~刑法を解説~34回目の本日は、第27章傷害の罪~①~について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
傷害の罪
本日は、第27章傷害の罪に規定されている法律の中から
第204条 傷害罪
第205条 傷害致死罪
について解説します。
まず刑法第204条の傷害罪について解説します。
傷害罪は、人の身体を傷害する事、つまり人に怪我をさせることで成立する犯罪です。
まずここでいう「傷害」とは、外傷的な怪我(身体の完全性の侵害)だけでなく、生理的な障害を意味します。
また、傷害を負わせるための方法は、殴る蹴る等といった暴行行為、つまり人の身体に対する有形力の行使が一般的ですが、こういった方法に限られず、無形的な方法や、不作為による傷害もあり得ます。
続いて傷害罪が成立するために必要となる「故意」についてみていきます。
傷害罪の「故意」は、暴行による傷害の場合、暴行の故意があれば相手に怪我を負わせる意思(傷害の故意)までは必要とされないのが一般的ですが、暴行によらない傷害の場合は、傷害の故意まで必要とされます。
続いて刑法第205条の傷害致死罪について解説します。
傷害した相手が死亡してしまうと傷害致死罪となります。
人が亡くなるという結果だけをみると殺人罪と同じですが、殺人罪が成立するのには殺人の故意、つまり殺意が必要不可欠となるのに対して、傷害致死罪の成立には殺意は必要とされません。
殺人罪については、こちらをクリック
傷害の罪~①~の罰則
①傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
②傷害致死罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」です。
「~刑法を解説~第27章傷害の罪~②~」に続く