られてしまい解雇されてしまう可能性もあります。
そして、何よりも勾留が決定されるまでは、家族の面会が許されることは、あまりありませんので、本人の精神的負担は非常に大きなものとなるでしょう。
だからこそ、逮捕されたという連絡を受けたら、すぐに弁護士を派遣させることが必要となるのです。
弁護士の派遣をお考えの方は、ぜひ刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の初回接見サービスをご利用ください。
弁護士を派遣すると
では、その初回接見サービスを利用するとどうなるかみてみましょう。
1月15日(金)午前5時ごろ
会社員のAは、大阪市此花区の路上で通行人を殴って怪我をさせる傷害事件を起こしてしまいました。
すぐに大阪府此花警察署に通報されてしまい、Aは警察署へ連行され傷害罪の疑いで逮捕されてしまいました。
Aが傷害罪で逮捕されたという連絡を受けたA妻は、すぐに刑事事件に強い弁護士を派遣させる初回接見サービスを利用することにしました。
弁護士はすぐにAの下へ向かい、Aから傷害事件の詳細を聞いた上で、事件の見通しや取り調べのアドバイスを受けることができ、不安なく警察の取調べに対応することができました。
さらに、家族の伝言を聞いたAは、少し不安が解消されました。
その後弁護士はAの妻にAの様子や差入れの希望などをお伝えし、事件や今後の見通しについて報告しました。
Aの妻は弁護活動の依頼を検討しています。
このように、初回接見サービスの利用で逮捕されている方の心の不安は少しでも取り除かれますし、家族や本人にしても、今後の対処のために展望をきくことができます。
そして、この後に傷害事件に対する弁護活動のご依頼をいただくと、事例の1月16日(土)に検察官や裁判官に対して意見書を提出するなどして身体解放をめざします。
さらに、勾留が決定してしまっていたとしても、不服申し立てを行うことで、身体解放の可能性は高まっていきます。
他にも最終的な処分に向けて、被害者と示談交渉を行ったりなど様々な活動を行っていくことができます。
逮捕されてしまった場合、身体拘束を受けている本人は非常に不安を感じています。
そのため、家族の分かりやすい支援の一つとして弁護士の派遣をすることで、大きな支えとなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、初回接見サービスの受付を24時間体制で行っておりますので、大阪市此花区の傷害事件やその他刑事事件でお困りの方やそのご家族の方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。
強制わいせつ罪の示談交渉
強制わいせつ罪の示談交渉
強制わいせつ罪の示談交渉について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
ご家族等が強制わいせつ罪で逮捕されている場合はすぐに、通話料無料のフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスはお電話でのお手続きで刑事事件に強い弁護士を逮捕されている方の下へ派遣します。
~強制わいせつ罪~
強制わいせつ罪は刑法第176条に規定されています。
刑法第176条
「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。 13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」
強制わいせつ罪の罰則は、「6月以上10年以下の懲役」と、罰金刑の規定がありません。
そのため、起訴されてしまうと刑事裁判を受けることになってしまいます。
※罰金刑の規定があれば、略式手続きにより正式な裁判を受けずに、罰金刑が確定し事件が終了することがあります。
ただ、すべての強制わいせつ事件で刑事裁判となってしまうかというとそうではありません。
強制わいせつ事件でも、不起訴処分を獲得することができる可能性はあるのです。
不起訴処分となれば、捜査機関に前歴は残ることになりますが、前科とはならず、刑罰を受けることもありません。
そのために必要なことの一つが強制わいせつ事件の被害者と示談を締結することです。
~示談交渉~
強制わいせつ罪は、被害者と示談を締結することによって不起訴処分を獲得できる可能性があります。
示談交渉は、個人でも行っていくことが可能ですが、特に強制わいせつ事件の被害者との示談交渉は困難が予想されます。
実際の事例(フィクション)で確認してみましょう。
事例
大阪府高槻市に住む会社員のAは、自宅近くの路上で女性に抱き着き、胸を揉むという強制わいせつ事件を起こしてしまいました。
