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同性に対する口腔性交 強制性交等罪で逮捕
同性に対して無理矢理に口腔性交したとして、強制性交等罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
事例(実際に起こった事件を参考にしています)
大阪市住之江区の学習塾で講師をしているAさん(男性)は、主に中学生の授業を受け持っています。
Aさんは、同性の若年層に性的な興味があります。
そんな中、Aさんは、授業後に教室で一人で自習している男子生徒に声をかけ、言葉巧みにトイレに連れて行ってそこで、自分の性器を男子生徒の口に入れるなどわいせつな行為をしていました。
男子生徒にはテスト問題を教えるなどして口止めをしていたのですが、ある日、一人の男子生徒が親に相談したことがきっかけで、大阪府住之江警察署が捜査に乗り出し、Aさんは強制性交等罪で逮捕されました。
強制性交等罪
今から約5年前の平成29年に刑法が改正された際に、強制性交等罪(それまでは「強姦罪」)が大きく変わりました。
刑法177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
それまでの強姦罪は、被害者が女性に限定されており、行為も性交渉に限定されていましたが、5年前に強制性交等罪が新設されてからは、被害者が男性でも成立し、肛門性交又は口腔性交も強制性交等罪の処罰の対象となりました。
今回の事件、被害者の男子生徒が13歳未満だった場合は、暴行や脅迫を持ちてなくても口腔性交しただけで、強制性交等罪が成立します。
もし男子生徒が13歳以上だった場合、口腔性交に及ぶ手段として暴行や脅迫が必要となってきますが、講師と生徒といった関係性や、行為が、二人きりのトイレで行われたことなどを考慮すると、客観的に見て軽い暴行や脅迫行為であっても、被害者の抵抗を抑圧する程度であると認められる可能性が高いでしょう。
強制性交等罪の弁護活動
強制性交等罪は性犯罪の中でも厳しく処罰される犯罪行為です。
起訴された場合は初犯であっても実刑判決が言い渡される可能性が非常に高いです。
そのため、起訴されるまでに被害者の親御さんと示談することが必至となりますので、こういった事件でご家族が逮捕された場合は、すぐにでも弁護士を選任した方がよいでしょう。
弁護士の派遣は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、こういった刑事事件の弁護活動を専門にしている法律事務所です。
ご家族が、強制性交等罪で警察に逮捕されてしまった方は
フリーダイヤル 0120-631-881
まで、今すぐお電話ください。

大阪府を中心に、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県など近畿地方で、犯罪行為による刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件専門の弁護士による専門知識と経験に基づく弁護活動によって、依頼者様のお悩みや不安を、親身になって全力でサポートいたします。
刑事事件・少年事件に関する相談は全て無料です。相談・接見は、土日祝日、夜間でも即日対応可能です。スケジュールの都合が合えば、お電話をいただいてからすぐ相談・接見を行うこともできます。ぜひご相談ください。
【解決事例】盗撮事件の弁護活動を弁護士が解説
【解決事例】盗撮事件で不起訴を獲得した弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の弁護士が解説します。
本日のコラムでは、不起訴を獲得した盗撮事件の弁護活動について、実際に弁護活動を行った弁護士に解説してもらいます。
まずどういった事件ですか?
この事件は、大阪府内の病院で働いている20代の男性が、大阪府吹田市のスーパーで、小学生女児のスカート内を盗撮した事件です。
被害者の母親に見つかった男性は、その場で110番通報されて、警察署に連行され、犯行を認めていました。
逮捕されなかったのですか?
はい。
スマートホンを押収されて、そこに盗撮映像が残っていた事や、家族が警察署に迎えに来たことなど、証拠隠滅や逃走のおそれがなかったので、逮捕はされず、その日のうちに帰宅しています。
どういった経緯で弁護活動をされたのですか?
男性に弊所の無料法律相談をご利用いただき、弁護活動の委任契約をいただいたことから弁護人として弁護活動を開始しました。
最初はどういった見通しでしたか?
