Archive for the ‘刑事事件’ Category
料金の踏倒しが強盗に
料金の踏倒しが強盗に
料金の踏倒しによる強盗について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事例~
大阪府八尾市に住むAはある日、街に飲みに行きました。
客引きに付いて行ったところ、バーのようなところで飲まされました。
飲み終わってから会計を見たAは思っていたよりも高額であったことに腹をたて、店員を殴ってしまいました。
そのまま料金を支払わずに店を出て行ってしまったので、店員は警察に通報しました。
防犯カメラの映像からすぐに特定されてしまったAは強盗致傷で大阪府八尾警察署に逮捕されてしまいました。
(この事例はフィクションです)
2項強盗
刑法第236条 強盗
1項
「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する」
2項
「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」
強盗罪は上記のように規定されており、2項では暴行又は脅迫を用いて財産上の利益を得ることも処罰の対象としています。
今回の事例のAは提供されたサービスの料金の支払いを免れるために店員に暴行を加えているので、2項での強盗が成立することになりました。
条文上にある「暴行又は脅迫」については相手方の反抗を抑圧するに足りる程度であることが必要とされ、この程度については客観的に判断されることになります。
強盗罪の罰則は「5年以上の有期懲役」と規定されており、起訴されてしまうと無罪を除き、刑の減免がなければ執行猶予も付けられなくなり、実刑判決を受けることになってしまいます。
さらに、今回のAが殴った行為により店員がけがをしていると、強盗致傷となってしまう可能性もあります。
強盗致傷となってしまうと「無期又は6年以上の懲役」が規定されているので起訴されてしまうと裁判員裁判となってしまいます。
2項強盗となってしまう典型的な例としては、タクシーでのトラブルでタクシー運転手に暴行脅迫を行ってしまい代金を支払わなかった場合が挙げられます。
他にも暴行脅迫を用いてキャッシュカードの暗証番号を聞き出した場合に2項強盗が成立した裁判例(東京高判平21.11.16判時2013)もあります。
一方で2項強盗が成立しなかった例としては、相続を受けるために両親を殺害しようとした強盗殺人未遂(東京高判平元2.27判夕737)や経営者を殺害して経営を継承したという例(神戸地17.4.26判時1904)があります。
このような場合には2項強盗は成立しないと判断されました。
弁護活動
強盗といえば、銀行強盗やコンビニ強盗などお金を奪っていくイメージがあるかもしれませんが、今回の事例の様に料金の踏倒しに関しても強盗罪となってしまうことがあります。
前述したとおり、強盗罪は「5年以上の有期懲役」と非常に重い刑事罰が規定されているので、刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼するようにしましょう。
弁護士は被害者と示談交渉を行ったり、検察官と意見を交わしたりといった活動で不起訴を目指していきます。
示談交渉は被害者と接触しなければならず、加害者本人が行うのは非常に難しいので、示談交渉は専門家である弁護士に依頼するようにしましょう。
そしてもしも、強盗致傷で起訴されてしまい、裁判員裁判になってしまったとしても刑事事件を専門に扱っている弁護士ならば、しっかりと対応することが可能です。
料金の踏倒しに関しては強盗罪にはならなくても恐喝罪、詐欺罪となる可能性もありますので、警察が介入していない段階であっても一度専門家である弁護士に相談するようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件専門の弁護士が初回接見、無料法律相談を行っています。
強盗事件、裁判員裁判対象事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
こちらでご予約をお取りします
出会い系サイト規制法とは
出会い系サイト規制法とは
出会い系サイト規制法について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事例~
大阪市北区に住むAは恋人を探す目的で、出会い系サイトを利用していました。
そして、その中でやり取りするうちに17歳の女子児童とやり取りをするようになりました。
そのうち、実際に会ってみたいと思うようになり、「お小遣いをあげるから一緒にホテルに行こう」と誘いました。
女子児童は承諾しましたが、出会い系サイトの利用とそのやり取りが女子児童の保護者に見つかってしまい、保護者は警察に通報しました。
後日、Aに大阪府曽根崎警察署から連絡があり、出会い系サイト利用の件で話があると言われ、出頭を求められました。
逮捕されてしまうのではないかと思ったAは大阪の刑事事件に強い弁護士の無料法律相談を利用しました。
(この事例はフィクションです)
出会い系サイト規制法
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する規制等に関する法律、いわゆる「出会い系サイト規正法」
インターネット異性紹介事業(出会い系サイト等)を利用して児童を性交等の相手方となるように誘引する行為を禁止し、インターネット異性紹介事業について必要な規制を行っています。