女性が悲鳴を上げたことで、Aは自宅に逃げ帰りました。
翌日
女性が被害届を提出したことから、大阪府高槻警察署が捜査を開始し、防犯カメラの映像などからAの犯行が特定され、Aは逮捕されてしまいました。
上記の事例で示談交渉を行っていく場合、逮捕されているので、事件を起こした本人が直接被害者と示談交渉をすることはできません。
そこで、弁護士を選任しなければ、家族が代わりに示談交渉を行っていくことになります。
では、家族が示談交渉をしようとした場合と刑事事件に強い弁護士を選任した場合で分けてみてみましょう。
【刑事事件に強い私選弁護人を選任しないと】
・Aの両親は、すぐに強制わいせつの被害女性と示談をしようと考えましたが、警察からは被害者の連絡先等を教えてもらえません。
・被害女性は加害者家族に個人情報が伝わってしまうことに恐怖を感じています。
・その後、Aには勾留が決定することとなり、勾留満期が来ると起訴されることになってしまい、Aは刑事裁判を受けることになってしまいました。
【刑事事件に強い私選弁護人を選任すると】
・Aの両親は、すぐに強制わいせつの被害女性と示談をしようと考え、【刑事事件に強い弁護士に示談交渉を依頼することにしました。】
・被害女性は加害者家族に個人情報が伝わってしまうことに恐怖を感じて【いましたが、弁護士が間に入って交渉していくことで、加害者やその家族に名前や連絡先といった個人情報が知られることはないと聞き、弁護士の話を聞いてみることにしました。】
・その後、【弁護士の示談交渉により、示談を締結することになり、Aは不起訴処分となり釈放されることになりました。】
今回の事例のように、刑事事件に強い弁護士に示談交渉を依頼することで、示談を締結できる可能性は高まります。
今回の強制わいせつ事件のように、被害者のいる刑事事件では示談交渉は非常に重要な弁護活動となります。
そのため、刑事事件に強い弁護士は、示談交渉の経験も豊富にありますので、安心してお任せいただくことができます。
示談交渉を依頼したいという方はまず、刑事事件に強い弁護士を逮捕されている方の下へ派遣させる弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用下さい。
大阪府高槻市でご家族等が強制わいせつ罪で逮捕されてしまったという方は、まず通話料無料のフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが年末年始にも無料法律相談、初回接見のご予約を受け付けております。
女子トイレに盗撮カメラを設置して逮捕
女子トイレに盗撮カメラを設置して逮捕
カメラを設置する盗撮について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事例~
兵庫県尼崎市に住む会社員のAは、自宅近くのスポーツ施設を利用していました。
Aは、あるとき人の少ない時間帯にスポーツ施設の女子トイレに忍び込み、盗撮用のカメラを仕掛けました。
女子トイレを利用した女性客の一人が盗撮用のカメラを発見し、兵庫県尼崎警察署に通報したことにより、Aの犯行が発覚しAは盗撮と建造物侵入の疑いで逮捕されることになってしまいました。
Aが逮捕されたことを聞いた同居の両親は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです。)
カメラを設置する盗撮事件
今回の事例のように女子トイレなどに忍び込んで盗撮カメラを設置して盗撮しいたような場合には、複数の罪が成立してしまう可能性があります。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
まず、盗撮行為については各都道府県に規定されている迷惑行為防止条例違反となるでしょう。
尼崎市のある兵庫県では、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(以下「迷惑行為防止条例」)で盗撮行為を禁止しています。
この条例の第3条の2第3項では、トイレのような他人が通常衣類の一部又は全部を付けない状態でいる場所での盗撮行為及び盗撮目的でのカメラの設置を禁止しています。
トイレに、盗撮目的でカメラを設置する行為に対しては「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」の罰則が規定されています。
建造物侵入罪
次に、盗撮カメラを設置する目的でスポーツ施設に侵入していることから、建造物侵入罪も成立します。