まず小学生の女児に対する盗撮行為がどういった法律に違反するのかを解説します。
まず盗撮行為は、大阪府の迷惑防止条例違反となります。
大阪府の迷惑防止条例では、スカート内を盗撮する行為に対して1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が規定されています。
また被害者が小学生の女児なので、児童ポルノ処罰法違反が適用される可能性もあります。
児童ポルノ処罰法には、盗撮による児童ポルノ製造を規制する規定があり、これに違反すると3年以下の懲役又は300万円以下の罰金と、大阪府の迷惑防止違反よりも厳しい罰則が適用されます。
男性は初犯なので、どちらが適用されても、略式起訴による罰金刑が濃厚でしたが、親御さんと示談できて、宥恕を得ることができれば不起訴の可能性もありました。
どういった活動を行いましたか?
被害者と示談を締結できるかどうかで、結果が大きく変わるので、被害者の親御さんとの示談交渉が主な弁護活動となりました。
また、不拘束で警察の取調べを受けている男性に対して、取調べに対するアドバイスも行いました。
示談を締結できたのですか?
はい。
当初、被害者の親御さんは非常にお怒りでしたが、交渉を続けていく中で、男性の作成した謝罪文を読んでいただくことができ、その頃から、少しずつ示談の話しに耳を傾けていただけるようになりました。
そして交渉を始めて1ヶ月近く経過して示談に応じてもらえることができました。
示談の内容を教えてください。
示談金は30万円で、男性には、今後盗撮したスーパーやその周辺に近寄らない条件が課せられました。
そして相手様から宥恕条項、つまり男性の刑事罰を望まないという示談としては一番良い内容の示談を締結することができました。
男性の刑事処分はどうでしたか?
男性は、警察の捜査を終えて大阪府迷惑防止違反で検察庁に送致されました。
ちょうど、そのタイミングで示談が成立したので、その結果を担当検察官に報告したところ、起訴猶予による不起訴処分となりました。
弁護活動を終えての感想は?
スマートホンが普及し始めてから、盗撮事件は増加傾向にあると言います。
非常に手軽に、そして迅速に写真や動画を撮影できるようになったために、つい出来心で盗撮をしてしまう方が多いようですが、一度成功すると、そのスリルを忘れられずズルズルと犯行を繰り返して、最終的に警察沙汰になってしまうので注意してください。
また今後は、刑法で盗撮行為が規制される見通しで、盗撮行為に対する刑事処分も厳しくなることが予想されます。
もし盗撮事件を起こして警察沙汰になってしまった方は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

大阪府を中心に、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県など近畿地方で、犯罪行為による刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件専門の弁護士による専門知識と経験に基づく弁護活動によって、依頼者様のお悩みや不安を、親身になって全力でサポートいたします。
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~刑法を解説~ 第40章 毀棄及び隠匿の罪
~刑法を解説~最終回の本日は、第40章毀棄及び隠匿の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
毀棄及び隠匿の罪
第40章毀棄及び隠匿の罪では
第258条 公用文書毀棄罪 公電磁的記録毀棄罪
第259条 私用文書毀棄罪 私電磁的記録毀棄罪
第260条 前段 建造物損壊罪 艦船損壊罪
後段 建造物損壊致死傷罪 艦船損壊致死傷罪
第261条 器物損壊罪
第262条の2 境界毀損罪
第263条 信書隠匿罪
が規定されています。
まず第258条の、公用文書毀棄罪や、公電磁的記録毀棄罪は、公務所の用に供する文書や、電磁的記録を毀棄することによって成立する犯罪です。
「毀棄」とは、文書や電磁的記録の効用を害することをだとされています。
つまり物理的に壊すというだけでなく、隠匿によって使用できなくするといった行為も、毀棄に該当する可能性があるのです。
そして、公用文書や公電磁的記録ではなく、権利、若しくは義務に関する他人の文書や、電磁的記録を毀棄すれば、第259条の私用文書毀棄罪や私電磁的記録毀棄罪が成立します。
このように文書(電磁的記録)毀棄罪は、毀棄した文書や、電磁的記録が、公的な物なのか、私的な物なのかで適用罪名が分類されます。
続いて第260条の前段には、建造物損壊罪と、艦船損壊罪が規定されています。
建造物損壊罪や艦船損壊罪は、他人の建造物や艦船を損壊することによって成立する犯罪です。
彼女の家で、彼女と口論になって腹が立ったので壁を殴って壁に穴を開けてしまった…というのが建造物損壊罪の分かりやすい事例です。
