~事件~
生後2ヶ月の自分の子供に傷害を負わせたとして、Aさんは大阪府福島警察署に傷害罪で逮捕されました。
Aさんの子供は、外部から何らかの強い力が加わったことによる急性硬膜下血腫の症状で重傷です。
Aさんは「事実は全く違う」と供述し、逮捕事実を否認しているようです。
Aさんの両親は、虐待事件の経験のある傷害罪に強い弁護士を探しています。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
~虐待事件~
児童虐待の防止に関する法律で、児童虐待とは、保護者(親権者等、児童を現に監護するものをいう。)がその監護する児童(十八歳に満たない者)に対して、①暴行を加える事、②わいせつな行為をする又はさせる事、③児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置など、監護を怠る事、④著しい暴言又は著しく拒絶的な対応等、児童に著しい心理的外傷を与える言動を行う事、と定義しています。
児童虐待の防止に関する法律では、児童虐待を禁止していますが、虐待行為に対する罰則規定はありません。
(ただし、接触禁止命令に背き、児童に接触しようとした場合には「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が定められています。)
それは、この法律は、保護者の行為の規制よりも、児童虐待の予防及び早期発見、虐待児童の保護と自立支援を目的にしているからで、虐待行為自体は、刑法等の法律に則って罰せられることとなります。
Aさんのように傷害罪が適用された場合、起訴されて有罪が確定すれば「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
また子供の傷害や、暴行行為の程度、取調べの供述内容などによっては、傷害罪よりも厳しい罰則が規定されている暴力行為等処罰に関する法律違反や、殺人未遂罪が適用されることもあるので注意しなければなりません。