大阪府富田林警察署に勾留中の被告人が逃走して2週間以上が経過しました。
いまだテレビや、新聞、ネットニュースではこの逃走事件が大きく報じられ、警察当局が情報の提供を呼び掛けています。
さて、今回のコラムでは、この様な逃走犯を手助けしたらどのような罪に問われるのかを大阪の刑事事件に強い弁護士が解説します。
~犯人蔵匿・隠避罪~
刑法第103条に、犯人蔵匿罪・隠避罪が定められています。
この法律は、罰金以上の刑に当たる罪を犯した犯人や、拘禁中に逃走した犯人の逃走を手助けした場合に適用される法律です。
報道によりますと、今回の事件で逃走している被告人は、強制性交等罪等で起訴、勾留されていたようです。
この状況から
・罰金以上の刑に当たる罪を犯した
・拘禁中に逃走した
の何れにも該当します。
更に、今回の逃走事件で犯人は「加重逃走罪」で指名手配されており、加重逃走罪の法定刑は3月以上5年以下の懲役ですので、罰金以上の刑に当たる罪を犯した犯人にも該当します。
ですので、この犯人に、検挙を免れるための場所を提供(蔵匿)したり、蔵匿以外の逃走を助ける一切の行為(隠避)をして、犯人の逃走を手助けした場合には犯人蔵匿罪、若しくは犯人隠避罪に問われる可能性があります。
ちなみに犯人蔵匿罪・隠避罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」です。
~親族による犯罪に関する特例~
刑法第105条で、犯人蔵匿罪・隠避罪についての特例が定められています。
その内容は、逃走犯人の親族が蔵匿・隠避行為を行っても、刑を免除するといった内容です。