Archive for the ‘刑事事件’ Category

【解決事例】大阪メトロ御堂筋線電車内の痴漢事件 示談できず略式起訴による罰金

2022-07-03

大阪メトロ御堂筋線電車内の痴漢事件で、示談できず略式起訴による罰金刑となった解決事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件の概要

無職のAさん(20歳代)は、友人とお酒を飲んで帰宅途中の大阪メトロ御堂筋線電車内において、隣に座っていた女性の太ももを触る痴漢事件を起こしてしまいました。
女性に腕を掴まれて途中の駅で降ろされたAさんは、通報で駆け付けた大阪府東警察署の警察官によって警察署に連行されて取調べを受けましたが、全ての事実を認めいたことから、その日のうちに家族が迎えに来て帰宅することができました。
就職を控えていたAさんは、前科が付くことをおそれて弁護士に被害者との示談を依頼しましたが、被害者が示談を拒んだことから警察から連絡先が開示されず、弁護士は被害者と交渉することすらできませんでした。
その結果、Aさんは略式起訴による罰金刑となりました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

痴漢事件

大阪府内を走行する地下鉄の電車内で女性の身体に触ると痴漢となります。
痴漢行為は、大阪府の迷惑防止条例によって禁止されている違法行為で、その罰則規定は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

示談の流れ

痴漢事件を起こして不起訴を目指すのであれば、被害者との示談が必至となります。
そこで示談の流れについて解説します。
弁護士が被害者との示談交渉を開始するに当たって、まず最初に警察若しくは検察庁に対して被害者の連絡先等の情報開示を求めます。
そこで事件を担当する捜査員から被害者に対して弁護士に連絡先等の情報を開示していいのか確認されて、被害者が了承すれば、弁護士のもとに被害者の連絡先等の情報が開示されて示談に向けた交渉が開始されます。
Aさんの場合、この時点で、被害者が情報の開示を拒んだため弁護士は交渉を開始することすらできませんでした。


被害者との示談交渉は、すぐに結論が出るわけではありません。
被害者がこういった謝罪や賠償を受け入れる意思があるのかや、その上で加害者に対して宥恕の気持ちがあるのかによって、示談交渉の進捗や、交渉にかかる時間は様々で、早ければ1週間程度で示談書を作成できることもありますが、大半は示談を締結するまでに2週間以上はかかります。

略式起訴による罰金刑

痴漢事件の場合、被害者との示談が締結できれば不起訴となる可能性が非常に高いですが、逆に示談がなければ、法定刑内で刑事罰が科せられる可能性が非常に高いです。
初犯、若しくは少なくとも2回目までなら、略式起訴による罰金刑となる可能性がありますが、再犯が重なると公判請求されて正式な刑事裁判を受けなければなりません。

痴漢事件の弁護活動に強い弁護士

このコラムをご覧の方で、痴漢事件でお困りの方は、「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部」にご相談ください。

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フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)

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なお弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、痴漢事件を起こして警察に逮捕されてしまった方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスをご用意しています。
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北新地のスリ事件 大阪府警捜査三課が犯人を逮捕

2022-06-25

大阪府警捜査三課が北新地で発生したスリ事件の犯人を逮捕した件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件の概要(6月7日配信の産経新聞ニュースを参考にしています。)
 
今年の4月中旬以降、繁華街として有名な大阪の北新地において、スナックなどが入る雑居ビルのエレベーターで、酒に酔っている人の財布が抜き取られるスリ事件が相次いで発生しており、大阪府警は警戒を強めていたようです。
そんな中、北新地にある雑居ビルのエレベーター内で、高齢男性のバッグから財布(現金16万5千円等在中)を抜き取った窃盗犯人が逮捕されました。
報道によると犯人を逮捕したのは、大阪府警の捜査三課の中でもスリ事件の捜査を専門にしている通常「猛者(もさ)」という呼ばれる捜査員のようです。