建造物侵入罪とは、刑法第130条に定められている法律で、正当な理由なく、人の看守する建造物に、看守者の許可なく立ち入ることで成立します。
建造物侵入罪には「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」の罰則が規定されています。
この他にも、もし設置したカメラに、児童のわいせつな画像が撮影されていれば、児童ポルノを製造したとして「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に抵触する可能性もあります。
示談交渉
上述のように盗撮カメラを設置する盗撮事件では、複数の罪が成立する可能性が高いです。
そして、迷惑行為防止条例違反と建造物侵入が成立した場合、盗撮の被害者と建造物侵入のそれぞれに被害者が存在することになります。
今回の事例でいうと、盗撮されてしまった女性が盗撮の被害者、スポーツ施設の管理者が建造物侵入の被害者、ということになります。
さらに盗撮されてしまった女性が複数人いた場合には、その分被害者が増えていくことになります。
迷惑防止条例違反、建造物侵入、どちらの罪に対しても示談交渉が非常に有効な弁護活動となるのですが、複数件の示談交渉を同時に行っていくことは非常に困難となります。
対応が遅れてしまうとすぐに対応しなかったということで、被害者の怒りをかってしまう可能性もありますし、検察官の処分が出てしまうまでに示談交渉が間に合わない可能性が出てきてしまいます。
そのため、このように複数の示談交渉が必要だという場合には、刑事事件に強い弁護士に弁護活動を依頼するようにしましょう。
刑事事件に強い弁護士は示談交渉の経験が豊富にありますので、複数の示談交渉がある場合にも適切かつスピーディに示談交渉を行うことが可能です。
兵庫県尼崎市の盗撮事件でお悩みの方、トイレなどに盗撮用のカメラを設置した事件でお困りの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
刑事事件に強い弁護士の初回接見、無料法律相談のご予約は0120-631-881にお電話ください。
保釈には刑事事件専門弁護士を
保釈には刑事事件専門弁護士を
保釈について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事例~
大阪府枚方市に住むA子は、夫が覚醒剤取締法違反で大阪府枚方警察署に逮捕されてしまいました。
その後、A子の夫は勾留され、勾留期間が満了すると起訴されることになりました。
A子は、夫の保釈を認めてもらうため刑事事件に強い私選の弁護士を探しています。
(この事例はフィクションです。)
保釈
刑事事件を起こして警察に逮捕されてしまい、勾留が決定されると勾留の満期日に検察官は起訴するか否かを判断します。
検察官が起訴しなかった場合は、勾留の満期と共に釈放されますが、起訴されて公判請求される場合は、その後も身体拘束を受けることとなります。
こうして起訴後の勾留によって身体拘束を受けている場合には、裁判官に対して保釈を申請することで身体解放を目指していきます。
保釈を申請し、裁判官が保釈を認めた上で、裁判所に保釈金(保釈保証金)を納付すれば保釈によって釈放されることになります。
保釈の請求は、起訴直後から裁判で判決が言い渡されるまでの間、いつでも何度でも行うことができます。
保釈には法律上、刑事訴訟法第89条の権利保釈(必要的保釈)、第90条の裁量保釈(職権保釈)、第91条の義務保釈の3種類があります。
弁護士はどの保釈で釈放が認められる可能性が高いかを判断し、裁判官に適切なアピールをしていく必要があります。
保釈金
弁護人の請求によって裁判官が保釈を認めると同時に保釈金が決定します。
裁判官が保釈を認めても、保釈金を裁判所に納付しなければ釈放されることはありません。
よく勘違いされますが、保釈金は、裁判の円滑な進行と、被告人の身柄を担保するために一時的に裁判所に預けるものなので、保釈が取り消されることなく、刑が言い渡されて刑事手続きが終了すれば保釈金は返還されます。
保釈金の金額については、刑事訴訟法第93条に規定されていますが、金額が明記されているわけではありません。
保釈金の金額は犯罪の性質及び情状、被告人の性格及び資産、その他の事情から裁判官が被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額を決定します。
そのため、保釈金の額は、被告人によってさまざまであり、数百万円から億単位にまで及ぶこともあります。
保釈の取消し
被告人は、保釈の許可が出され、保釈金を納付すると釈放されることになりますが、保釈の際には、住居の制限など保釈の条件が出される場合があります。