ここで問題となるのが、壊した物が建造物に該当するかどうかです。
上記事例を参考にすると、例えば、殴って壊したのが、壁ではなく窓ガラスだった場合、その窓ガラスの形状や、設置状況によって、建造物損壊罪が成立するのか、この後解説する器物損壊罪が成立するにとどまるのかが決まります。
そして、建造物損壊や艦船損壊によって、人を死傷した場合は、第261条後段に規定されている建造物損壊致死傷罪、艦船損壊致死傷罪が成立します。
ここまで、皆さんにとってあまり馴染みのない犯罪を解説しましたが、次に解説する、第261条の器物損壊罪は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
他人の物を損害したり、傷害することによって成立するのが器物損壊罪です。
分かりやすく言うと、人の物を壊すことで成立する犯罪ですが、人の飼っているペットを死傷させた場合も、器物損壊罪となります。
また器物損壊罪でいうところの「損壊」とは、物理的に壊すだけでなく、その物の効用を害することも含まれるので、例えば、食器に小便をかけたことによって、食器を使用できなくすれば器物損壊罪が成立します。
第262条の2に規定されているのが、土地の境界標を損壊したり、移動したり、取り除く等の方法によって、境界を認識できなくすることによって成立するのが、境界損壊罪です。
そして第263条には信書隠匿罪が規定されています。
信書隠匿罪は、他人の信書を隠匿することによって成立す犯罪で、隠匿とは、物理的に隠すだけでなく、意思伝達の過程でこれを妨害するなどの効用を害する一切の行為が含まれます。
毀棄及び隠匿の罪の罰則
①公文書毀棄罪、公電磁的記録毀棄罪の法定刑は「3月以上7年以下の懲役」です。
②私用文書毀棄罪、私用電磁的記録毀棄罪の法定刑は「5年以下の懲役」です。
③建造物損壊罪 艦船損壊罪の法定刑は「5年以下の懲役」です。
④建造物損壊致死傷罪、艦船損壊致死傷罪の法定刑は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断されます。
⑤器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」です。
⑥境界毀損罪の法定刑は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
⑦信書隠匿罪の法定刑は「6月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金若しくは科料」です。
今日まで、刑法を解説してまいりました。
新聞や、テレビのニュース等で聞き覚えのある罪名もあれば、「こんな法律あるの!!」と初めて聞いた罪名もあったかと思います。
刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、刑事事件に関係するコラムを公開していきますので、刑事事件に興味のある方は是非ご覧ください。
なお、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、何か事件を起こしてしまった方、ご家族、ご友人が事件を起こして警察に逮捕されてしまった方からのご相談を、24時間、年中無休で受け付けております。
刑事事件に強い弁護士が必要になった時は是非、ご利用ください。

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~刑法を解説~ 第39章 盗品等に関する罪
~刑法を解説~51回目の本日は、第39章盗品等に関する罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
盗品等に関する罪
第39章盗品等に関する罪では
第256条 1項 盗品等無償譲受け罪
2項 盗品等有償譲受け罪、盗品等運搬罪、盗品等保管罪、盗品等処分あっせん罪
が規定されています。
この章でいうところの「盗品等」とは、何も窃盗罪の被害品に限られません。
財産に対する犯罪行為に不法に領得された物であれば、ここでいう「盗品等」に当たりますが、収賄罪でいうところの賄賂や、賭博罪で取得された金品、漁業法違反によって密漁された魚介類は、盗品等には当たりません。
また盗品等の罪が成立するには、まず本件の犯罪行為がすでに既遂に達していることが、前提条件となります。
そして盗品等の罪の主体となるのは本件の犯罪行為の被疑者以外の者です。
ちなみに、本件の犯罪行為は、構成要件に該当する違法な行為であれば足り、有責であることまでは必要とされていません。
つまり刑事責任に問われない、触法少年(14歳未満)による窃盗事件の被害品を譲り受けたり、すでに公訴時効が成立している詐欺事件の被害品を譲り受けたような場合でも、盗品等の罪は成立するのです。
そして盗品等の罪が成立するには、いうまでもなく故意が必要となります。
つまり自分が譲り受けた者が「盗品等」であることを認識していなければ盗品等の罪には問われない可能性があるのです。