スリとは

スリとは、被害者に気付かれないようにポケットやカバンの中から財布を抜き取る窃盗事件の一つで、満員電車内やデパート等の人が密集する場所で犯行に及ぶことが多いです。
適用されるのは法律は窃盗罪ですので、スリ事件を起こして有罪となれば窃盗罪の法定刑の適用を受け「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。

大阪府警捜査三課

大阪府警に限らず警察には、特定の事件を専門に扱う部署(所属)が存在します。
そこで大阪府警本部に設置されている刑事事件を専門扱う部署(所属)について解説します。
主に刑法犯事件を扱っているのは刑事部となります。
そして刑事部の中には

捜査第一課・・・殺人や強盗事件等の凶悪事件や強制性交等罪等の性犯罪捜査を専門に扱っている部署(所属)。

捜査第二課・・・詐欺事件や、贈収賄事件、選挙違反等の政治犯事件を専門に扱っている部署(所属)。

捜査第三課・・・窃盗事件を扱っている部署(所属)

捜査第四課・・・犯罪の種類にとらわれず暴力団組員や反社会勢力による刑事事件を扱っている部署(所属)

特殊詐欺捜査課・・・全国の都道府県警察に先駆けて、今春、大阪府警に新設された部署(所属)で、特殊詐欺事件事件の捜査を専門に扱っている部署(所属)

などの課が存在し、これらの課の中でまた細かく係が分けられているようで、上記した部署(所属)以外にも、違法薬物の捜査を専門にする薬物対策課などがあるようです。

所轄警察署の刑事課について

所轄の警察署の刑事課は、係によって取り扱う事件が分けられています。
その種類は以下のとおりですが、警察署の規模等によって多少異なるようではあります。

強行犯係・・・主に上記した捜査第一課が扱う事件を担当する係

知能犯係・・・主に上記した捜査第二課が扱う事件を担当する係

盗犯係・・・主に上記した捜査第三課が扱う事件を担当する係

暴力犯係・・・主に上記した捜査第四課が扱う事件を担当する係

引継捜査係・・・罪名にとらわれず不拘束事件の捜査を専門にする係

このコラムをご覧の方で、大阪府内の刑事事件でお困りの方、ご家族・ご友人が大阪府警に逮捕されてしまった方は、大阪府内の刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にご相談ください。
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【解決事例】強盗致傷罪で実刑判決 控訴審で国選から私選に切り替え

2022-06-22

【解決事例】強盗致傷罪で実刑判決が言い渡され、控訴審で国選から私選に切り替えた事件の解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件の概要

Aさんは、大阪市中央区のバーでアルバイトをしていましたが、Aさんがアルバイトしているバーはいわゆる「ぼったくりバー」でした。
そんなある日、バーの客からぼったくろうと、他の店員が客に対して殴る蹴るの暴行を加えて現金を強取したとして、Aさんは、バーの関係者等4名と共に強盗致傷罪で逮捕され、その後起訴されてしまったのです。
事件当時Aさんは、バーにおいて被害者の接客はしたものの、暴行行為等に加わっておらず、逮捕当初から共犯であることを否認していました。
しかしAさんの主張は認められず、Aさんは、一審において実刑判決が言い渡されました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

強盗致傷罪

強盗の際に人を傷付けると強盗致傷罪となります。
強盗致傷罪は、強盗致死罪と共に刑法第240条に規定されており、その法定刑は「無期又は6年以上の懲役」と非常に厳しいものです。
また起訴されると、裁判員裁判によって裁かれることになります。
裁判員裁判は、通常の刑事裁判と異なり審議には裁判員(一般人)が参加するので、裁判では専門的な言い回しを避け、法律的知識のない方でも理解しやすい表現を用いるなどの工夫と技術が必要となります。

刑事裁判と控訴審

日本の刑事裁判は、公平な裁判を実現するために三審制が採用されています。
三審制とは、判決に納得ができない場合は、同じ起訴事実について3回まで裁判を受けることができる制度で、流れ的には「①第一審」控訴「②第二審(控訴審)」上告「③第三審(上告審)」となります。
①第一審は、各都道府県にある地方裁判所や簡易裁判所で行われますが、②第二審(控訴審)は、全国8カ所にある高等裁判所で審議され、③第三審(上告審)については東京の最高裁判所でした審議できません。

