~法律相談~
会社員のAさんは、会社の同僚の女性とお酒を飲んだ帰り道、酔払った同僚を介抱するために同僚の家に入りました。
後日、この女性から「胸を触られた。警察に訴える。」と言われました。
Aさんもお酒に酔っていた影響で記憶が曖昧ですが、女性の同意を得てから家の中に入ったのは確かで、不必要に女性の身体に触った記憶もありません。
今後、どのように同僚の女性に対応すべきか分からないAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。(フィクションです)
忘年会等でお酒を飲む機会が増えてくる季節ですが、刑事事件を専門に扱う弊所にも、この季節、お酒を飲んだうえでの男女間トラブルや、性犯罪に関する法律相談が増えてきます。
本日は、そんな中から上記Aさんの事件を刑事事件に強い弁護士が解説します。
Aさんに適用される可能性がある法律は
①同僚の家に入った行為に対して「住居侵入罪」
②同僚にわいせつな行為をしたとして「(準)強制わいせつ罪」
でしょう。
①「住居侵入罪」は他人の住居に不法に侵入することを禁止する法律です。
Aさんの言うように同僚の承諾を得ていれば、この法律は適用されないでしょうが、同僚も、Aさんも酒に酔っていた状況からすれば、双方の記憶に基いて承諾があったかどうかを立証するのは非常に困難でしょう。
そのため防犯カメラの映像等客観的な証拠を基に立件されることになるでしょう。
②「(準)強制わいせつ罪」は女性に対して無理矢理、わいせつな行為をした場合に適用される法律です。
もし、女性が泥酔して抵抗できない状況で、わいせつ行為に及べば準強制わいせつ罪が適用されまる可能性があります。
被害者と、被疑者しかいない密室での事件は、被害者とされる女性の供述が基になって警察の捜査が進みます。
当然、警察は被害者の供述を裏付ける捜査を行いますが、密室であるためにその様な証拠が乏しくなるのは必然で、被害者の供述だけによって逮捕される事件もあるので注意しなければなりません。
~まずは弁護士に相談~
Aさんのような事態に陥った方は、まず弁護士に相談してください。
「自分は何もしていないから大丈夫だ」と思っていても、被害者が警察に被害を訴えた場合は、上記のように被害者の供述だけを基に捜査が進む可能性があり、時として逮捕される可能性もあるのです。
弁護士に相談することによって新たな記憶がよみがえったり、これまで把握していなかった事実が発覚することもあり、最悪の事態を回避することができます。