~刑法を解説~ 第37章 詐欺及び恐喝の罪 ~①~

本日と明日の二日間にわたっては、第37章詐欺及び恐喝の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

詐欺及び恐喝の罪

第37章詐欺及び恐喝の罪には

第246条 詐欺罪
第246条の2 電子計算機使用詐欺罪
第247条 背任罪
第248条 準詐欺罪
第249条 恐喝罪

が規定されています。

まず第246条の詐欺罪は、人を金品を騙し取ることによって成立する犯罪です。
ここ数年は、振り込め詐欺還付金詐欺など、いわゆる特殊詐欺事件が世間を騒がせており、ニュースなどでもよく報道されていますが、身近なものだと無銭飲食も詐欺事件となることがあります。

詐欺罪が成立するには

①騙す行為(欺罔行為)⇒②相手が騙される(欺罔に陥る)⇒③騙された相手が金品を交付する⇒④交付された金品を受け取る

といった、構成要件が必要とされ、それぞれには因果関係が必要とされています。
これらのうち一つでも欠けると詐欺罪は成立せず、成立するとしても詐欺未遂罪にとどまります。
例えば、AさんはBさんを騙して金を騙し取ろうとして、Bさんに嘘をついてお金を要求したが、Bさんは、Aさんの嘘に気付いた。がしかし、お金に困窮しているAさんを憐れんだBさんは、騙されたふりをして、Aさんにお金をあげた。
こういった事件の場合、少なくとも上記した構成要件の①(AさんがBさんに嘘をついてお金を要求する欺罔行為)は認められますが、②(Bさんが騙されるといった錯誤に陥る)には至っていません。
しかし結果的にAさんはBさんからお金の交付を受けているので、一見すると詐欺罪の既遂のようにも思えますが、少なくともBさんは錯誤に陥っていないので、詐欺の構成要件を欠くことになり、詐欺の未遂罪を構成するにとどまるのです。

また詐欺罪の客体となるのはお金や物といった財物に限られません。
第246条2項には、人を騙して、財産上不法利益を得たり、人に得させることで成立する詐欺罪が規定されています。(2項詐欺)

そして第246条の2では、電子計算機使用詐欺罪が規定されています。
電子計算機使用詐欺罪は、人の事務処理に使用する電子計算機虚偽の情報または不正な指令を与えて、財産権の得喪、変更にかかる不実な電磁的記録を作り、または財産権の得喪もしくは変更にかかる虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法利益を得る、または他人にこれを得させることによって成立する犯罪です。
電子計算機使用詐欺罪でいう、電子計算機とは、他人のコンピューターのことです。

本日最後に解説するのは、第247条に規定されている背任罪です。
背任罪は、他人のためにその事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図りまたは本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えた場合に成立する犯罪です。
背任罪を分かりやすく言うと、会社員が会社を裏切って会社の利益にならない行動を起こすことによって成立する犯罪です。
ちなみに会社の取締役や支配人など、一定の地位にある人が背任罪に当たる行為をした場合は特別背任罪となります。
特別背任罪は、刑法ではなく会社法に定められている犯罪です。

~次回に続く~

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