~事件~
自動車販売店に勤めるAさん(35歳)は、先週の日曜日に、大阪駅の構内において、スマートフォンを使用して女性のスカートの中を盗撮しました。
目撃者によって捕まったAさんは、大阪駅を管轄する大阪府曾根崎警察署に連行されて取調べを受けた際に、スマートフォンを押収されてしまいました。
このスマートフォンには、過去1年間に盗撮した画像を保存しており、Aさんはこれらの余罪についても警察で取調べを受けています。(フィクションです。)
最近は、ほとんどの携帯電話機(スマートフォン)にカメラ機能が搭載されていることから、盗撮事件で警察に検挙される方が急増しており、刑事事件を専門に扱っている弊所にも盗撮事件の相談がよくあります。
これまでのコラムでも何度か紹介しましたが、大阪府内での盗撮行為は、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例で禁止されており、これに違反した場合、起訴されて有罪が確定すれば1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金が科せられます。
当然、初犯で被害者との示談が成立すれば不起訴処分が期待できますが、再犯の場合は、示談があったとしても、略式罰金が科せらることがあるので注意しなければなりません。
さて本日は、盗撮事件で警察に検挙された際の余罪の捜査について解説します。
盗撮事件で警察に検挙されると、スマートフォンや、タブレット、パソコン等を警察に押収されて、そこに別の盗撮画像が保存されていないか調べられます。
もし盗撮画像が保存されている場合は、その画像、映像を基に警察が余罪を捜査する可能性があります。
盗撮した相手の顔が撮影されていた場合は、被害者を特定して迷惑防止条例違反を適用する事もありますし、被害者を特定できない場合でも、盗撮した場所が特定されれば刑法の建造物侵入罪が適用される事があります。
例えば、駅の構内で盗撮していた場合、盗撮の目的で駅の構内に立ち入った行為自体が違法となるのです。
このように、盗撮事件で警察に検挙された場合でも、余罪の捜査において、盗撮行為を取り締まる迷惑防止条例違反以外の法律が適用されるおそれがあるので、盗撮事件の余罪捜査に不安のある方は、早急に刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。