そして、この条件に違反することを含め、以下のような場合には保釈が取り消されてしまう可能性があります。(刑事訴訟法第96条)
1.正当な理由なく出頭しない場合
2.逃亡した、又は、逃亡のおそれがある場合
3.罪証を隠滅した、又は、隠滅のおそれがある場合
4.被害者や証人に危害を加えた、又は、危害を加えるおそれがある場合
5.住居の制限などの保釈の条件に違反した場合
保釈が取り消されてしまうと保釈金は裁判所の決定でその全部又は一部は没取されてしまいます。
さらに保釈が取り消されてしまうと、被告人は直ちに収監されてしまうことになります。
このようなことを避けるためにも、保釈された際には弁護士からしっかりと説明を受けるようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
そのため、保釈についての経験、知識とも豊富にあるので、安心して弁護活動をお任せいただくことができます。
大阪府枚方市で家族が身体拘束を受けていて、保釈してほしい方、その他刑事事件でお困りの方は、ぜひ一度フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
ご家族が身体拘束を受けているという場合には、刑事事件に強い弁護士を派遣する初回接見サービスをご利用ください。
児童に触らせる強制わいせつ
児童に触らせる強制わいせつ
児童に触らせる強制わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事例~
大阪市西淀川区に住むフリーターのA(28歳)は、近くの小学校に通う小学6年生のVさんがいつも愛想よく挨拶をしてくれることで、恋心を抱くようになっていきました。
しかし、女性と付き合ったことがなく恋愛経験もないAは、どうしてよいか分からず、ひとまずお菓子をあげるからといってVさんを自宅に連れ込みました。
そこで、Aは我慢できなくなってしまい、Vさんに自身の性器を握るようにお願いしました。
大人が真剣に頼んでくるので、握ったVさんでしたが、気持ち悪くて嫌な顔をしていました。
Vさんが嫌な顔をしていることに気付いたAは、すぐに触らせることをやめ、Vさんを家に帰しましたが、Vさんが両親にAとのやりとりを報告したことにより事件が発覚し、Aは大阪府西淀川警察署に逮捕されることになってしまいました。
Aが逮捕されたという連絡受けたAの両親は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです。)
触らせる行為もわいせつ罪に
強制わいせつ罪は、刑法に規定されている犯罪です。
刑法176条(強制わいせつ罪)
「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」
強制わいせつ罪というと、自然と「加害者が被害者に触った」という態様を思い浮かべることかと思います。
しかし、今回の事例のように「相手に触らせた」という場合でも、「わいせつな行為をした」とみなされます。
というのも、強制わいせつ罪は、性的自由を守るための規定であると考えられているので、強制わいせつ罪の「わいせつな行為」とは、大まかに言えば被害者の性的羞恥心を害する行為であると解されているためです。
今回のAのように自身の下半身を触らせるといった行為は、被害者の性的羞恥心を害する行為であると考えられますので、たとえ自分が相手の身体を触るような態様でなかったとしても、強制わいせつ罪の「わいせつな行為」となる可能性があるのです。
13歳未満に対する強制わいせつ
今回のAさんの行為が強制わいせつ罪の「わいせつな行為」に当たりうることは先ほど確認しましたが、ここで、今回のAはVさんに対して暴行も脅迫もしておらず、あくまでVさんにお願いして触ってもらっています。
たしかに、強制わいせつ罪の条文の前段には、「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者」に強制わいせつ罪が成立する旨が書いてあります。
しかし、条文の後半部分を見ると、被害者が13歳未満の者の場合には、わいせつな行為をするだけで強制わいせつ罪が成立すると決められていることが分かります。
すなわち、今回のAは、暴行や脅迫を加えていなくとも、被害者のVさんが13歳未満であることから、わいせつな行為をした時点で強制わいせつ罪の成立が考えられるということになるのです。
これは、13歳未満の者については、性的知識が乏しくたとえ同意があったとしてもその同意は有効ではないと考えられているからです。
弁護活動
強制わいせつ罪は、平成27年の刑法改正で親告罪から非親告罪になりました。
