~事件~
Aさんは、大阪市北区の繁華街で、風俗営業の許可が必要なスナックを無許可で営業していたとして、大阪府曽根崎警察署に逮捕されました。
お店を開店した当初は、風営法で規制されていない範囲で居酒屋の営業をしていましたが、お客の要望にこたえるようになって、女性ホステスを雇い、スナック営業を始めたのです。
これまでAさんは警察から警告を受けていましたが、その後も許可を得ず営業を続け、今回の逮捕に至ったのです。
(フィクションです)
◇風営法上のスナック◇
風営法とは、正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という名称の法律で、通称として「風営法」や「風適法」と呼ばれています。
風営法上で規制されている業態としては、
①第1号営業:キャバクラやホストクラブ等顧客を接待する飲食店
②第2号営業:照度10ルクス以下の飲食店
③第3号営業:客席の広さが5㎡の飲食店
等が挙げられます。
また、パチンコ店やゲームセンター等が風営法上の規制の対象となっており、その他性風俗店やダンスクラブも規制の対象となっています。
ただし、スナックの場合には線引きが難しい場合があり、接待を含まない場合には風俗営業とは認められないことがありますが、実際は大半の場合風俗営業とみなされます。
◇スナックの無許可営業で逮捕されると◇
接待を含むスナックを無許可で営業していた場合、風営法に違反する行為となります。
逮捕後に起訴され有罪判決を受けると、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は懲役と罰金の併科」が科せられることになります。
また、その他行政上の処分が下され、一定期間店の営業ができなくなる場合があります。
◇無許可営業の弁護活動◇
刑事事件の代表的な弁護活動としては、被害者との示談交渉がありますが、風営法の無許可営業は被害者がいないため示談することはできません。
ですので主な弁護活動としては
①弁護士を通じて反省していることを捜査機関に示す(刑事罰の軽減を求める)
②事実関係を正直に話し、早期の身柄解放を求めること(早期身柄解放)
があります。
詳しい弁護活動に関しては、一度弁護士に相談することをお勧めします。