出会い系サイト等を利用しての児童買春などを未然に防ぐことを目的としています。
インターネット異性紹介事業とは
1. 異性交際希望者(面識のない異性との交際を希望する者)の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること
2. 異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること
3. インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること
4. 有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること
が要件となります。
罰則について多くは出会い系サイト等の運営側を対象とするものですが、児童を誘引する行為については誘引した者に対しても罰則が規定されています。
児童を誘引する行為
出会い系サイト規正法
第6条 「何人も、インターネット異性紹介事業を利用して、次に掲げる行為(以下「禁止誘引行為」という。)をしてはならない。
1 児童を性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、他人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは他人に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)の相手方となるように誘引すること。
2 人(児童を除く。第五号において同じ。)を児童との性交等の相手方となるように誘引すること。
3 対償を供与することを示して、児童を異性交際(性交等を除く。次号において同じ。)の相手方となるように誘引すること。
4 対償を受けることを示して、人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。
5 前各号に掲げるもののほか、児童を異性交際の相手方となるように誘引し、又は人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。」
そもそも、18歳未満の者が出会い系サイトを利用する事は禁止されています。
しかし、なかには好奇心や援助交際の相手を探すために出会い系サイトを利用している18歳未満の者もいます。
さらには、禁止されているのが、誘引することですので、「3万円で女子高生紹介します」や「女子高生の人いくらでも払うからさせて」といった書き込みをした時点で罰則の対象となる可能性があります。
罰則については「100万円以下の罰金」が規定されています。(5号は除く)
児童買春をしていなくても、児童買春を誘うだけで刑事罰に問われてしまう可能性があります。
もしも、出会い系サイトを利用していて児童を誘引するような書き込み等をしてしまい、警察から捜査されている方がおられましたら、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
フリーダイヤル0120-631-881にてご予約のお電話をお待ちしております。
夫が痴漢事件で逮捕
家族が逮捕されてしまった場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
◇ある日突然・・・◇
ある日の深夜、突然、泉佐野市に住む主婦Aさんのもとに、大阪府泉佐野警察署の警察官から「旦那さんを痴漢で逮捕しました。」と電話がかかってきました。
Aさんは、これからどうしていいか分からず、深夜でも初回接見を受け付けている弁護士を探しています。
(フィクションです)
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスはフリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
◇初回接見◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見は、正式な刑事弁護活動のご契約前に、弁護士が警察署などの留置施設に出張して、身柄拘束を受けている方と面会するサービスです。
初回接見は、逮捕直後に行う場合がほとんどですが、これに限られず
・捜査中
・公判中
・裁判中
・判決後
の、どの段階であってもご利用が可能です。
刑事訴訟法39条1項は「弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者」の接見を認める規定で、初回接見では未だ正式な刑事弁護活動のご契約を結んでいない段階ですので、弁護士は「弁護人となろうとする者」の立場で接見いたします。
これは、刑事弁護人による接見と全く同じ条件で面会することが許されますので、接見の時間帯や、接見の時間に制限はなく、警察官等の立会いなくして行うことができます。
~弁護人を選任することができる者~
まず、「被告人」又は「被疑者」は何時でも弁護人を選任することができます。(刑事訴訟法30条1項)
また、被告人又は被疑者の「法定代理人」、「保佐人」、「配偶者」、「直系の親族及び兄弟姉妹」は独立して弁護人を選任することができます。(刑事訴訟法30条2項)
「独立して」とは、被告人、被疑者の意思に反してでも選任することができるという意味ですが、被告人・被疑者は、その選任された弁護人をいつでも解任することができると解されています。
◇初回接見のメリット◇
初回接見(あるいは弁護人接見)を受けたことによるメリットとはどんな点が挙げられるのでしょうか?