控訴審の流れ

控訴審の流れは概ね以下のとおりです。

1.控訴の申し立て(一審判決の言い渡しを受けた翌日から14日以内)
    
2.控訴趣意書の提出

3.控訴を認めるかどうかの判断

4.控訴審・判決の言い渡し

控訴審で国選から私選に切り替える

刑事弁護人は国選と私選を選択することができます。
国選弁護人を希望される場合は、勾留決定後若しくは起訴後でないと付けることができませんが、私選弁護人については選任するタイミングに制限はなく、国選から私選、私選から国選に手続きの途中で切り替えることも可能ですので、一審で判決が言い渡された後に、控訴審に向けて弁護士の切り替えを検討するのも、刑事処分の減軽を狙う上では一つの手ではないでしょうか。

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大阪市中央区に乳児の遺体放置 大阪府警が捜査

2022-06-18

大阪市中央区の駐車場に乳児の遺体放置されていた事件を大阪府警が捜査している件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件の概要(6月16日配信の産経ニュースの記事を参考にしています)
 
新聞等の報道によりますと、6月15日の深夜に大阪市中央区の駐車場で、放置された紙袋の中からポリ袋に包まれた乳児の遺体が発見されました。
司法解剖の結果、遺体は女児で死亡時期は4月頃と推定されていますが、死因は明らかでなく、大阪府警は何者かが乳児の遺体を捨てたとみて死体遺棄容疑で捜査しています。

何罪の成立可能性があるか

本件では、遺棄された乳児にへその尾がついた状態で発見されています。
そのため、乳児が生まれた時既に死亡しており、その遺体を遺棄したか、生まれた時は生きていてが、遺棄された後に死亡してしまったかによって成立する犯罪が変わってきます。

まず、乳児が既に死亡していて、その遺体を遺棄した場合には、死体遺棄罪(刑法190条)が成立する可能性があります。
一方、まだ生存していた乳児遺棄し死亡させた場合には、遺棄者が「保護責任者」に当たれば保護責任者遺棄致死罪(刑法218条、219条)が、それ以外の者であれば遺棄致死罪が成立する可能性があります。
また、殺意をもって生存していた乳児を遺棄した場合には、殺人罪(刑法199条)が成立する可能性もあります。

死体遺棄罪について

死体遺棄罪は、刑法190条で「死体、遺骨、遺髪、又は棺に納めてある者を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。」と定められています。

本事件において、乳児が生まれた時既に死亡していて、それを遺棄したと仮定した場合、乳児の「死体」を駐車場に「遺棄」したことになるため死体遺棄罪の成立可能性があります。

遺棄等致死罪、殺人罪について


遺棄等致死罪は、刑法219条で「前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、死傷の罪と比較して、重い刑により処断する。」と定められています。
ここでいう前二条として、遺棄罪と保護責任者遺棄罪が定められていますが、両者の区別は遺棄者が要保護者に対して保護する責任のある者に当たるか否かによって区別されます。

本事件においては、乳児が遺棄当時には、まだ生存しており、遺棄行為により死亡したと仮定した場合、乳児は「幼年者」に当たり、遺棄した者が保護責任者(例えば、子に対する親)に当たれば、保護責任者遺棄致死罪が成立する可能性があります。

一方、遺棄者が保護責任者に当たらないとしても、駐車場まで乳児を移動させ放置した場合には、遺棄致死罪の成立も考えられます。
また、保護責任者が殺意をもって乳児を紙袋に入れて駐車場に遺棄したとすれば、殺人罪が成立する可能性もあります。

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【解決事例】工事現場への侵入窃盗事件 起訴されるも執行猶予を獲得

2022-06-16

【解決事例】工事現場への侵入窃盗事件で起訴されるも執行猶予を獲得した事件の解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件の概要

