【右翼活動家を逮捕】大阪の刑事事件 外国国章損壊事件を扱う弁護士

【右翼活動家を逮捕】大阪の刑事事件 外国国章損壊事件を扱う弁護士

大阪府岸和田市に住む右翼活動家Aは、街宣活動中に、韓国領事館前に掲げられた韓国国旗を引きずり下ろし、大阪府南警察署の警察官に外国国章損壊罪現行犯逮捕されました。

外国国章損壊罪とは、外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損することで、この法を犯すと、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金が科せられる場合があります。

この罪の対象となる「外国国章」とは、代表的なものでまず国旗がありますが、国旗と言っても大使館や、領事館に公式に掲げられた国旗でなければ、この罪の対象とならない場合があります。よく目にする、デモなどで活動家が掲げている国旗は、国旗を模した手製のものとして判断され、外国国章損壊罪の対象とならない場合があるのです。
また、日章旗(日の丸)も外国国章ではないので、この罪の対象とはなりません。かつて自民党が、外国国章損壊罪と同様に、日本国を侮辱する目的で日章旗(日の丸)を損壊した場合も、外国国章損壊罪と同様の処罰を科す内容の、刑法改正案を上げていましたが、刑法に反映されていませんので、現時点では、日章旗を損壊しても「器物損壊罪」に問われる可能性があるにとどまります。

また外国国章損壊罪(刑法第92条)2項には「外国政府の請求がなければ公訴を提起する事ができない」つまり、損壊された国章の国からの請求がなければ、検察官は犯人を起訴する事ができない旨が明記されています。この観点から考えると、この法律は、外国の利益を保護している法律のようですが、一方で、本罪の表題が「国交に関する罪」であることなどの観点から考えると、我が国の対外的地位ないし外交作用を保護している法律といえます。

ちなみに、条文にある「損壊」「除去」「汚損」の行為ですが、「損壊」とは破ったり、引き裂いたり、焼いたりする行為をいい、「除去」とは損壊することなく場所を移動させることです。最後に「汚損」とは、人に嫌悪の情を抱かせる物を国章自体に付けたり、国章としての効用を滅失または減少させることです。

「除去」の場合は、外国国章損壊罪のみの成立が大半ですが、「損壊」と「汚損」の場合は、器物損壊罪が成立する場合があり、この場合は器物損壊罪で罰せられる可能性が大です。

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