~逮捕期間中から接見可能~
逮捕期間中とは「逮捕されてから検察官の元に送致されるまでの間」のことを指します。この間、時間で換算すると概ね72時間(3日間)ありますが、弁護人であれば接見可能です。
他方、ご家族など弁護人以外の方との接見は、通常認められません。
~接見の曜日、時間に制限がない~
弁護人との接見であれば、土日・祝日関係ありませんし、早朝、深夜を問わず接見できます。
また、一回の接見時間の制限もありません。
他方、弁護人以外の方との接見は、通常、平日の決まった時間に限られており、一日につき、一回の接見時間は15分から20分と決められています。
~立会人が付かない~
弁護人接見であれば立会人が付きません。(刑事訴訟法39条1項)
ですから、弁護人と気兼ねなくなんでも話せます。
他方、弁護人以外の方との接見では立会人が付きます。そうすると、「こんなこと話していいのだろうか」などと迷いが生じてしまい、なかなか話したくても話しづらい状況となります。
~接見禁止決定が出ても接見ができる~
弁護人であれば接見禁止決定が出ても接見することができます。
他方、弁護人以外の方との接見については、接見禁止が出ると解除されるまでは接見することができません。
接見禁止決定は起訴後も出ることがあり、その場合でも同様です。
~事件の内容(逮捕・勾留事実)を詳しく知ることができる~
接見では、弁護人が身柄拘束された方から、事件の詳細を伺います。
そして、接見後に、依頼者様に事件の概要をご報告させていただきます。
~事件の見通し、対応(弁護方針、弁護活動)を知ることができる~
弁護人は、身柄拘束された方からお聴きした話の内容を基に、今後の弁護方針、弁護活動を決めます。
例えば、罪を認める場合は、早期釈放、被害者様との示談交渉などに向けた弁護活動を始めることが肝要です。
これらについても、依頼者様にご報告させていただきます。
~ご家族等からのご伝言をお伝えすることができる~
弁護人が接見に行く前に、ご家族様からご伝言を預かることが可能です。
また、接見後のご報告では、身柄を拘束された方からお預かりしたご伝言をお伝えさせていただくことも可能です。
大阪府内の刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件等で警察に逮捕されてしまった方の初回接見を24時間受付ておりますので、お気軽にお電話ください。
初回接見のご予約は0120-631-881(24時間受付中)にお電話ください。
大阪府泉佐野警察署までの初回接見費用:40,000円
窃盗の見張り役
窃盗の見張り役
窃盗の見張り役について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事例~
大阪市西成区に住む大学生Aはあるとき、友人から「ちょっと人が来ないか見張っといて、謝礼も10万くらい出すし」と誘われました。
Aは高額な謝礼につられてしまい、見張り役を承諾し、その日の夜に友人が侵入した店の前を見張っていました。
その後、友人から謝礼を受け取ったAでしたが、後日、その友人は大阪府西成警察署に逮捕されることになってしまいました。
その後の捜査から、Aも窃盗の共犯として逮捕されることになってしまいました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの両親は大阪の刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
(この事例はフィクションです)
窃盗罪
刑法第235条「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」
窃盗事件を複数人で行う場合、見張り役として、犯行の発覚を防ぐ役割を担う人がいたりします。
この見張り役は、直接物を盗っているわけではないですが、窃盗の共犯ということになります。
中には、犯罪行為の見張りだと知らないこともあるでしょうが、今回の事例のように明らかに高額な謝礼が支払われているなど、もしかしたら犯罪かもしれないと思っていれば犯罪の故意は認定されることになるでしょう。
ちなみに一般には共犯と呼ばれますが、法律上は正犯と同じ罪となる共同正犯や、犯罪をそそのかしたという教唆犯、従犯と呼ばれ正犯の刑が減軽される、犯罪を助けたという幇助犯など犯罪に関わったとして処罰される可能性にはさまざまなものがあります。
窃盗罪の見張り役に関しては共同正犯とされる可能性が高いですが、窃盗に関わった状況によっては共犯性を否定できたり、幇助犯となったりする可能性もあります。
こういった細かな法律的判断には専門的な知識が必要となりますので、専門家である弁護士の見解を聞くようにしましょう。
初回接見
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではご家族等が逮捕されている場合、留置されている警察署まで弁護士を派遣させる初回接見というサービスを行っています。
逮捕されてすぐは、たとえ家族であっても一般の方は基本的に面会できない状態になりますが、弁護士であれば、立ち合いなしで接見をすることが可能です。
