~事件~
大阪市住吉区の公園で、頭に矢の刺さったカモメが発見されました。
大阪府住吉警察署は、吹き矢でカモメの頭に矢を刺したとして、鳥獣保護法違反の容疑で男から事情を聞いています。(この事件は、平成30年4月3日TBSNEWSで放送されたニュースを参考にしたフィクションです。)
~動物の虐待~
動物の虐待は、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)で禁止されています。
ただ動物愛護法で保護されている動物は、ペットとして飼われる犬や猫、牛や豚等の産業動物といった愛護動物だけで、カモメは対象になりません。
愛護動物に指定されている動物を虐待した場合「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」が科せられるおそれがあります。
また、人がペットとして飼っている等、物として扱われる動物を傷付けた場合、刑法第261条の器物損壊罪が適用される場合もあります。
この場合の罰則規定は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」です。
~鳥獣保護法違反~
野生のカモメは、動物愛護法や、刑法の器物損壊罪では保護されておらず、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)が適用されます。
鳥獣保護法第8条では「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等をしてはならない。」と定めており、この条文では損傷、殺傷も禁止しています。
これに違反すると1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。
動物の虐待事件は後を絶ちませんが、対象となる動物の種類や、飼育状況等によって、適用される法律が変わってくるので、動物の虐待事件でお悩みの方は、刑事事件に強い弁護士に法律相談することをお勧めします。