車内から金属バット(大阪府安全なまちづくり条例違反)

2019-05-09

◇事件◇

富田林市に住んでいる会社員Aさんは、3日前に、マイカーを運転中に交通違反をしてしまい、取締りをしていた警察官から反則切符を交付されました。
その際にAさんは、警察官から「最近物騒な事件がよく起こるから、一応、車の中を見せてくれるか。」と言われたので、Aさんは車内検索に応じました。
そこで後部座席に金属バットを積んでいたのを警察官に発見されたのです。
警察官から金属バットを積んでいる理由を追及されたAさんは「最近あおり運転のニュースを見てこわかったので、もし自分が被害にあった時のために護身用に積んでいました。」と説明しました。
警察官から「正当な理由がない」と言われたAさんは、大阪府安全なまちづくり条例違反で検挙されて、大阪府富田林警察署に連行されました。
(フィクションです。)

◇大阪府安全なまちづくり条例◇

大阪府安全なまちづくり条例は、大阪府内における犯罪の発生件数が増加すると共に、凶悪化したのに伴い、犯罪による被害の防止と、凶悪犯罪発生の未然防止を目的に、平成14年に施行された条例です。
この条例の第19条第1項には「何人も、道路、公園、広場、駅、空港、埠頭、興行場、飲食店その他公衆が出入りすることができる場所又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他公衆が利用することができる乗物において、その本来の用途に従い使用し、又は運搬する場合その他社会通念上正当な理由があると認められる場合を除いては、鉄パイプ、バット、木刀、ゴルフクラブ、角材その他これらに類する棒状の器具であって、人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるおそれのあるものとして公安委員会規則で定めるものを携帯してはならない。」ことが規定されてます。
そして、これに違反して有罪が確定すれば「10万円以下の罰金」が科せられます。(同法第24条第1項)

◇携帯の理由◇

上記のように、バットの携帯が禁止されていますが、大阪府安全なまちづくり条例違反に該当するかどうかは、携帯していた理由によります。
これについては、同法第19条第2項で、バット又はゴルフクラブの携帯違反については特に慎重に判断することが規定されていますが、そもそも「社会通念上正当な理由」とはどのような理由なのでしょうか。
バットやゴルフクラブであれば、購入した帰路だったり、試合、練習の行き帰りであれば「社会通念上正当な理由」と言えるでしょうが、積み下ろしが面倒なので常に車に積みっ放している場合は、正当な理由とは言えない可能性があります。
また、バットやゴルフクラブの積み方にもよるでしょう。
例えば、専用のケース等にバットやゴルフクラブを入れて車のトランクに積んでいた場合は、正当な理由と認められるかもしれませんが、バットやゴルフクラブをむき出しにして後部座席に積んでいた場合等は、正当な理由がないと判断されてしまうでしょう。

~「護身用」は正当な理由ですか?~
大阪府安全なまちづくり条例違反で検挙される際に、Aさんのように「護身用で持っていました。」等と、携帯の理由を説明する方がいるようですが、「護身用」は正当な理由とならないので注意しなければなりません。

◇職務質問◇

警察官の職務質問は、警察官職務執行法に基づいて行われる行為です。
しかし職務質問できる条件は細かく定められており、警察官だからといって、無条件で誰にでも職務質問できるわけではありませんし、あくまで任意の範囲内でのみ認められています。
そして、この職務質問に付随する行為として、所持品検査や、車内検索といった行為がありますが、当然、これらの行為も、職務質問を受けている人の承諾があって初めてできる行為です。
もし職務質問や所持品検査、車内検索を拒否したい場合は、ハッキリと口に出して断らなければなりません。拒否する意思表示を明確にしなけれな「暗黙の了解を得た」として適法化される可能性もあるので注意しなければいけません。
過去には、刑事裁判において、職務質問や、所持品検査、車内検索が違法だと認められて無罪となったケースも存在するので、疑問のある方は、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

大阪府富田林市の刑事事件でお困りの方、大阪府安全なまちづくり条例違反で警察に検挙された方は、大阪で刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
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