早期釈放について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
◇事件◇
今年の4月に新社会人になったAさんは、初出勤を終えた週末に、同じ会社の新入社員数名と仕事終わりに飲みに行きました。
そして飲み会を終えて帰宅途中、自宅最寄りの駅のエスカレーターで、前に立っている女性のスカートの中をスマートフォンを使用して盗撮してしまったのです。
女性に見つかったAさんは、走って逃走しようとしましたが騒ぎを聞いて駆け付けた駅員に取り押さえら現行犯逮捕されました。
その後、通報で駆け付けた大阪府東警察署の警察官によって大阪府東警察署に連行されたAさんは、取調べを受けた後に、留置場に収容されました。
~Aさんの家族~
深夜になってもAさんが帰宅しないことに不安を覚えたAさんの母親は、Aさんの携帯電話に何度も電話しましたが、電源が入っておらずつながりません。
心配になったAさんの母親は、最寄りの大阪府東警察署に行って捜索願を出そうとしましたが受け付けてもらえず、対応した警察官から「詳しいことは言えませんが、警察で身体を拘束しています。」と教えられただけで、逮捕の有無を含めて何も教えてもらえませんでした。
(フィクションです)
この事件は、盗撮事件を起こしてしまって警察に逮捕されたAさんと、Aさんの母親の話です。
この話はフィクションですが、弊所には、同じような状況に陥った方からの無料法律相談や、初回接見サービスのご予約がよくあります。
◇盗撮事件で逮捕されたら◇
大阪府内で盗撮事件を起こせば、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(以下「迷惑防止条例」)違反となります。
この条例は、盗撮行為の他、痴漢や、客引き等を禁止しており、Aさんのように駅の構内で、スカートの中を盗撮した場合、起訴されて有罪が確定すれば1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
Aさんのように盗撮事件で警察官以外(私人)に現行犯逮捕された場合の流れは以下のとおりです。
①現行犯逮捕
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②司法警察員(警察官)に引渡し
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③警察署に引致(連行)
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④警察署で取調べ(弁解録取)⇒釈放
↓
⑤留置施設に留置
↓
⑥検察庁に送致⇒釈放
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⑦裁判所に勾留請求⇒釈放
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⑧留置施設に勾留(10日~20日間)
↓ ↓ ↓
⑨起訴 ⑩略式罰金⇒釈放 ⑪不起訴⇒釈放
↓
⑫刑事裁判
※①~⑥は48時間以内
⑥~⑦は24時間以内
◇家族にできること◇
Aさんの母親のように「ご家族が逮捕された」若しくは「逮捕されたかもしれない」といった方は、迷わず弁護士に相談することをお勧めします。
刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、このようなご相談を24時間、年中無休で受け付けておりますので、お気軽にフリーダイヤル0120-631-881にお電話ください。
警察から連絡があった場合は、「●●警察署に留置しています。」等と、留置先の警察署を教えてもらうことができますが、最近は、留置先を教えてもらえない場合があるようです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、独自の調査で逮捕された方の留置されている警察署を調査いたしますので、逮捕された方の留置先が分からない場合でも初回接見サービスをご利用いただくことができます。
◇盗撮事件の刑事弁護活動◇
~早期の身体解放活動~
盗撮事件で現行犯逮捕された場合の流れは上記のとおりです。
①~④の手続きは、刑事訴訟法で定められているために必ず行われますが、⑤以降の手続きについては、弁護士が活動することによって阻止することができます。
勾留が決定してしまうと、その決定を覆すことは非常に難しいので、早期釈放を求めるのであれば勾留が決定するまでに弁護活動をスタートする必要がございます。
そのため弁護士に弁護活動を依頼するのであれば、①~⑤の手続き中(逮捕から48時間以内)に、弁護士に依頼するのがよいでしょう。
~刑事罰の減軽~
逮捕後に釈放されたからといって刑事罰が確定するわけではありません。
刑事罰については、警察の捜査が全て終了し、その後検察官による取調べを受けた後に決定するもので、検察官に決定権がある終局処分については、不起訴若しくは略式罰金です。
そして起訴された場合は、その後の刑事裁判で裁判官によって刑事罰が確定します。
いずれにせよ、盗撮事件で逮捕されてしまった場合、その刑事罰の減軽を求めるのであれば、被害者との示談が最も有効的でしょう。
盗撮事件の示談では、被害者に対する謝罪と、被害弁償(示談金の支払い)によって、宥恕条項を含んだ示談書を作成することができ、刑事罰の減軽が望めます。