~ 事件 ~
枚方市に住む無職Aさん(75歳)は、かねてから近所トラブルになっていた隣人と掴み合いになった後に、この隣人の頭をハンマーで殴り全治2週間の傷害を負わせたとして傷害罪で逮捕、勾留の後、起訴されました。
Aさんに選任された刑事事件に強い弁護士は、正当防衛で無罪を主張しています。(フィクションです。)
正当防衛とは
よく「先に相手から殴られたので、殴り返しました。」という理由で正当防衛を主張される方がいますが、正当防衛が成立するかは否かは、どちらが先に手を出したかどうかで判断されるものではありません。
正当防衛とは、急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を守るために、やむを得ず行った防衛行為ですので、この要件を充足していなければ、正当防衛は認められないのです。
最近、とある地方裁判所で、傷害事件で起訴されていた男性に、正当防衛による無罪判決が言い渡されました。
この事件は、Aさんの事件と同様に、起訴されていた男性が、被害者の頭をハンマーで殴りつけるという暴行形態でしたが、相手との体格差(被害者の方が大柄であった事)や年齢(起訴された男性の方が高齢であった事)ことを理由に、ハンマーで殴りつけることが、唯一の防衛手段であったと判断されて正当防衛が認められたようです。
正当防衛が成立するか否かは、暴行行為の形態だけでなく、事件背景や、被害者と加害者の力関係等によって左右されるので、その判断は、刑事事件に関する法律に精通した弁護士に相談することをお勧めします。