ご家族の状況が分からないとなれば、弊所の初回接見を利用するようにしましょう。
身体拘束を受けている本人と接見し、今後の見通しを含めて、ご家族の方にご報告させていただきます。
今回の事例のように共犯者がいる状況で逮捕された場合、共犯者同士は別々の警察署で留置されることが多いです。
これは、口裏を合わせたりする可能性があるため、共犯者が接触する可能性をなくすためです。
このように、捜査している警察署と逮捕された本人が留置されている警察署が違う可能性もあるので、しっかりと確認するようにしましょう。
また、どこに逮捕されているか分からない場合でも、対応できることはありますので、お困りのことがございましたら、弊所までご連絡ください。
逮捕された場合、逮捕から起訴されるまでの間に最大で23日間の身体拘束を受ける可能性がありますし、起訴されてからも保釈が認められなければ、身体拘束は継続していくことになります。
身体解放の可能性を知るためにも初回接見をご利用いただき、身体解放に向けて弁護士に依頼するようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件、窃盗に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
警察に捜査される前であっても、自首についてや事件化した場合の対処などご相談の対応はしております。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
なりすましで不正アクセス禁止法違反
なりすましで不正アクセス禁止法違反
なりすましでの不正アクセス禁止法違反について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
事例
大阪府枚方市に住むAは友人とけんかになってしまい、いやがらせのために、友人のパソコンか以前聞き出した友人のIDとパスワードを使用してSNSに入り、友人のふりをして投稿をしました。
友人はそのことに激怒してすぐに大阪府枚方警察署に通報、Aは不正アクセス禁止法の疑いで取調べを受けることになりました。
今後の対応に不安を覚えたAは大阪の刑事事件に強い弁護士の無料法律へ行くことにしました。
(この事例はフィクションです)
不正アクセス禁止法
不正アクセス行為は、アクセス制御機能による利用権者識別に対する社会的信頼を損ない、サイバー犯罪の抑止に支障をきたします。
このような事態を防ぐために高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的として不正アクセス行為を禁止しているのが、不正アクセス禁止法です。
不正アクセス禁止法における不正アクセスとは以下の3つを指します。
不正アクセス行為の禁止等に関する法律
第2条第4項
この法律において「不正アクセス行為」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
1 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
2 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。次号において同じ。)
3 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為
具体的な例としては。今回の事例のように他人のIDやパスワードを無断で使用する行為や、コンピュータの安全対策上の不備を攻撃し、コンピュータを利用可能にしたりする行為のことです。
不正アクセス行為をした者については「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が規定されています。
その他の禁止行為
不正アクセス自体だけでなく、不正アクセスに関連する以下のような行為についても罰則が規定されています。
・不正アクセスを助長する行為 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
第三者へ本人には無断で、IDやパスワードを教える行為について不正アクセスを助長するとして禁止されています。
・他人の識別符号を不正に取得、保管、入力要求する行為 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
不正アクセス行為に要する目的でパスワードなどを不正に取得、保管、入力要求する行為を禁止しています。
入力要求についてはいわゆるフィッシング行為などのことを指します。
イタズラや腹いせで他人のアカウントに入ったりしてしまうと不正アクセス禁止法違反となってしまう可能性があります。
不正アクセス禁止法違反となるのは、なにも明らかな詐欺行為の場合だけでなく、今回の事例のように知人、友人の間柄の場合もありますので、もしも警察署から連絡があったらすぐに弁護士に相談するようにしましょう。