無職のAさん(70歳代・前科前歴なし)は、大阪市都島区内の工事現場に不法侵入しているところ、パトロール中の大阪府都島警察署の警察官に見つかり、建造物侵入罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんは、建造物侵入罪の勾留満期と共に起訴された後に、同じ工事現場から金属製のケーブルを盗んだとして、建造物侵入罪窃盗罪で再逮捕、勾留されました。
そして再逮捕された事件でも起訴されたAさんは、保釈によって釈放され、その後の刑事事件で執行猶予を獲得することができました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

侵入窃盗事件

窃盗事件の中でも侵入窃盗事件は重くみられており、Aさんのように初犯であっても起訴される可能性が高いです。
今回の事件は被害額が3000円と少額でしたが、同じ工事現場に2度も不法侵入して犯行に及んでいる点が常習的であり悪質性が高いと判断されたようです。

建造物侵入罪とは、他人の管理する建造物内に正当な理由なく不法侵入する犯罪で、その法定刑は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
また窃盗罪は、他人の物を窃取する犯罪で、その法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
Aさんは、この二つの罪を犯したことになりますが、建造物侵入罪窃盗罪は「手段と目的の関係」にあり、牽連犯となります。
牽連犯は、刑を科する上で一罪として扱われ、その数個の罪のうち、最も重い罪の法定刑によって処断されます。

保釈

保釈とは、裁判所からの許可を受けたうえで、保釈保証金を裁判所に納めることで、釈放される制度です。
ただ、保釈は請求したからといって必ず保釈許可決定が出るとは限りません。
そのため、弁護士は法律で定める保釈の要件を満たしていることをしっかりとアピールしていく必要があります。
保釈の要件は法律に規定されていますが、実際の事例について裁判所が保釈の許可の判断をしていくうえで重要視する部分は事件や被告人によってさまざまです。
そのため、弁護士はそれを見極めたうえで保釈の請求をしていく必要があります。

執行猶予

刑の執行猶予は、有罪判決に基づいて宣告された刑について、情状によってその執行を一定期間猶予し、その言渡しを取消されることなく猶予期間が満了した場合には、刑罰権を消滅させる制度です。

執行猶予については こちら で詳しく解説していますのでご確認ください。

刑事事件に強い法律事務所

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大阪府内の侵入窃盗事件でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の無料法律相談をご利用ください。
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インターネット上の誹謗中傷対策で『侮辱罪』が厳罰化

2022-06-15

一昨日(13日)の参議院本会議で可決、成立した、『侮辱罪』の厳罰化について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

刑法第231条(侮辱罪)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

現在の刑法では、侮辱罪について上記のように規定しています。

侮辱罪

まず侮辱罪について解説しますと、侮辱罪を分かりやすく表現すると、不特定又は多数の者が認識できる状態で、事実を摘示せずに人を侮辱することです。
ここでいう「事実を摘示」とは、人の社会的評価を低下させるに足りる事実を示すことです。
注意しなければいけないのは、ここでいう事実の内容は、真偽であることまで問われないので、例えそれが虚偽の事実であっても侮辱罪が成立することです。
ちなみに事実を摘示していた場合は「名誉棄損罪」となります。

侮辱罪の法定刑

現在
拘留又は科料(公訴時効 1年)

改定後
1年以下の懲役若しくは禁錮又は30万円以下の罰金(公訴時効 3年)

上記のように、今回の法改正で法定刑が厳罰化されます。
拘留とは、30日未満の期間、刑事施設に身柄を拘束される自由刑の一つで、科料とは、1万円未満を納付する財産刑の一つですが、これを見ると現在の侮辱罪は、非常に軽い罰則が、規定されていることが分かります。

