略式罰金について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
◇下着の買受けが刑事事件に発展◇
大阪市淀川区に住む会社員のAは、SNSを通じて出会った女性と会うことになりました。
大阪市淀川区内の飲食店で食事をしていると、20歳だと聞いていた女性の年齢が17歳であることがわかりました。
Aは食事後ホテルへ行くつもりでいましたが、相手が18歳未満で犯罪になってしまうと思い、その場で解散することにしました。
しかし、どうしても性欲を満たしたいと考えたAは、女性に頼んで、はいている下着を売ってもらうことにしました。
後日、大阪府淀川警察署からAのもとへ連絡があり、Aは着用済み下着買受けによる大阪府青少年健全育成条例違反の疑いで取調べを受けることになってしまいました。
(この事例はフィクションです。)
◇着用済み下着買受けの罪について◇
各都道府県で定められている青少年健全育成条例では、18歳未満の者との淫行だけではなく、青少年の保護に関してさまざまなものが規定されています。
各都道府県での規定となるため、条文の内容や罰則に違いがありますが、大阪府青少年健全育成条例では、青少年の着用済み下着買受けについて以下のように規定しています。
大阪府青少年健全育成条例
第40条
「何人も、青少年から着用済み下着を買い受け、若しくはその売却の委託を受け、又はその売却の相手方を青少年に紹介してはならない。」
第42条
「何人も、青少年に対し、次に掲げる行為を行ってはならない。」
1号 着用済み下着を売却するように勧誘すること。
第43条
「何人も、次に掲げる行為が青少年に対して行われ、又は青少年がこれらの行為を行うことを知って、そのための場所を提供し、又は周旋してはならない。」
2号 青少年から着用済み下着を買い受け、若しくはその売却の委託を受け、又はその売却の相手方を青少年に紹介する行為
罰則についてはどれも同じ「30万円以下の罰金」が規定されています。
かつては、女子中高生の着用したものはブルセラなどと呼ばれ、専門店も存在していたほどです。
しかし、下着売買が児童買春の入り口になってしまうことが多かったため、現在は青少年保護条例で禁止されるようになりました。
◇略式罰金◇
略式罰金とは、今回の事例の着用済み下着買受けでの青少年健全育成条例違反のように罰金が法定刑に規定されている犯罪の事件で、正式な裁判を受けることなく略式起訴により罰金刑となることをいいます。
略式罰金となる可能性があるのは、「100万円以下の罰金又は科料」を科す場合のみであるため、懲役刑しか規定されていないような、重い犯罪などの場合は、略式罰金とはなることはなく、起訴された場合は正式裁判となってしまいます。
また、略式罰金となる事件は、事実上争いのないものに限られ、本人の同意のもと行われる必要があります。
同意をすると取調べの事実や起訴に異論がないということになるので、結果的に罪を認めたことになりますし、略式罰金に同意をすると有罪判決が下されることになります。
そのため、無罪の主張や事実の有無について争いたい場合は、略式罰金に同意せずに、正式裁判を起こすようにしましょう。
なお、略式罰金となった後でも判決に納得ができなければ、14日以内は異議申し立てをすることが可能です。
これらの選択をどうするかは、弁護士と相談して慎重に決めるのが得策でしょう。
◇刑事事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の無料法律相談では、刑事事件に強い弁護士が、略式罰金を含む的確な処分の見通しをお伝えします。
着用済み下着買受けの罪で疑われている方がおられましたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にぜひご相談ください
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