~刑法を解説~6回目の本日は、第7章犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪
第7章には犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪について規定されています。
規定されている内容は
第103条 犯人蔵匿・犯人隠避罪
第104条 証拠隠滅等罪
まず第103条の犯人蔵匿と犯人隠避についてですが、この法律は、罰金以上の刑に当たる犯罪を犯した犯人や、拘禁中に逃走した逃走犯を蔵匿したり、隠避した場合に成立する犯罪です。
ここでいう「蔵匿」とは、隠れ場所を提供することを意味し、「隠避」とは、蔵匿以外の方法で、警察等の捜査当局の、犯人や逃走犯の逮捕、発見を妨げる一切の行為を意味します。
例えば、逃走用の車を用意したり、逃走資金を提供するのは当然のこと、携帯電話を貸したりするだけでも犯人隠避罪に問われる可能性があるので注意が必要です。
続いて第104条の証拠隠滅等罪とは、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅したり、偽造、変造することや、偽造や変造された証拠を使用することで成立する犯罪です。
例えば、過去には、ひき逃げ事件を起こした車両を修理する行為が証拠隠滅罪に問われた例があります。
親族は除外される
第105条 親族による犯罪に関する特例
上記した犯人蔵匿罪や犯人隠避罪、証拠隠滅等罪に当たる行為を、犯人又は逃走した人の親族が行った場合は刑が免除されます。
犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪の罰則
①犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」です。
②証拠隠滅等罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」です。
「~刑法を解説~第8章騒乱の罪」に続く
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