ただ誰が犯したどんな犯罪によって取得された物であるのかまで、詳しい情報を知っている必要はなく「何らかの財産犯罪によって得られた物である」程度の認識があれば足りるとされています。
それではまず第1項の「盗品等無償譲受け罪」について解説します。
盗品等無償譲受け罪は、盗品等を無償で譲り受けることによって成立する犯罪です。
友達が盗んできた自転車をタダでもらったりすると成立する可能性があるのが、盗品等無償譲受け罪です。
続いて第2項に規定されている、盗品等有償譲受け罪、盗品等運搬罪、盗品等保管罪、盗品等処分あっせん罪について解説します。
まず盗品等有償譲受け罪ですが、これは盗品等を有償で譲り受けることによって成立する犯罪です。
そして盗品等運搬罪ですが、これは無償、有償に関わらず、盗品等の場所を移すことで成立する犯罪です。
また盗品等保管罪は、その罪名のとおり、盗品等を保管することで成立する犯罪で、盗品等あっせん罪は、盗品等の売買、交換、質入れ等を媒介、周旋することで成立する犯罪です。
盗品等に関する罪の罰則
①盗品等無償譲受け罪の法定刑は「3年以下の懲役」です。
②盗品等有償譲受け罪、盗品等運搬罪、盗品等保管罪、盗品等処分あっせん罪の法定刑は「10年以下の懲役及び50万円以下の罰金」です。
「~刑法を解説~ 第40章 毀棄及び隠匿の罪 」に続く

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~刑法を解説~ 第38章 横領の罪
~刑法を解説~50回目の本日は、第38章横領の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
横領の罪
第38章横領の罪には
第252条 横領罪
第253条 業務上横領罪
第254条 遺失物横領罪・占有離脱物横領罪・漂流物横領罪
が規定されています。
まず第252条の横領罪について解説します。
横領罪とは、自己の占有する他人の物を横領することによって成立する犯罪です。
また自己の物であっても、公務所から保管を命じられている物を横領しても横領罪が成立します。(第2項)
横領罪でいうところの「横領」とは、不法に領得する、つまり「不法領得の意思を実現する」ことで、行為に制限はありません。
不法領得の意思とは、窃盗罪等の財産犯が成立するのに必要とされており、その内容は「権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、利用処分する意思」を意味します。
横領罪の主体となるのは、委託に基づいて他人の物を占有する者や、公務所から保管を命じられて自己の物を占有する者と限られているので、横領罪は身分犯の一種だといえます。
また横領罪における「占有」の基礎には、所有者と行為者との間に委託信任関係がなければなりません。
人から預かったり、借りている物を勝手に転売したり、レンタカーを期限内に返却せず、そのまま乗り続けたりすれば横領罪となってしまいます。
そして業務上、自己の占有する他人の物を横領すれば、第253条の「業務上横領罪」が成立します。
業務関係に基づく占有物についての横領行為は、通常、犯人と多数人との間の信頼関係を破るものである点において、その法益侵害の範囲が広く、また頻発のおそれが多いことなどから、業務上横領罪は、横領罪に比べると厳しい罰則が設けられています。
横領罪の最後第254条には、遺失物や漂流物、占有を離れた他人の物を横領することによって成立する、遺失物横領罪、漂流物横領罪、占有離脱物横領罪が規定されています。
横領の罪の罰則
①横領罪の法定刑は「5年以下の懲役」です。
②業務上横領罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
③遺失物横領罪・占有離脱物横領罪・漂流物横領罪の法定刑は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
「~刑法を解説~ 第39章 盗品等に関する罪」に続く

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~刑法を解説~ 第37章 詐欺及び恐喝の罪 ~②~
本日は、第248条の準詐欺罪から解説します。
準詐欺罪は、未成年者の知慮浅薄または人の心神耗弱に乗じて、財物を交付させたり、財産上不法の利益を得たりすることによって成立する犯罪です。
あまり聞きなれない罪名で、条文を読んでもどういった行為が該当するか分かりにくいかと思いますが、準詐欺罪を簡単にいうと、物事を判断することができない(困難な)未成年者や精神障害者を誘惑するなどして、こういった人たちから金品を受け取ることによって成立する犯罪です。
そして第249条に規定されているのが恐喝罪です。
恐喝罪とは、人から金品を脅し取ることによって成立する犯罪、詐欺罪と同様に、恐喝して財産上不法の利益を得る等した場合にも成立します。(2項恐喝)
恐喝罪も、詐欺罪とよく似た構成要件が存在し、その内容は
