【速報】警察官に対する殺人未遂事件の容疑者をかくまったとして母親らが逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事件の概要(5月12日に配信された報道会社の記事を抜粋)
~警察官に対する殺人未遂事件~
殺人未遂事件については、以下のURLをクリック
~犯人蔵匿と証拠隠滅で母親らが逮捕~
逮捕された、殺人未遂事件の容疑者の母親らは、事件を起こして逃走中の容疑者から連絡を受け、殺人未遂事件の際に容疑者が乗車していたバイクを大阪府内の敷地に隠したり、警察から逃げ回る容疑者を自宅にかくまった疑いがもたれています。
大阪府警の発表によりますと、殺人未遂事件を起こした容疑者が母親らに「警察官に声をかけられて逃げた。バイクを隠したい。」と相談しており、実際にバイクが隠されていた現場周辺の防犯カメラには、母親の姿が映っていたということです。
証拠隠滅罪
他人の刑事事件に関する証拠を隠滅等すると証拠隠滅罪が成立します。
証拠隠滅罪は、刑法第104条に規定されており、その内容は以下の通りです。
刑法104条
他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
大阪府警は今回の事件で、殺人未遂事件を起こした際に容疑者が乗車していたバイクを隠す行為を、証拠隠滅罪に抵触すると判断したのでしょう。
犯人蔵匿罪
刑事事件を起こした犯人をかくまって逃走の手助けをすると犯人蔵匿罪となります。
犯人蔵匿罪は、犯人隠避罪とともに刑法第103条に規定されており、その内容は以下の通りです。
刑法第103条
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
大阪府警は今回の事件で、殺人未遂事件を起こした際に容疑者を自宅にかくまった行為を、犯人蔵匿罪に抵触すると判断したのでしょう。
親族による犯罪の特例
証拠隠滅等罪等をした者が犯人の親族である場合には、その刑が免除されることがありますが、これは義務的なものではなく、裁判官の裁量によります。