傷害か過失傷害か

2019-07-09

傷害か過失傷害か

~事例~
大阪府枚方市に住む会社員のAは飲み屋さんで部下の一人と飲んでいました。
そこで、仕事の話をしていたA達でしたが、議論が白熱してしまい、Aは思わず、テーブルにあった灰皿を机にたたきつけました。
灰皿は割れてしまい、割れた破片が部下の顔にあたってしまい、部下は怪我をしたことから、大阪府枚方警察署の警察官が駆け付ける事態となってしまいました。
Aは逮捕されることはありませんでしたが、今後も捜査していくという警察官の言葉から不安となったAは大阪の刑事事件に強い弁護士の無料法律相談へ行くことにしました。
(この事例はフィクションです)

過失傷害

第209条 
第1項「過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。」
第2項「前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」

刑法は、故意による犯罪を原則としており、これは刑法第38条第1項にも規定されています。
第38条
第1項「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。」
法律に規定がある場合の代表的なものの一つがこの過失傷害です。
過失傷害は、刑法第209条に規定されており、過失行為に基づいて他人の生命、身体を侵害することを禁止しています。
つまり、故意がなくても、不注意によって結果を生じさせた場合は、過失犯として処罰されることがあるのです。
「不注意」とは、注意義務違反、すなわち構成要件該当の事実、とくに結果の発生を認識、予見し、これを回避するため必要適切な措置を講ずべき義務に違反することをいいます。
そして、その注意義務は、通常法令、契約などによって明らかにされていることが多いです。
しかし、法令上の義務を履行しただけでは必ずしも注意義務を尽くしたとはいえない場合もあり、結局それは、具体的事情に応じて社会通念などにより決せられます。
また、第2項では親告罪であることが示されています。
親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起できない罪のことを指します。
告訴とは、被害申告だけでなく、犯罪加害者の処罰を求めるという意思表示も含めた申告です。
被害者と示談を締結し、告訴を取り消してもらうことができれば、起訴されることはありません。

業務上過失致死傷等・重過失

第211条
「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。」

過失よって人を傷つけてしまった場合であってもその行為が業務上行われた行為であった場合、業務上過失傷害となり、その罪は重く規定されています。
また、業務上過失傷害となると親告罪ではなくなります。
業務とは、人が社会生活を維持するうえで、反復継続して行うことであって、かつ、一般に人の生命、身体等に対する危険を伴うものをいいます。
これに当てはまる以上、それは、公務、職業、営業、報酬の有無あるいは本務、兼務の区別、免許の有無等を問わず、必ずしもそれが適法なものでなくてもよいとされています。
かつては自動車の運転によって人を傷害してしまった場合もこの業務上過失傷害とされていました。(現在は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の違反となります)

そして、211条の後段には、重過失傷害が規定されており、注意義務違反の程度が著しいとされた場合に適用されます。

今回の事例のAについて、部下に対する、暴行の故意が認められれば、傷害罪となりますが、故意なしと判断された場合でも、過失があれば部下が怪我をしていることから過失傷害重過失傷害の可能性はあります。
過失の判断には専門的な知識が求められるため、過失傷害や重過失傷害でお悩みの方は、まず、専門化である弁護士の見解を聞くようにしましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件、過失犯に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
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