①脅す行為⇒②相手が恐怖に陥る(畏怖する)⇒③畏怖した相手が金品を交付する⇒④交付された金品を受け取る
といったもので、それぞれには因果関係が必要とされています。
恐喝とは、反抗を抑圧するに至らないかつ、相手が畏怖する程度の暴行や脅迫を加えて金品を要求することで、相手の反抗を抑圧するほど、暴行や脅迫の程度が強かった場合は、恐喝罪ではなく、強盗罪に問われてしまうこともあります。
恐喝事件の客体となるのは、他人が占有する他人の財物です。
違法薬物等、所持が禁止されている禁制品や、不動産であっても恐喝罪の客体となります。
また、借金の返済など、本来請求できるものであっても、行き過ぎた行為は恐喝罪となってしまうので注意が必要です。
例えば、犯罪被害にあった際に、加害者に対して慰謝料を請求する際でも、そこで口にした内容によっては恐喝罪に抵触する可能性があります。
詐欺及び恐喝の罪の罰則
①詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
②電子計算機使用詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
③背任罪の法定刑は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
④準詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
⑤恐喝罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
「~刑法を解説~ 第38章 横領の罪」に続く

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~刑法を解説~ 第37章 詐欺及び恐喝の罪 ~①~
本日と明日の二日間にわたっては、第37章詐欺及び恐喝の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
詐欺及び恐喝の罪
第37章詐欺及び恐喝の罪には
第246条 詐欺罪
第246条の2 電子計算機使用詐欺罪
第247条 背任罪
第248条 準詐欺罪
第249条 恐喝罪
が規定されています。
まず第246条の詐欺罪は、人を金品を騙し取ることによって成立する犯罪です。
ここ数年は、振り込め詐欺や還付金詐欺など、いわゆる特殊詐欺事件が世間を騒がせており、ニュースなどでもよく報道されていますが、身近なものだと無銭飲食も詐欺事件となることがあります。
詐欺罪が成立するには
①騙す行為(欺罔行為)⇒②相手が騙される(欺罔に陥る)⇒③騙された相手が金品を交付する⇒④交付された金品を受け取る
といった、構成要件が必要とされ、それぞれには因果関係が必要とされています。
これらのうち一つでも欠けると詐欺罪は成立せず、成立するとしても詐欺未遂罪にとどまります。
例えば、AさんはBさんを騙して金を騙し取ろうとして、Bさんに嘘をついてお金を要求したが、Bさんは、Aさんの嘘に気付いた。がしかし、お金に困窮しているAさんを憐れんだBさんは、騙されたふりをして、Aさんにお金をあげた。
こういった事件の場合、少なくとも上記した構成要件の①(AさんがBさんに嘘をついてお金を要求する欺罔行為)は認められますが、②(Bさんが騙されるといった錯誤に陥る)には至っていません。
しかし結果的にAさんはBさんからお金の交付を受けているので、一見すると詐欺罪の既遂のようにも思えますが、少なくともBさんは錯誤に陥っていないので、詐欺の構成要件を欠くことになり、詐欺の未遂罪を構成するにとどまるのです。
また詐欺罪の客体となるのはお金や物といった財物に限られません。
第246条2項には、人を騙して、財産上不法の利益を得たり、人に得させることで成立する詐欺罪が規定されています。(2項詐欺)
そして第246条の2では、電子計算機使用詐欺罪が規定されています。
電子計算機使用詐欺罪は、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報または不正な指令を与えて、財産権の得喪、変更にかかる不実な電磁的記録を作り、または財産権の得喪もしくは変更にかかる虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得る、または他人にこれを得させることによって成立する犯罪です。
電子計算機使用詐欺罪でいう、電子計算機とは、他人のコンピューターのことです。
本日最後に解説するのは、第247条に規定されている背任罪です。
背任罪は、他人のためにその事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図りまたは本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えた場合に成立する犯罪です。
背任罪を分かりやすく言うと、会社員が会社を裏切って会社の利益にならない行動を起こすことによって成立する犯罪です。