厳罰化される背景には

今回の刑法改定で侮辱罪が厳罰化される背景には、深刻化するインターネット上での誹謗中傷に歯止めをかけるのが狙いです。
そしてそのきっかけとなった事件が、ネットで中傷された当時22歳の女子プロレスラーが命を絶った問題がきっかけとなっています。
インターネットへの投稿は、匿名性が高いために、その内容が過激になる傾向がある上に、行為者自身の罪の意識が軽薄であるのが特徴的です。
「これぐらいなら大丈夫だろう。」「他の人もしているから大丈夫だろう。」といった軽い感じでしたインターネット上の書き込みが刑事事件に発展する可能性があるので、インターネットへの投稿は、その内容に十分に注意しなければなりません。
特に今回の法改正で警察の取締りが強化される可能性が高く、厳罰化されたことで、これまで逮捕されなかったような侮辱事件で逮捕される可能性も出てきます。

刑事事件に関するご相談は

大阪府内の刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、侮辱罪でお困りの方からのご相談を年中無休、24時間体制で受け付けております。
無料法律相談のご予約は

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被害女子高生が痴漢を追跡 府立高校講師が逮捕

2022-06-08

被害にあった女子高生が追跡して、府立高校講師が逮捕された痴漢事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件の概要(6月3日配信の毎日新聞ニュースを参考にしています。)

大阪府黒山警察署は、大阪市内の駅にあるエスカレーターにおいて二人の女子高生に対して痴漢した容疑で、府立高校講師を逮捕したと発表しました。
この事件、逮捕されたのが府立高校の講師であるというのとは別に、被害にあった女子高生が、被害にあった翌日に、被害にあった駅で犯人を見かけて追跡したことが逮捕につながったとして話題になっています。
ちなみに逮捕された府立高校の講師は、警察の取調べに対して「手が当たった可能性はあるが、下半身を触ろうと思って触ったわけではない」と容疑を否認しているようです。

痴漢事件

このコラムで何度も紹介していますが、大阪府内の痴漢事件大阪府の迷惑防止条例違反(正確には「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」)となります。
大阪府の迷惑防止条例は、痴漢行為の他、盗撮や客引き、粗暴な言動や付きまとい行為等、人々の迷惑となるような行為を規制している大阪府の条例です。
この条例で「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れてはならない。(条例を要約)」と痴漢行為を規制しており、痴漢行為に対しては、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金の罰則が規定されています。

被害者が追跡して逮捕に

痴漢事件においては被害にあった直後に、被害者が犯人を捕まえたり、逃げた犯人を追いかけて捕まえるということはよくあることですが、今回の事件で特殊なのは、被害にあった翌日に被害者の女子高生が犯人を追跡していることです。
現行犯逮捕は、警察官等の司法警察員でなくても犯人を逮捕することができるので、被害にあった直後であれば、被害者が犯人を追跡してそのまま逮捕することが可能ですが、被害にあった翌日となれば現行性が失われているでしょうから、現行犯逮捕することはできません。
ということは、今回逮捕された府立高校の講師は通常逮捕、つまり裁判官の発した逮捕状をもとに逮捕されたと思われます。
警察官が裁判官に逮捕状を請求する場合、被害届や被害者の供述調書だけでなく、そういった犯罪被害を裏付ける客観的な証拠が疎明されているのが通常ですので、今回の事件についても、防犯カメラの映像等、何かしらの証拠がある可能性が高いでしょう。

痴漢事件で逮捕されると

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、これまで数多くの痴漢事件を扱ってきた実績がございます。
逮捕というのは捜査過程の手続きに過ぎず、今後の捜査、取調べによって処分が決定します。
警察に逮捕されてから、どういった弁護活動を行うかによって、今後どういった刑事処分が科せられるかが変わってきますので、痴漢事件で逮捕されてしまった場合は一刻も早く、弁護士を選任することをお勧めします。

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マッチングアプリで誘い出した男性に美人局 男女3人が逮捕

2022-06-04

マッチングアプリで誘い出した男性に対して美人局した容疑で、大阪府東淀川警察署が男女3人を逮捕した事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件概要(6月1日配信の産経新聞ニュースを参考にしています。)

インターネットのニュース報道によりますと、大阪府東淀川警察署は1日、マッチングアプリで誘い出した男性に美人局したとして、強盗の容疑で男女3人しました。
逮捕容疑は、今年の2月10日、当時大阪市東淀川区にあった女性容疑者の自宅に、マッチングアプリで知り合った被害者男性を誘い出し、そこで暴行を加えた上に、包丁を突きつけ「殺すぞ。慰謝料払え。」等と脅して21万6千円を強取したというものです。
阪府東淀川警察署の発表によると、逮捕された男女のうち一人は「私は脅したりしていない」と容疑を否認しているようです。

美人局は強盗罪?

