大阪府警は、他人の飼い猫に向けてエアガンを撃ったとして、堺市西区の会社員男性を、動物愛護法違反で書類送検しました。
(平成29年12月12日朝日新聞に掲載)
昨日、親告罪である器物損壊事件について、刑事事件に強い弁護士が解説しました。
そこで、他人の飼い犬や飼い猫を、故意に死傷させた場合、器物損壊罪に当たる可能性がある事を解説しましたが、本日は、動物愛護法違反について解説します。
今回の事件が、どうして器物損壊罪にならないの?
今回の事件について、猫にエアガンを発射してるのに、どうして器物損壊罪にならないの?と疑問を持った方がいるかもしれません。
実は、今回の事件、会社員男性は「猫に向けてエアガンを発射した。」事実を認めていますが、その弾が猫に命中したかどうかは不明で、猫のケガは認められませんでした。
もし猫のケガが認められれば、器物損壊罪として捜査されていたかもしれませんが、器物損壊罪には未遂を取り締まる規定がありませんので、今回は、動物愛護法が適用されたと考えられます。
動物愛護法とは
動物愛護法とは「動物の愛護及び管理に関する法律」の略称で、この法律は主に、動物の虐待を防止したり、動物の飼い主やペット業者に責任や義務を課すための法律です。
動物愛護法の対象となる動物は、犬、猫、牛、馬等の哺乳類だけでなく、鳥類や爬虫類で、犬や猫などの一部の動物においては、特定人物の占有下にあるか問われない、つまり俗に言う「野良犬、野良猫」でも対象となります。
そして、この動物愛護法で、愛護動物に対する虐待を禁止しています。
動物愛護法第44条第2項で、愛護動物に対する虐待を禁止しており、違反すると「100万円以下の罰金」が科せられる虞があるので注意しなければなりません。
当然、猫に向けてエアガンを発射する行為は、その弾が猫に命中しているかどうかに関わらず、猫に対する虐待行為に当たるので、今回の事件では、動物愛護法が適用されたと考えられます。