下着泥棒が強盗に
下着泥棒での強盗について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
事例
大阪府枚方市に住むAはあるとき、近くに住む若い女性の下着を盗もうと2階にあるベランダに忍び込んで、干してある下着を物色していました。
すると、住人がちょうど帰宅し、Aを発見して悲鳴を上げました。
Aは2階から飛び降りて逃走しようとしましたが、その際に逮捕しようとしてきた住人を投げ飛ばして逃げきりました。
しかし、数日後、近くの防犯カメラの映像などからAの犯行であることが特定され、Aは大阪府枚方警察署の警察官が自宅にきてAは逮捕されることになりました。
Aの両親は大阪の刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)
刑法第238条(事後強盗)
「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。」
事後強盗
刑法238条には事後強盗が規定されており、万引きなど窃盗の罪を犯した者が、暴行又は脅迫を用いて逃走しようとしたときなどは事後強盗とされ、起訴されて有罪が確定すると強盗と同じ「5年以上の有期懲役」で処断されてしまうことになります。
今回の事例のような下着泥棒についても窃盗にあたり、その犯人であるAが逮捕しようとしていた住人を突き飛ばしているので、事後強盗となる可能性があります。
事後強盗に対する暴行又は脅迫の相手方については、窃盗の被害者に限定されるということはありません。
犯行を目撃して追跡している第三者や警察官に対する暴行や脅迫であっても事後強盗罪は成立します。
暴行又は脅迫の程度についてですが、これは相手の犯行を抑圧するに足りる程度のものであることが必要であるとされています。
逃走のために逮捕しようとする者の生命身体に一定程度以上の危害を加え、逮捕をあきらめることになり得る暴行がこれにあたります。
また、強盗と同じ扱いになるということなので、もし相手にケガをさせてしまうと強盗致傷罪となり裁判員裁判となってしまいます。
事後強盗の窃盗について
事後強盗となるのは窃盗犯人ですが、この窃盗については既遂であるか、未遂であるかを問いません。
今回のAのように窃盗の目的で物色しているところを見つかり、逮捕を逃れるために暴行又は脅迫をしてしまった場合は事後強盗未遂となります。
弁護活動
今回の事例のように本人が逮捕されている場合には、まず弁護士は初回接見に向かいます。初回接見では本人から話を聞いたうえで、取調べのアドバイスを含めた今後の見通しを本人にお伝えし、ご家族に報告します。
そして、弁護活動をご依頼いただければ被害者との示談交渉などの弁護活動を行っていきます。
色情盗と呼ばれるような下着泥棒の場合、加害者本人が示談交渉を行っていくことは非常に困難となります。
被害者は、もう事件のことを思い出したくもないし関わりたくないという方が多いですし、示談交渉をしていくためには、連絡先が必要となります。
連絡先を直接教えることに抵抗のある方もいるので、連絡先すら分からずに全く示談できないということも考えられます。
しかし、このような方でも弁護士が間に入ったことを伝えると示談交渉に応じてくれることがありますので、示談が必要になった場合は弁護士に依頼するようにしましょう。
また、暴行の程度や場所、時間などから事後強盗にはあたらないとされることもありますので、一度弁護士の見解を聞くようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件、示談交渉に強い弁護士が無料相談、初回接見を行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
大阪府枚方警察署までの初回接見費用:37,600円
法律相談:初回無料