警察が介入する前であっても自首や相談の対応はしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではこういった不正アクセス禁止法などの特別法にも強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
強制性交等罪で逮捕された
強制性交等罪で逮捕された
強制性交等罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
事例
大阪府貝塚市に住むAさんは、近所の公園でブランコに乗って遊んでいた少女の姿を見て、少女に「お嬢さんおいくつ」と尋ねました。
少女は怪しむ様子もなく、正直に「10歳」と答えました。
そんな少女に対してAは「お医者さんごっこをしよう」などと言って、Vを付近の草むらに仰向けに寝かせ、パンティを脱がせたうえ自身の陰茎を口に含ませ、射精しました。
その後、Aさんの自宅に大阪府貝塚警察署の警察官が訪れ、Aは強制性交等罪で逮捕されました。
(この事例はフィクションです。)
強制性交等罪
強制性交等
刑法第177条 「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。」
平成30年の法改正により、強姦罪が廃止され、強制性交等罪となりました。
改正前の「強姦罪」の成立は性器の挿入の有無で判断されましたが、「強制性交等」が成立する行為はより幅広くなり、性交等の定義については、いわゆる膣性交だけではなく、肛門性交と口腔性交も含まれることになりました。
このことにより、男性が被害者となる可能性もできました。
法改正により他にかわった点については、告訴がなければ公訴が提起できない(起訴できない)親告罪から非親告罪となったことです
そして、13歳未満については同意の有無に関係なく強制性交等罪になります。
つまり、事例のケースでは口腔性交により、強制性交等罪が成立することになり、Vは当時10歳でしたので、その行為に同意していたとしても成立することになります。
これは、13歳未満の者については性的な行為について、正確な判断を下すことができないということで、その同意が認められないからです。
この同意が認められるようになる年齢のことを性交同意年齢といい、日本ではこの性交同意年齢は13歳とされています。
なお、13歳未満の者にわいせつ行為を行った場合は同意があったとしても強制わいせつ罪となります。
弁護活動
法改正前の「強姦罪」の場合は、性器が挿入されなければ、性器を挿入しようとしたが入らず、性器同士が接触した事実があっても、それは「強姦未遂」とされることがありました。
法改正により行為の幅が広がったため、性行為等を行う意思が明確にあり、暴行や脅迫を加え相手の腕をつかんだ程度の行為でも、強制性交等罪の未遂罪に問われる可能性が増えました。
「強姦罪」の時代には未遂であれば執行猶予がつくことも珍しくはありませんでしたが、性犯罪の厳罰化が進んでいるため、現在は重い処罰となってしまうことも考えられます。
そこで弁護士に依頼し、被害者に対する被害弁償や示談、裁判官に対して十分に反省していることを伝える上申書を提出するなど、弁護活動をしてもらうようにしましょう。
特に示談交渉については、被害者が未成年者の場合はその交渉の相手は保護者ということになるのでその処罰感情は大きく、示談交渉は困難になることが予想されますので、専門家である弁護士に依頼するようにしましょう。
処分・処罰について
強制性交等罪で逮捕されると、最大である20日間の勾留が取られて、警察署の留置場に勾留されて、取調べなどの捜査を受けていくことになることが予想されます。
起訴されて裁判を受ける場合、有罪となれば前科がなくても実刑判決が言い渡される可能性も高いです。
悪質性が高い場合や今回の事例の様に被害者の年齢が低いなどの被害が大きい場合、また余罪が多数あるなどの場合は、より重い刑が言い渡されることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にてお待ちしておりますのでお気軽にお電話ください。
身体拘束の伴う少年事件
身体拘束の伴う少年事件
少年事件の身体拘束について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
事例
大阪市北区に住む主婦のA子はあるとき、息子を逮捕したという連絡を大阪府曽根崎警察署より受けました。
警察も詳細は教えてくれず、このままではどうなるか分からないと考えたA子は少年事件に強い弁護士の初回接見を利用することにしました。
(この事例はフィクションです)
少年事件で逮捕されたら
まず、少年が刑事事件を起こして逮捕されてしまった場合、身体拘束の期間はどの程度になるのでしょうか。
逮捕されてから事件が家庭裁判所へ送られるまでは基本的に成人と同じ刑事訴訟法の規定に沿った流れで事件は進んでいくことになります。
しかし、それぞれの場面で少年法に規定がある場合はその規定が適用されることになります。
身体拘束である勾留については少年法43条に規定されています。
まず、少年事件においてはやむを得ない場合でなければ勾留が請求されることはありません。(第3項)
