死亡事故が殺人事件に

2019-11-16

死亡事故が殺人事件に

死亡事故が殺人事件になる場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

~事例~
大阪府枚方市で個人タクシーの運転手をしていたAは、夜道を車で走行中、道路に飛び出してきた60歳の男性をはねてしまいました。
Aは事故が発覚すると仕事を失うと思い、車の下に男性を引きずったまま逃走し男性を死亡させてしまいました。
事故から数時間後、Aは大阪府枚方警察署に出頭し、死亡ひき逃げ事件で逮捕されることになってしまいました。
当初、国選弁護人を選任していたAでしたが、20日間の勾留後に、殺人罪で起訴されることになってしまったことから私選弁護士への切り替えを検討することにしました。
(この事例はフィクションです。)

死亡ひき逃げ事件

人身事故を起こしてしまい、被害者を死亡させてしまった場合には、「自動車の運転により人を死傷される行為等の処罰に関する法律」に定められている危険運転致死罪過失運転致死罪が適用される可能性が高いです。
この二つの罪名については、自己の原因によって変わってきます。
罰則については危険運転致死の場合が「1年以上の有期懲役」、過失運転致傷の場合は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」が規定されています。
そして、最近ではあおり運転に殺人罪が適用されたように交通事件であっても、人が死亡している場合には、殺人が適用されるケースがあります。

交通事件の殺人罪と故意について

刑法第199条に人を殺した者は、「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」に処すとして殺人罪が定められています。
殺人罪は、行為者が殺意をもって他人を死亡させる事によって成立するので、殺意(殺人の故意)がなければ殺人罪は成立せず、傷害致死罪、過失致死罪にとどまる可能性が高いです。
ちなみに、殺人の故意(殺意)は、必ずしも確定的なものである必要はなく、未必の故意のような不確定的な故意でも足りるとされています。
つまり「殺してやる」ではなく「死んでも構わない」といった故意でも殺意が認定される可能性があるのです。
今回のAの場合「被害者男性を車で引きずっている認識があり、このまま走行を続けたら男性が死亡するかもしれないが、死亡してもかわない。」という場合は、殺人に対して認識、認容があるとして殺人罪が認められてしまうかもしれません。
殺人は非常に重たい罪であり、殺人罪で有罪が確定した場合、長期服役が科せられる可能性が非常に高いですが、事件に至った経緯など情状面が考慮されて処分が軽減される可能性もありますので、まずは刑事事件専門の弁護士の見解を聞くようにしましょう。

裁判員裁判

殺人罪で起訴された場合には、裁判員制度の対象事件となります。
裁判員制度は裁判の正当性に対する国民の信頼を確保することなどを目的として平成21年から開始されました。
一般の国民が裁判員として裁判官とともに議論したうえで多数決をとり、基本的には単純過半数により決します。
すなわち裁判員の人選も最終の処分に大きく関わってくる可能性があるのです。
そこで弁護士は裁判員の選任手続きにも立ち会い、不利、不公平な裁判をするおそれのある裁判員候補者をチェックして裁判員に選ばれないように阻止します。
さらに、裁判員という一般の方が裁判に参加する形となりますので、裁判前に争点を絞り込む公判前整理手続を行うことになります。
このように裁判員裁判は通常とは少し違う手続きが入ってきますので、刑事事件の中でも裁判員裁判の経験のある弁護士に依頼、相談するようにしましょう。


大阪で死亡事故を起こしてお困りの方、殺人罪で起訴された方、裁判員裁判対象事件に強い弁護士をお探しの方、又はそのご家族様は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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