ちなみに会社の取締役や支配人など、一定の地位にある人が背任罪に当たる行為をした場合は特別背任罪となります。
特別背任罪は、刑法ではなく会社法に定められている犯罪です。
~次回に続く~

大阪府を中心に、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県など近畿地方で、犯罪行為による刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
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~刑法を解説~ 第36章 窃盗及び強盗の罪~②~
~刑法を解説~47回目の本日は、第36章窃盗及び強盗の罪~②~について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
第36章窃盗及び強盗の罪~①~は こちらをクリック
窃盗及び強盗の罪~②~
本日は、第36章窃盗及び強盗の罪に規定されている犯罪の中から、強盗に関する罪について解説します。
第236条 強盗罪
第237条 強盗予備罪
第238条 事後強盗罪
第239条 昏酔強盗罪
第240条 前段 強盗致傷罪 強盗傷人罪
後段 強盗致死罪 強盗殺人罪
第241条 前段 強盗強制性交等罪
後段 強盗強制性交等致死罪
本日は、数多くの犯罪を規定している刑法の中でも、凶悪事件として分類されている強盗に関する犯罪について解説します。
まず第236条に規定されているのが、暴行又は脅迫を用いて、他人の占有する財物を強取することによって成立する強盗罪です。
また他人の占有する財物を強取するだけでなく、財産上不法の利益を得たり、他人に得させたりした場合も強盗罪となります。(2項強盗)
タクシードライバーに暴行する等して、タクシー料金を踏み倒した場合が2項強盗に当たります。
強盗罪は、暴行や脅迫を用いて他人の財産を得るという点では、恐喝罪とよく似てますが、暴行や脅迫の程度が恐喝罪とは異なります。
また強盗は、予備行為も処罰の対象となります。(第237条)
強盗の予備行為とは、強盗するための準備行為を意味し、どういった行為が予備行為に当たるかは非常に幅が広く、強盗に押し入る店舗を下見するだけでも強盗予備罪になる可能性があります。
第238条では事後強盗罪が規定されています。
事後強盗罪は、窃盗犯人が、窃取した財物を取り返されるのを防いだり、逮捕を免れたり、罪証を隠滅するために、暴行や脅迫をした時に成立する犯罪です。
例えば、万引き犯人が、犯行を目撃した店員に捕まりそうになった際に、捕まるのを免れるために店員に暴行した場合などに成立する犯罪です。
当然、その際に相手に怪我をさせると次に解説する強盗致傷罪となります。
続いて第239条に規定されている昏酔強盗罪について解説します。
昏酔強盗は、昏酔させた人から財物を盗ることによって成立する犯罪です。
昏酔とは、意識喪失又は意識や運動機能に障害を生じさせることで、そういった状態にさせる方法に制限はありませんが、麻酔等の薬物を用いるのが一般的でしょう。
そして強盗の際に相手に怪我をさせると第240条の前段に規定されている強盗致傷(傷人)罪となります。
強盗致傷罪と、強盗傷人罪の違いは、相手に怪我を負わせる意思があったかどうかです。
犯行当初から、相手に怪我をさせる意思はなく強盗行為に及んだが、結果的に相手に怪我をさせてしまった場合は、強盗致傷罪となり、そもそも相手に怪我をさせる意思をもって強盗行為に及んだ場合は強盗傷人罪となります。
同じく第240条の後段には、強盗致死(殺人)罪が規定されています。
ここでも相手に対する殺意の有無で罪名が区別されています。
強盗致傷罪と強盗傷人罪、強盗致死罪と強盗殺人罪は同じ条文に規定されていますが、どういった刑事罰が科せられるかは、当然、相手に怪我を負わせたり、殺してしまう意思があったかどうかが大きく影響します。
窃盗及び強盗の罪~②~の罰則
①強盗罪、事後強盗罪、昏酔強盗の法定刑は「5年以上の有期懲役」です。
②強盗予備罪の法定刑は「2年以下の懲役」です。
③強盗致傷罪、強盗傷人罪の法定刑は「無期又は6年以上の懲役」です。
④強盗致死罪、強盗殺人罪の法定刑は「死刑又は無期懲役」です。
⑤強盗強制性交等罪の法定刑は「無期又は7年以上の懲役」です。
⑥強盗強制性交等致死罪の法定刑は「死刑又は無期懲役」です。
「~刑法を解説~第37章詐欺及び恐喝の罪~①~」に続く

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~刑法を解説~ 第36章 窃盗及び強盗の罪~①~
~刑法を解説~46回目の本日は、第36章窃盗及び強盗の罪~①~について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
窃盗及び強盗の罪~①~
本日は、第36章窃盗及び強盗の罪に規定されている犯罪の中から、窃盗罪と不動産侵奪罪について解説します。