なお、やむを得ない場合があるとして勾留が決定されたとしても成人と区別して留置されるなど留置施設内での配慮はあります。
そして、やむを得ない場合ではなかったとしても勾留に代わる観護措置が取られることがあります。(第1項)
この勾留に代わる観護措置は少年法第44条に規定されており、10日間の身体拘束で延長は認められていません。
家庭裁判所に送致されてからの観護措置
家庭裁判所に送致されてからの身体拘束については観護措置というものがあります。
この観護措置の期間については2週間で一回の更新が認められており、特定の事件についてはさらに二回の更新が認められています。
通常は一回の更新を含めた4週間であることが多いです。
前述の勾留に代わる観護措置が取られて家庭裁判所に送致された場合には当然に観護措置が取られることになります。
勾留の場合はこのような規定はありませんが、一般的には観護措置を取られることになるでしょう。
国選付添人
少年事件は成人事件とは異なった流れで事件が進行していくことになりますので、その規定は少年法で定められています。
身体拘束されている少年の事件では、家庭裁判所に送致されるまでの被疑者の段階では刑事訴訟法の規定が準用されることになり、概ね成人と同じ流れで進行していくことになります。
そのため、国選弁護人の規定については成人と変わらず、勾留状が発せられ、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないとき、国選弁護人が選任されることになります。(刑事訴訟法37条の2)
そして、少年事件の場合、弁護士は、事件が検察から家庭裁判所に送致されると弁護人としての活動は終了し、付添人という立場で活動していくことになります。
もっとも、この付添人についても国選付添人という制度がありますが、国選弁護人とは要件が異なってきます。
少年法では、以下の場合に国選付添人を必要的又は任意的に選任することができると定めています。
1 必要的国選付添人
・検察官関与決定がなされた事件(少年法22条の3第1項)
・被害者等による少年審判の傍聴を許そうとする場合(少年法22条の5第2項)
2 任意的付添人
犯罪少年又は触法少年のうち,死刑又は無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮に当たる罪に該当する非行に及んだものについて,観護措置(この場合は通常、少年鑑別所で身体拘束されることになります)がとられており、かつ、弁護士の付添人がいない場合に、事案の内容、保護者の有無等を考慮し、審判の手続に弁護士で付添人が関与する必要があると家庭裁判所が認める場合
このように国選弁護人と国選付添人では選任される要件が異なっていますので、国選弁護人が付いていたからといって当然に国選付添人が選任されるわけではありませんし、選任されたとしても、被疑者段階での弁護士と同じ弁護士が付添人に選任されるとも限りません。
上記のように少年事件は成人事件とは少し違う流れとなりますので、どのように対処したらよいかも分からないことと思います。
そんなときは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談、初回接見を利用するようにしましょう。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けておりますのでお気軽にお電話ください。
児童買春事件で略式裁判
児童買春事件で略式裁判
児童買春事件での略式裁判ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
事例
大阪市淀川区に住むAさんは、SNSで知り合った当時14歳の女子高生Vさんと会う約束をしました。
大阪市内のホテルでAさんはVさんに対して現金2万円を渡して性行為をしました。
後日、大阪府淀川警察署から連絡があり、児童買春の容疑で、捜査されることになってしまいました。
Aさんは、以前にも児童買春を行っていたこともあり、その時は示談交渉によって不起訴処分を獲得することができました。
しかし、今回の被害者が示談を拒否しており、正式裁判となる可能性があると聞いたAは略式裁判になることで正式裁判を回避してくれる弁護士を探しています。
(この事例はフィクションです)
~児童買春~
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律に規定されている児童買春の説明としては以下の通りです。
「児童買春とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者」
罰則は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」となっています。
児童買春にいう対償は金銭のみに限られておらず、物品や食事、借金の免除といった債務やホテル代やカラオケ代といったものであっても性交等をする目的で支払われれば、対償の供与として児童買春となる可能性があるのです。
~略式裁判~
略式裁判とは、簡略化された手続きで行われる裁判のことです。
