大阪市住之江区の不法侵入事件 女装して女風呂に・・・

大阪市住之江区の不法侵入事件 女装して女風呂に・・・

大阪市住之江区の、女装して女風呂に不法侵入した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の弁護士の見解

大阪市住之江区の不法侵入事件

問題となった事件は昨年9月に起こりました。
新聞等の報道をまとめますと、この日、大阪市住之江区のスーパー銭湯の女風呂に、女装して入っていた男が検挙されました。
男は、透明の防水フィルムを身体に貼って堂々と女風呂に入浴していたようですが、異変に気付いた女性客が従業員に知らせたことで事件が発覚したようです。

検挙された男は、後日、大阪府住之江警察署で任意聴取を受ける事となりましたが、そこへ女装して現れた男は、警察の取調べに対して「心は女である。」等とトランスジェンダーである旨を供述したようです。
しかしその後、男の供述内容は「女装が趣味で、女装の完成度を確認するために女湯に入った。」「女装している自分に興奮する。」等と変遷し、今月1月6日、検察庁に書類送検されました。
(こちらは新聞、ニュース等の記事を集約した情報です。)

不法侵入事件

まず、書類送検された男に適用される罪について解説します。
ニュース等では「不法侵入」と言われているのをよく耳にしますが、実は「不法侵入罪」という法律は存在せず、不法侵入と言われている犯罪は、「住居侵入罪」や「建造物侵入罪」「邸宅侵入罪」であることがほとんどです。
住居侵入罪と、建造物侵入罪、邸宅侵入罪は、「不法に侵入する」という行為については同じですが、不法侵入する場所によって適用罪名が異なります。
適用罪名は異なるのですが、罰則についてはどの罪名が適用されても全て同じで、法定刑は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。

そして、女装して女風呂に入れば「建造物侵入罪」となります。

トランスジェンダーであれば大丈夫なの?

ところでこの事件を聞いた方のほとんどは「トランスジェンダーであれば女風呂に入っても適法なの?」という疑問が浮かんだと思います。
まず弁護士の見解は、刑事処分が科せられるかどうかは別にして、トランスジェンダーであることが、建造物侵入罪の成立の可否に影響を及ぼすとは思えません。

まず法律には保護法益というものが存在します。
保護法益とは、分かりやすく言うと、その法律によって何を守る(保護)するかというものです。
建造物侵入罪の場合、その建物内の平穏や建造物を管理する人の権利です。
つまり今回の事件でいえば、スーパー銭湯の利用客が安心して入浴できる環境(建造物内の平穏)を守る管理者の管理権限ということになりますが、男性が女風呂に入浴する行為は、当然にそういった保護法益を犯すものになるので、法律的に建造物侵入罪が成立するでしょう。
つまり男性が、トランスジェンダーであるか否かは、建造物侵入罪の成立の可否にまで影響を及ぼすものではないかと考えられます。

このように法律的には建造物侵入罪が成立することは間違いないでしょうが、刑事事件として手続きを進めるかどうかの判断は警察に委ねられているのが現状ですし、犯人に対して刑事罰を科せるべきかは検察官の判断となります。
プライバシー性の高い、非常にデリケートな問題なので、取調べには時間を要するでしょうから、今回の事件についても発生から書類送検まで4カ月近くかかっています。

女装した男性の犯行が増加傾向に

インターネットに掲載されている記事によりますと、公衆浴場の女風呂に、女装した男性が不法侵入する事件が全国的に増加傾向にあるようです。
今後、このような事件を起こした犯人が「自分はトランスジェンダーである。」と供述することも考えられますが、実際にトランスジェンダーの方は、専門医の診察を受けて診断書の交付を受けることをお勧めしますし、できれば不特定多数の人が利用する公衆浴場の使用は避け、貸切り風呂や家族風呂を利用した方がよいでしょう。

不法侵入事件に強い弁護士

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