第235条 窃盗罪
第235条の2 不動産侵奪罪
について解説します。
まず第235条に規定されているのが窃盗罪です。
第235条の条文を引用すると、窃盗罪は、他人の財物を窃取することによって成立する犯罪です。
簡単に言うと、窃盗罪とは、人の物を盗むことで、皆さんが一番身近に感じる犯罪の一つではないでしょうか。
スーパー等のお店の商品を盗む万引きや、自転車を盗む自転車盗、人ごみの中で人を財布を盗むスリ、そして自転車のカゴに入っているカバンを盗む引ったくり、留守の家に忍び込んで盗む空き巣など、これらは全て窃盗罪です。
そして同じ窃盗罪でも、有罪となった場合に科せられる刑罰は様々です。
例えば万引きのような比較的被害額が少額な窃盗事件であれば、そもそも刑事罰が科せられない不起訴という結果で手続きが終結することも珍しくありませんが、被害額が高額となりがちな侵入窃盗事件や、自動車盗など、また犯情が悪質な引ったくりやスリなどは、初犯であっても厳しい刑事罰が科せられる可能性があるのが特徴です。
ちなみに窃盗罪の客体となるのは、他人の占有する他人の財物です。
お金や物などが代表的ですが、電気など無体物であっても窃盗罪の客体となり、この事は刑法第245条に明記されています。
※刑法第245条
この章の罪については、電気は、財物とみなす。
そして第235条のに規定されているのが不動産侵奪罪です。
不動産侵奪罪は、他人の不動産を侵奪することによって成立する犯罪ですが、あまり適用されることのない罪名なために、聞いた事がない方も多いのではないでしょうか。
不動産侵奪罪でいうところの「侵奪」とは、不動産に対する他人の占有を排除し、これを自己又は第三者の占有に移すことをいいます。
窃盗及び強盗の罪~①~の罰則
①窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
②不動産侵奪罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
「~刑法を解説~第36章窃盗及び強盗の罪~②~」に続く

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~刑法を解説~ 第35章 信用及び業務に対する罪
~刑法を解説~45回目の本日は、第35章信用及び業務に対する罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
信用及び業務に対する罪
本日は、第35章信用及び業務に対する罪に規定されている
第233条 信用毀損罪・偽計業務妨害罪
第234条 威力業務妨害罪
第234条の2 電子計算機損壊等業務妨害罪
について解説します。
第233条には、虚偽の風説を流布したり、偽計を用いて人の信用を毀損することによって成立する信用毀損罪と、虚偽の風説を流布したり、偽計を用いて人の業務を妨害することによって成立する偽計業務妨害罪が規定されています。
ここでいう「虚偽の風説を流布」とは、真実と異なった内容の事項を不特定又は多数の人に伝播させることを意味します。
これは分かりやすく言うと「嘘の情報を世間に流すこと」です。
続いて「偽計を用いる」とは、人を騙したり、人の錯誤、不知を利用したり、人を誘惑したりする他、計略や策略を講じるなど、業務妨害罪では、威力以外の不正な手段を用いることを意味するとされています。
また信用毀損罪の「信用」とは、経済的な側面における人の社会的な評価、つまり経済的な信用を指しますが、サービスの品質や、商品そのものの信用も含まれるとされています。
また業務妨害罪の成立に当たっては、実際に業務遂行が妨害されることまでは必要とされておらず、妨害の結果が発生する可能性があれば業務妨害罪が成立するとされています。
そして、偽計ではなく威力を用いて人の業務を妨害することによって成立するのが、第234条の威力業務妨害罪です。
ここでいう「威力」とは、暴行や脅迫は当然のこと、それらに至らないまでも、人の意思を制圧するような勢力を意味します。
そしてこの章の最後に解説するのが第234条の2に規定されている電子計算機損壊等業務妨害罪です。
この法律は、電子計算機、いわゆるコンピューターに対して何らかの加害を加えることによって、人の業務を妨害することによって成立します。
信用及び業務に対する罪の罰則
①信用毀損罪・偽計業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
②威力業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
③電子計算機損壊等業務妨害罪の法定刑は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
「~刑法を解説~第36章窃盗及び強盗の罪」に続く

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