今回の事例の児童買春についても、略式裁判となる可能性があります。
略式裁判とは以下のような特徴があります。
・略式裁判は、今回の事例の児童買春(法定刑:5年以下の懲役又は300万円以下の罰金)のように罰金や科料が法定刑に規定されている犯罪に適用されます。
・略式裁判により事件を終了させることができるのは、100万円以下の罰金または科料しか科すことができません。
そのため、懲役刑しか規定されていないような、重い犯罪などの場合は、略式裁判とはならず正式裁判となってしまいます。
・略式裁判は、事実上争いのない事件に限られ、本人の同意のもと行われる必要があります。
同意をすると取調べの事実や起訴に異論がないということなので、結果的に罪を認めたことになりますし、略式裁判に同意をすると有罪判決が下されることになります。
そのため、無罪の主張や事実の有無について争いたい場合は、略式裁判に同意せずに、正式裁判を起こすようにしましょう。
・略式裁判では本人が裁判所に出廷することができません。
裁判に出廷する必要がないのはメリットではありますが、裁判官に直接自身の主張ができないというデメリットにもなります。
なお、略式裁判後の判決に納得ができなければ、14日以内は異議申し立てをすることが可能です。
今回の事例のAについては、前科もあり、被害者も14歳と若く、示談もできていないという悪い事情が多くあります。
しかし、児童買春は他にも、対償の種類や行為など様々な要素が起訴不起訴や量刑の判断に関わってきますので、一度専門家である弁護士の見解を聞くようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件の経験が豊富な弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
共同危険行為で逮捕
共同危険行為で逮捕
共同危険行為について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
事例
大阪府枚方市に住むAは仲間2人と一緒に夜の国道において並走しながら、蛇行運転を繰り返していました。
するとパトカーに追われ、そのときはなんとか逃げ切ったのですが、後日警察がAの自宅を訪れ、Aは共同危険行為の疑いで逮捕されてしまいました。
Aの両親は大阪の刑事事件に強い弁護士の初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)
共同危険行為
共同危険行為は、道路交通法68条に規定されています。
「2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない」
いわゆる暴走族などに所属して集会で走っているような場合だけでなく、友達と二人で行った行為であっても、蛇行運転を繰り返したり、並走して走っていたりしたような場合に共同危険行為にあたる可能性があります。
罰則については「2年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が規定されています。
少年事件の身体拘束について
共同危険行為は2台以上で行われる行為ですので、基本的に共犯者がいることになります。
刑事事件で共犯者がいる場合、身体拘束を受ける可能性は、単独犯の場合よりも高くなります。
これは、逮捕される場合の基準となる罪証隠滅のおそれが関係してきます。
本人や事件関係者の証言も刑事事件における重要な証拠となりますので、共犯者がいる場合は口裏合わせが行われる可能性が高くなりますので、身体拘束を受ける可能性が高くなるということです。
少年事件についても逮捕されてからの手続きについては基本的には成人事件とは変わりません。
大きく違う部分としては、勾留場所や起訴(少年の場合は家庭裁判所送致)されるまでの身体拘束の種類です。
留置先については、成人と同じように警察署の留置場に留置されることもありますが、多くの場合は少年鑑別所に留置されることになります。
逮捕された場合の流れとしては、48時間以内に警察から検察へと送致され、検察は24時間以内に身体拘束の継続である勾留を請求するかどうかを判断します。
勾留を請求された場合、裁判官が勾留を決定するかどうかの判断します。
これは少年事件であっても同じ流れとなるのですが、少年事件特有のものとして勾留に代わる観護措置というものがあります。
これは勾留が延長も含めて最大で20日間となる可能性があるのに対して、10日間で延長がありません。
身体解放に向けた活動
警察に逮捕されてしまった少年を警察署の留置場や少年鑑別所から釈放させるためには、少年事件・少年犯罪に強い弁護士を通じて、勾留や勾留に代わる観護措置の決定を阻止・回避するよう検察や家庭裁判所に働きかけることができます。
また、勾留や勾留に代わる観護措置が決定していたとしても家族のお葬式、入学試験や定期試験といった重要な行事に出席する必要があるなどの場合は、弁護士を通じて取り消しを家庭裁判所に申し入れることで、少年鑑別所からの一時帰宅を実現できる場合があります。
