【八尾市の器物損壊事件】告訴と親告罪 刑事事件に強い弁護士が解説~2~

~事件~

八尾市に住む公務員Aさんは、契約駐車場に駐車されている車に傷付けた器物損壊罪の容疑で、大阪府八尾警察署に呼び出されて取調べを受けています。
Aさんは、取調べの中で警察官から「親告罪」「告訴」といった言葉を聞かされましたが意味が分かりません。(フィクションです。)

昨日は「告訴」について、大阪の刑事事件に強い弁護士が解説しましたが、本日は「親告罪」について解説します。

~親告罪とは~

親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪です。
Aさんの起こした器物損壊事件をはじめ、名誉毀損罪、侮辱罪、秘密漏示罪、過失傷害罪、私用文書等毀棄罪、略取誘拐罪や親族間の窃盗罪等がこれに当たります。
平成29年の刑法改正までは、強制わいせつ罪や強姦罪(現在の強制性交等罪)等も親告罪とされていましたが、現在は非親告罪となっています。

親告罪には、告訴不可分の原則があります。
これは、共犯の1人または数人に対してした告訴または告訴の取消しは、他の共犯に対してもその効力を生じることです。これを告訴の主観的不可分と言います。
また犯罪事実の一部に対してした告訴または告訴の取消しは、その全部について効力を生じる。これを告訴の客観的不可分と言います。

~器物損壊事件の弁護活動~

器物損壊事件親告罪です。
告訴は一度取り消すと、同じ事実で再び告訴することができないという決まりがあります。
ただし告訴を取り消せるのは、起訴されるまでです。
そのため、告訴されている器物損壊事件の弁護活動については起訴されるまでに被害者と示談して告訴の取下げを目指すことになります。
そうすることによって、同一事実で刑事罰を受ける可能性が完全に消滅してしまうのです。

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