しかし、被害者との示談交渉が非常に有効な弁護活動となることに変わりはなく、弁護士は示談締結を目指して活動していきます。
ただ、強制わいせつ事件では、被害者の処罰感情が強いことが多く、当事者が謝罪の意向を示してもそもそも取り次いでもらえないということも多いです。
特に、今回のAのように被害者が幼い強制わいせつ事件では、謝罪・示談交渉の相手は被害者の親となることが多く、処罰感情が強くなるのも自然なことといえます。
こういった困難が予想される示談交渉には、専門家であり第三者である弁護士に依頼するようにしましょう。
弁護士からの話であれば、謝罪・示談交渉の意思を示すことで、被害者やそのご家族が話を聞いてくださる可能性は高くなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
窃盗事件で逮捕
窃盗事件で逮捕
窃盗事件での逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事例~
大阪府枚方市に住むA(72歳無職)は、あるとき自宅近くの青果店で買い物をしようと訪れましたが、財布をもってくるのを忘れてしまいました。
そこで、財布を取りに帰るのが面倒だと感じ、魔がさしたAは、そこにあった果物数十点をそのまま持ち去ってしまいました。
青果店の店主はすぐに、Aを取り押さえ、大阪府枚方警察署に通報しました。
その後、Aは駆け付けた警察官に逮捕されてしまいました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの息子は、どのように対応していったら良いのかわからず、ひとまず刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)
窃盗罪
今回の事例のAは、刑法第235条に規定されている窃盗罪で逮捕されてしまいました。
窃盗罪は、みなさんもイメージしやすい犯罪の一つかと思われます。
しかし、犯罪行為としてイメージしやすくても、窃盗をしてしまった場合に具体的にどうなってしまうのか、という事件の見通しについては、余りイメージできないのではないいでしょうか。
こういった事件の見通しを立てていくためには、弁護士の専門的な知識が必要となってくるでしょう。
たとえば、窃盗罪の法定刑は、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が規定されていますが、懲役刑となるのか、罰金刑となるのか、執行猶予は付くのか、不起訴の可能性はあるのか、などは様々な要素から判断されるため、専門知識がなければ見通しをたてることは難しいです。
こういった見通しを知るためにも、ご家族等が逮捕されたという連絡を受けたらすぐに刑事事件に強い弁護士による初回接見サービスを利用するようにしましょう。
初回接見
逮捕された方は、逮捕直後、基本的にご家族を含め誰にも会うことができません。
しかし、弁護士であれば、いつでも、立会人なしで自由に面会することができるのです。
特に逮捕された直後というのは、不安で精神的に大きなストレスを抱えてしまいます。
そこで弁護士と会い、弁護士から、法的なアドバイスを受けることで、逮捕されている方の負担を軽くし、今後の取調べに対応することができます。
具体的には、弁護士が逮捕されている方から状況を確認し、今後の見通しや取調べのアドバイスをお伝えすることができます。
また、弁護士から刑事事件についての詳しい説明を受けることで、違法捜査を防ぐことにもつながっていきます。
例えば、弁護士が取調べのルールや逮捕された方の権利を説明することによって、警察官が強制的に自白をとることを防止したりすることができるかもしれません。
そして、逮捕されている方の様子や事件の詳細、刑事事件の流れについて、ご家族にも可能な範囲でご報告させていただきます。
ご家族が逮捕されてしまったという場合は、このような初回接見サービスをご利用いただくことで、その後の事件解決に向けた方針やビジョンが見えてくるのです。
また、弁護活動をご依頼いただければ、身体解放に向けても活動していきます。
特に、今回の事例のように逮捕されている方が高齢の場合、留置場での生活は精神面だけでなく、肉体的にも大きな負担がかかってしまいます。
そのため、刑事事件に強い弁護士による活動で、一刻も早い身体解放を目指した方が良いといえるでしょう。
大阪府枚方市で窃盗事件を起こし、逮捕されてお困りの方やそのご家族がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお問い合わせください。
刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間体制で受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
痴漢だと思っていても裁判員裁判の可能性
痴漢だと思っていても裁判員裁判の可能性
強制わいせつ致傷について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪市北区に住む会社員のAは、通勤で電車を利用していました。
Aが乗る電車はいつも満員電車で、Aも基本的には身動きが取れない状態となってしまっていました。
ある朝、Aがいつものように満員電車に揺られていると、途中の駅からAのとても好みの女性がAのそばに入ってきました。
満員電車で密着してしまっているうちに我慢できなくなったAは、女性の下半身を触ってしまいました。
女性は恐怖で声を上げることができませんでしたが、Aはそれを拒否されていないと都合の良く勘違いしてしまいました。
勘違いしたAはさらに、女性の下着の中にまで手を入れ、女性の性器を触っていました。
すると、Aは興奮して力が入りすぎてしまい、女性の性器を傷つけてしまいまいました。
女性の様子がおかしいと感じた周りの乗客が、Aが女性にわいせつ行為をしていることに気付き、Aは次の駅で降ろされました。
そして、Aは強制わいせつ致傷の疑いで駆け付けた大阪府天満警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
Aが逮捕されたことを聞いたAの両親は刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しています。
(この事例はフィクションです。)
強制わいせつ致傷
強制わいせつ致傷は刑法第181条に規定されています。
刑法第181条第1項
「第176条(強制わいせつ)、第178条第1項(準強制わいせつ)若しくは第179条第1項(監護者わいせつ)の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。」
今回のAの行為は電車内での出来事であり、一見すると痴漢行為で各都道府県の迷惑行為防止条例違反となりそうですが、下着の中に手を入れて性器を弄んでいることから、一般的に強制わいせつ罪となる可能性が高いです。
そして、今回の事例のように強制わいせつの一連の行為の際に人に傷害を負わせてしまった場合、強制わいせつ致傷となってしまいます。
強制わいせつ致傷の罰則は「無期又は3年以上の懲役」とあるように無期が規定されています。
罰則に無期が規定されていると、裁判員裁判となってしまいます。
裁判員裁判
裁判員裁判とは、抽選で選ばれた一般市民が「裁判員」となって、裁判官と一緒に刑事被告人が有罪であるか否か、有罪であるとしてどれくらいの刑を課すべきかを決める制度です。
裁判員裁判の対象となる事件については、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1項に定められています。
1号 死刑又は無期の懲役、禁錮に当たる罪に係る事件
2号 法定合議事件であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件
強制わいせつ致傷となった場合の法定刑は「無期又は3年以上の懲役」ですから、今回の事例のように強制わいせつの被害者が負傷してしまい、強制わいせつ致傷で起訴されてしまうと、1号に該当し裁判員裁判対象事件となってしまいます。
裁判員裁判では、通常の裁判とは違い、法律のプロではない一般人が参加することから、通常の裁判よりも準備や進行が遅くなってしまう傾向にあります。
さらに、弁護人には裁判員に向けた分かりやすい主張も必要となってくるでしょう。
つまり、裁判員裁判対象事件では、裁判員裁判用の用意が必要となるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所ですので、事務所として裁判員裁判の経験も豊富にあります。
また、刑事事件に強い弁護士であれば、起訴されるまでに被害者との示談を締結させることで、不起訴処分を獲得することができるかもしれません。
不起訴処分となれば、裁判員裁判を受けることもありません。
刑事事件では、しばしば自身の考える罪よりも重い罪になってしまうことがあります。
今回の事例のように、痴漢のつもりが強制わいせつ致傷となってしまうこともあれば、万引きのつもりが強盗となってしまうことも考えられます。