少年の交通違反・交通事故事件では,弁護士が事案に応じた柔軟な対応をすることで、身体拘束からの解放を実現する可能性を高めることができるのです。
少年事件における弁護士は様々な活動を通じて少年と寄り添い、少年の更生に向けて活動していきます。
審判の結果のためだけでなく、少年のその後も見据えた活動を行っていきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では少年事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
特に身体拘束されている場合は迅速な対応が必要となりますので、お早めにフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
大阪府枚方警察署までの初回接見費用:37,600円
法律相談料:初回無料
準強制性交等(強姦)事件の中止犯(中止未遂)
準強制性交等(強姦)事件の中止犯(中止未遂)
準強制性交等(強姦)事件の中止犯(中止未遂)について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
~事件~
Aさんは、インターネットの出会い系サイトで知り合った女性と食事に行きました。
女性からは、一緒に食事をするだけで肉体関係を持つことは拒否されていましたが、食事中にお酒を呑んだ女性が酔払ったので、Aさんは女性を大阪市都島区のホテルに連れ込みました。
Aさんは「ホテルで休憩しよう。絶対に変なことはしない。」等と言って、女性を安心させてホテルの部屋に入ったのですが、寝ている女性を見ているとムラムラしてしまい女性を襲いました。
異変に気付いた女性は抵抗してきましたが、Aさんは、興奮を抑えきれず女性の服を脱がせて性交しようとしました。
しかし、その際に女性が泣き始めたことから、Aさんは女性が可哀想になって、それ以上は何もできず、女性に謝罪したのです。
後日、女性はこの事件を大阪府都島警察署に訴え、Aさんは準強制性交等未遂罪で逮捕されてしまいました。(フィクションです)
◇準強制性交等(強姦)罪◇
準強制性交等罪は、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心身を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした場合に成立する犯罪です。
法定刑は5年以上の有期懲役です。
心神喪失とは、精神の障害によって正常な判断能力を失っている状態をいいます。
例えば、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。
抗拒不能とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。
恐怖、驚愕、錯誤などによって行動の自由を失っている場合などはこれに当たります。
今回の事件では、Aさんが、酔払って寝ている状態の被害者女性に対して性交を試みているので、準強制性交等(未遂)罪が適用されることは間違いないでしょう。
◇未遂犯◇
刑法の規定は、原則として既遂の犯罪を処罰するものです。
しかし、犯罪によっては既遂に達していなくても罰する必要があるために、未完成の犯罪から処罰の必要性がある犯罪を特定して、罰則をかしています。
これが未遂犯の意義で、Aさんの強制性交等事件においても未遂犯についての処罰規定が設けられています。
刑法第43条には未遂減免が規定されており、ここに「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を軽減することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止した時は、その刑を減軽し、又は免除する。」と明記されています。
つまり未遂犯については、任意的減軽の対象となり、中でも中止犯(中止未遂)については絶対的に、その刑事罰が減軽若しくは免除されるのです。
傷害未遂
傷害未遂とは、自己の意思によらない外部的な障害によって犯罪が既遂に達しなかった場合をいいます。
被害者の抵抗や、第三者の介入等が、「外部的な障害」に当たるでしょう。
中止犯(中止未遂)
犯罪の実行に着手したが、自発的な意思のもとに犯行を中止し、犯罪が既遂に達しなかった場合をいいます。
中止犯(中止未遂)は、あくまで任意に行われた中止でなければなりません。
泣き始めた被害者の子供を見て哀れに思って殺人を途中で止めた場合や、被害者の懇願されたことによって、哀れみの情から中止した強盗事件等が、中止犯(中止未遂)に当たるとされていますが、任意性の基準については、学説上、主観説、限定的主観説、客観説などの見解がありますが、客観説が通説となっています。
これは、未遂の原因が、社会一般の通念に照らして犯行の障害になると考えられるか否か、という点を基準とする見解です。
つまり、一般的には外部的な障害といわれる被害者の抵抗でも、この程度の抵抗であれば犯行を継続するだろうと判断される程度の抵抗を受けて自発的に犯行を中止した場合には、中止犯(中止未遂)と認められる場合もあるのです。