【泉佐野市で逮捕】大阪の刑事事件 逃走援助事件に強い弁護士
大阪府泉佐野警察署に留置中の兄を逃がすために、弟Aは、留置場の窓の方向に向かってハシゴをかけると共に、警察署前にエンジンのかかった逃走用の車を放置しました。しかし留置場勤務の警察官が異変に気付き、兄は逃走する事はできませんでした。後日、Aは泉佐野警察署に逃走援助罪で逮捕されました。
(この話はフィクションです)
刑法第100条に
①法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具を提供し、その他逃走を容易にすべき行為をした者は、3年以下の懲役に処する。
②前項の目的で、暴行又は脅迫をした者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
と逃走援助罪を定めています。
この法律は、被拘禁者を逃走させる目的で、被拘禁者の逃走を容易にすべき行為を禁ずる法律です。
被拘禁者の逃走を容易にすべき行為とはつまり、被拘禁者の逃走の、共犯とされるような教唆若しくは幇助に当たると解する事ができますが、被拘禁者自身が逃走することを禁じた法律(刑法第97条「逃走罪」)は、期待可能性が低いことから、刑が軽く定められています。しかし、被拘禁者の逃走を援助する行為は、期待可能性が低いとは言い難いことから、逃走罪よりも刑を重く定めるとともに、その客体を逃走罪の主体よりも広く「法令により拘禁された者」と規定しています。
この法律の1項にある「器具」とは、逃走に役立つ一切の道具をいい、具体的状況下で被拘禁者の逃走を容易にさせる性質を有していれば「器具」に当たり、「器具の提供」は逃走を容易にすべき行為の例示で、その手段、方法を問わず、言語による場合と動作による場合を含み、例えば逃走方法の指示、手錠の開錠等がこれに当たります。
この犯罪は、逃走を容易にすべき行為を開始することが着手にあたり、一般に、その行為の終了によって直ちに既遂に達すると解されていますので、実際に、被拘禁者が逃走行為に着手する必要はありません。また②の暴行、脅迫を手段とする場合は、暴行、脅迫を開始することが本罪の着手となり、暴行、脅迫が行われたら直ちに既遂となります。
つまりAの場合は、留置場の窓の方向に向かってハシゴをかける行為を行った時点で、逃走援助罪は既遂となる可能性が大で、実際に、留置場の兄がこのハシゴを利用して逃走しようとするまでは要しません。
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