【速報】大阪府警が弁護士をすぐに呼ばなかった 府に賠償を命じる判決

逮捕された男性が弁護士を要請したのに、大阪府警が弁護士をすぐに呼ばなかったとして、大阪府に賠償を求めた裁判で、大阪地方裁判所は、府に賠償を命じる判決を言い渡しました。
刑事弁護活動において非常に重要で、今後に大きな影響を及ぼす事が予想されるこの裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

裁判の内容と判決

今回、問題となっているのは、建造物侵入罪の容疑で大阪府警に逮捕された男性が、大阪府堺警察署での取調べの際に、無料で弁護士を呼ぶことができる制度(当番弁護士制度)の利用を求めたものの、大阪府警の連絡ミスで、実際に弁護士と接見できたのが翌日となったことです。
弁護士の接見が遅れたことによって、男性は精神的苦痛を受けたとして150万円あまりの賠償を求めて大阪府を訴えていました。
これに対して大阪府は「制度は弁護士会の独自のもので対応すべき義務はない」などと主張していたようです。
大阪地方裁判所は判決で「法律で保障される弁護人の選任権の侵害にあたる」と判断し、府に11万円の支払いを命じています。

弁護士の見解

刑事手続きにおける逮捕、勾留によって警察の留置施設で身体拘束を受けている被疑者、被告人は、弁護士(弁護人)と接見(面会)する権利(接見交通権)があります。
ただ身体拘束を受けていると、自らが弁護士に「接見に来てください」と伝える手段は、手紙しかありません。
この手段に頼っていては、弁護士接見が必要な時に受けられず遅れてしまうため、現状は、捜査機関(警察官や検察官、検察事務官等)に「弁護士を呼んでください。」とお願いして、捜査員等を介して弁護士(弁護人)に接見要請がなされています。
こうすることで、被疑者、被告人の接見交通権が保障され、被疑者、被告人は必要な時に、必要な弁護を受けることができるのですが、間に入っている捜査員等が弁護士(弁護人)への接見要請をしなければ、間接的に、被疑者、被告人の権利が侵害されることになりかねません。
そういった意味では、今回の判決は強く支持できる内容だと思われます。

接見要請(弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の場合)

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、弁護人として選任していなくても、逮捕、勾留によって、警察署の留置場や拘置所に身体拘束されている方のもとに弁護士を派遣することができます。
詳しくは、こちらを クリック

また既に弁護人として選任していただいている場合は、取調べを担当している警察官や検察官、留置場、拘置所の看守に「●●弁護士に接見要請してください。」と一言申し出ていただくだけで、最速で担当の弁護士が接見にうかがいます。

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