そのため、なにか刑事事件を起こしてしまったという場合には、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談するようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、フリーダイヤル0120-631-881にて、24時間体制で無料法律相談、初回接見のご予約を受け付けております。
さまざまな恐喝事件
さまざまな恐喝事件
恐喝事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
今回は、恐喝事件について、いくつかのケースに分けてご紹介したいと思います。
まずは、恐喝罪について確認しましょう。
恐喝罪
恐喝 刑法249条
第1項 「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」
第2項 「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」
条文上に登場する「恐喝」とは、財物の交付をさせる目的のために行われる脅迫行為(害悪の告知)のことを指します。
この脅迫行為(害悪の告知)の害悪の内容については、生命、身体、自由、財産に対する危害だけでなく、名誉を毀損し、社会的地位を失墜させたり、家庭の平和を破壊するような内容も含まれるとされています。
告知の手段や方法については、言葉によって行われる場合はもちろん、文書や動作であってもかまいません。
そして、恐喝罪は財物を交付させる目的で脅迫が行われるので、脅迫行為の他に財物交付の要求行為が必要となります。
この要求は今回の事例のような明示的なものに限らず、暗に財物の提供を求めるなど暗示的、黙示的要求でもよいとされています。
そして、2項では、恐喝をして財産上不法の利益を得たり、第三者に得させたりすることについても恐喝罪が成立することを規定しています。
なお、恐喝罪となってしまう事件は、その恐喝行為の程度によっては強盗罪となってしまう可能性もありますので、恐喝事件でお困りの方は刑事事件に強い弁護士の見解を聞くようにしましょう。
さまざまな恐喝事件
恐喝事件と聞くと、いわゆるカツアゲのように相手を脅してお金を差し出させる事件を思い浮かべるかもしれませんが、恐喝事件の中には、それも恐喝になってしまうのか、と意外に感じるものもあります。
今回は、そんな事例を含めたさまざまな恐喝事件を紹介します。
ケース1借金の取り立て
友達にお金を貸しているから返してほしい、という場合でも恐喝行為があれば恐喝罪が成立する可能性があります。
借金を返済してもらえるという権利を持っていることで、恐喝罪の成立を否定することにはならないのです。
ケース2 犯罪を通報するぞ、と脅す場合
犯罪行為を見た際に通報することは正しいことですが、犯人に対して口止め料などの金銭の要求をしてしまうと、恐喝罪となってしまう可能性があります。
恐喝の際の脅迫行為における害悪の告知には、名誉を毀損し、社会的地位を失墜させたり、家庭の平和を破壊するような内容も含まれるとされているので、「犯罪行為を警察に言うぞ」といった内容でも、金銭を要求すれば恐喝罪となる可能性があるのです。
ケース3 無銭飲食
無銭飲食、いわゆる食い逃げは詐欺になる、と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、食い逃げであっても店員などに難癖をつけ、無料にしろ、などと恐喝行為を行ってしまうと条文の2項により恐喝罪となってしまう可能性があります。
食事料金の支払いを免れることで、財産上の利益を得ていることになるのです。
今回は少し意外に感じるかもしれない3つのケースをご紹介しましたが、このように自分が恐喝事件だと思っていない行為でも恐喝罪が成立する可能性があるのです。
もしも、恐喝事件でお困りの方やそのご家族がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
刑事事件に強い弁護士が、初回無料での対応となる法律相談、弁護士を身体拘束を受けている方の下へ弁護士を派遣する初回接見を行っています。
無料法律相談、初回接見のご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
暴行罪と傷害罪を検証
暴行罪と傷害罪を検証
暴行罪と傷害罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事例~
大阪市で性風俗店を経営するAさんは、自身のお店で勤務する女性従業員に頼まれて給料100万円を前貸ししました。
毎月の給料から天引きして返済してもらう約束でしたが、女性従業員はAさんから100万円を受け取った翌日から出勤しなくなり音信不通となりました。