美人局(つつもたせ)とは、男女が共謀して、男性被害者を誘い出して、それをネタにして男性から金銭などをゆすり取る犯罪手口のことですが、美人局(つつもたせ)という罪名はなく、被害者に対してどういった行為に及ぶかによって適用される罪名が異なります。

今回の事件のように、被害者に暴行した上に、包丁を突き付けて脅していると、被害者の犯行を抑圧するに十分な暴行や脅迫を加えているので、強盗罪が成立するでしょう。
仮に、暴行した際に被害者が怪我をしていると強盗致傷罪が適用されることになります。
強盗罪の法定刑が「5年以上の有期懲役」であるのに対して、強盗致傷罪の法定刑は「無期又は6年以上の懲役」と非常に厳しいもので、起訴されて刑事裁判が開かれると、強盗致傷罪は裁判員裁判となり、何らかの減軽事由がなければ、法律的に執行猶予を獲得することもができません。

今回の事件ほどの強い暴行や脅迫に至らず、被害者が畏怖した場合は「恐喝罪」となります。
恐喝罪は、人から金銭を脅し取る犯罪で、その手段として暴行や脅迫を用いることは強盗罪と同じですが、暴行や脅迫の程度は、強盗罪ほど強いものである必要はなく、相手が畏怖する程度のもので足りるとされています。
また、誘い出した男性を騙してから、金銭を要求した場合は詐欺罪が適用されます。
ちなみに恐喝罪や詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。

共犯

逮捕されたうちの一人は「私は脅したりしていない」と容疑を否認しているようですが、例え被害者に対する違法行為に参加していなかったとしても、事前の共謀に参加していたりすれば、共犯として扱われる可能性が高く、他の被疑者と同じ罪名が適用されることがよくあります。
ただ、どの程度までの共謀があるか、どこまで事件のことを把握しているか等で共犯として認められるかどうかが左右されるので、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

美人局で逮捕された方に弁護士を派遣

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人数を偽ってホテルに宿泊した男が詐欺罪で逮捕

2022-05-27

人数を偽ってホテルに宿泊した男が詐欺罪で大阪府警に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件の概要(5月20日に配信された毎日新聞NEWSから抜粋)

今月20日、大阪府南警察署は、人数を偽ってホテルに宿泊したとして、詐欺罪の容疑で23歳の男を逮捕しました。
警察の発表によりますと、逮捕された男は、4月25日の夜、大阪市中央区のビジネスホテルに、2人分の宿泊料金しか支払っていないのに、5人で宿泊したとされる逮捕容疑で逮捕され、その事実を認めているようです。

この程度の詐欺事件で、なぜ警察が容疑者の男を逮捕にまで踏み切ったのか、またどうしてここまで大々的に報道されているのかについて疑問を持っている方も多いかと思います。
どうやら大阪府警は、大阪ミナミの観光スポットとして有名なグリコの看板下に、居場所がない不特定多数の若者らがたむろしていることに対して、こういった若者が犯罪に巻き込まれるおそれがあると警戒を強めているようで、こういった警戒活動の中で今回の事件が発覚し、逮捕に踏み切ったと思われます。

人数を偽ってホテルに宿泊すると

人数を偽ってホテルに宿泊すると、報道にあるように「詐欺罪」に当たるでしょう。
詐欺罪は刑法第246条に規定されている法律で

①人から金品を騙し取る(1項詐欺)
②人を騙して利益を得る(2項詐欺)