その数か月後、この女性が他の性風俗店で働いていることを知ったAさんは、女性が働いている性風俗店に行って、返済の話し合いをしようとしました。
しかし、女性が開き直って返済を拒否したことから、Aさんは「風俗店で働けなくしてやる。」と言って、女性の身体を押さえつけて、バリカンで女性の髪の毛を切断して丸坊主にしたのです。
(この事例はフィクションです)
他人に暴行すれば暴行罪(刑法第208条)で、その暴行によって被害者が傷害を負えば傷害罪(刑法第204条)に抵触すると言われています。
つまり傷害の結果が発生しなければ、暴行罪が成立することはあっても、傷害罪は成立しないのです。
つまり、今回の事例では、女性の頭髪を切断し丸坊主にした行為が傷害の結果を生ぜしめた行為といえるかどうかによって、傷害罪が適用されるかどうかが判断されます。
~「傷害」とは~
「傷害」の意義については、学説上
①身体の完全性毀損説
②生理機能障害説
③折衷説(生理機能を傷害し又は身体の外形に重大な変化を生ぜしめたこととする説)
の3説が対立しています。
事例のように女性の髪の毛をバリカンで切断し丸坊主にする行為は、外形上の完全性を害する行為ですが、生理的機能までもを害する行為とはいえないでしょう。
その事を念頭にすれば①身体の完全性毀損説を採用すれば、傷害罪が成立するでしょうが、②生理機能障害説が採用されれば、暴行罪の成立にとどまります。
この点に関して、今回の事例と同様の事件の判例では、傷害罪は身体の生活機能の毀損、すなわち健康状態の不良変更を惹起することによって成立するもので、髪の毛や髭を切断することで直ちに健康状態の不良変更を来さないので、暴行罪が成立するにとどまるとしています。
しかし下級審判例では、今回の事例と同様に事件について
(1)人の身体の完全性を侵害する場合も傷害に当たる。
(2)頭髪は、人体の中枢をなる頭脳を外力から防護する生活機能を有している。
(3)女性の頭髪は、女性の社会生活上重要な要素を占めている女性の容姿にとって、まさに生命ともいうべきものとして古くから大切に扱われてきているものであって、女性の頭髪を切断する行為は傷害罪に当たる。
と③の折衷説を採用する判例もあります。(昭和38年東京地裁判例)
~結論~
実務上では、②生理機能障害説と③折衷説の何れかの説が採用されることになりますが、生理機能に重大な侵害があれば外部的完全性を損なわくとも傷害罪が適用されるべきであり、逆に、生理機能を全く侵害していない以上は重大な外形上の変形も傷害とする必要はないと解されます。
そして、人体の一部たる頭髪には、頭部を保護する機能があり、この生理的機能が頭髪の切断によって侵害されることになるとしても、その侵害の程度は、通常の一般人がこれを身体に受ける傷害として意識しているとはいい難いほど、ごく軽微なものです。
したがって、今回の事例の行為に対しては暴行罪が適用される可能性が非常に高いでしょう。
◇暴行罪の量刑と刑事弁護活動◇
~量刑~
暴行罪の法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。
暴行罪は、犯行形態や被害者感情によっては微罪処分の対象にもなる、軽微な犯罪の一つですが、今回の事例の場合、上記(3)にも記載したように、どの様な事件背景が存在するにせよ、女性の頭髪を切断するという行為は、女性の被害者感情を考慮すると非常に悪質なものといえるでしょう。
暴行罪は、初犯であれば略式罰金となるケースがほとんどですが、犯行の悪質性が重要視された場合は起訴される可能性もあるでしょう。
~刑事弁護活動~
暴行罪は、被害者と示談を締結することによって不起訴処分等の減軽が望めるため、刑事弁護活動は被害者との示談が主となります。
示談は、被害者に対して示談金を支払うこととよって締結できるケースがほとんどです。
そこでみなさんが気になるのが示談金の額でしょう。
一般的に示談金は、事件の内容や、事件の被害によって実際に生じた損害金や費用、事件が原因となって仕事を休んだ場合の日当等を考慮して算出しますが、最終的には被害者との合意によって示談金が決定します。
女性の髪の毛を切断した今回の事例では、女性の精神的なショック等を考慮すれば相当の金額に及ぶことが予想されます。
大阪市内で刑事事件を起こしてしまってお困りの方や、暴行罪と傷害罪に強い弁護士をお探しの方は、大阪で刑事事件を専門にしている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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