の2種類がありますが、今回の事件では、ホテルの従業員を騙して5人が宿泊する利益を得たと解すれば2項詐欺が適用されたのではないでしょうか。

詐欺罪の量刑

詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
起訴されて有罪が確定すればこの法定刑内の刑事罰が科せられることになりますが、実際にどういった刑事罰が科せられるのかは被害金品に左右されます。
詐欺事件の刑事裁判では、被害者への賠償等がなされていない場合、一般的に被害金品が100万円を超えた時に実刑判決になる可能性が高いようです。
そのことを考えると、今回の事件で逮捕された男が起訴されて有罪となったとしても、執行猶予付きの判決となるでしょう。

詐欺事件に強い弁護士

詐欺事件は非常に複雑で、その弁護活動には豊富な経験と知識を要します。
このコラムをご覧の方で詐欺事件にお困りの方がいらっしゃいましたら、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の無料法律相談をご利用ください。
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特殊詐欺事件で逮捕された少年 少年院送致を回避するには~後編~

2022-05-26

本日は、特殊詐欺事件で逮捕された少年の少年院送致を回避する弁護活動についての後編を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

特殊詐欺事件で少年院送致を回避するために

特殊詐欺については重い処分が科される可能性があります。
成人の刑事事件では、事件内容にもよりますが、初犯であっても実刑判決が言い渡されることもあります。
少年の場合でも、いきなり少年院送致となる可能性はあります。

少年院送致は、再非行のおそれが強く、社会内での更生が困難な場合に、少年を少年院に収容して矯正教育を受けさせる処分です。
少年院は、保護処分の執行を受ける者及び少年院において懲役又は禁錮の刑の執行を受ける者を収容し、これらの者に対して矯正教育その他の必要な処遇を行う施設です。
家庭裁判所は、少年院送致を決定する場合、少年の年齢や心身の発達の程度に応じて、送致すべき少年院の種類を指定します。

少年院送致を回避するためには、裁判官に少年の社会内での更生が期待できると認めてもらう必要があります。
少年審判では、非行事実の他に、要保護性についても審理されます。
要保護性というのは、一般的に、少年が将来再非行に至る危険性があり、保護処分により再非行が防止できることです。
具体的には、次の3つの要素から構成されます。

①犯罪的危険性:少年が、その性格、環境等から、将来、非行を繰り返す可能性があること。
②矯正可能性:保護処分によって、少年の犯罪的危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性:少年の処遇にとって、保護処分が有効かつ適切な手段であること。

この要保護性は、どのような保護処分をするかを決める上でも重要な要素となります。
そのため、付添人である弁護士は、要保護性の解消に向けた活動を行います。
この要保護性を解消するための活動を「環境調整」と呼びます。

特殊詐欺事件における環境調整

1.被害者対応

特殊詐欺事件では、財産的損害を被った被害者がいます。
そのため、被害者への被害弁償を行う必要があります。
成人の刑事事件では、被害者との示談成立が直接処分に影響しますが、少年の場合には、示談が成立したことをもって最終的な処分が軽くなるというわけではありません。
しかしながら、被害者への対応を行う中で、少年が自身が行った行為の重さを理解し、事件と向き合い、少年の内省を促すことに繋がります。
その意味で、被害者対応を行うことが要保護性の解消に影響するため、重要な活動のひとつを言えます。

2.家庭環境・交友関係の改善

少年の更生には、少年の家族の協力が必要不可欠です。
少年が非行を犯した原因が家庭環境にあることも少なくありません。
弁護士は、少年や家族としっかりと話し合い、少年の更生に適した環境を整えるべく尽力します。
また、交友関係が非行の原因である場合には、少年の交友関係の改善を目指します。
少年に対して一方的に交友関係を断つよう求めるのではなく、非行の原因が何であったかを考え理解させ、交友関係を改める必要性について納得させることが重要です。

少年が社会に戻ったとしても、更生できる環境が整っていると判断されれば、少年院送致ではなく保護観察による社会内処遇が言い渡される可能性が高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
お子様が特殊詐欺事件に加担し逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談だくさい。
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また今年の4月から少年法の一部が改正されています。
その内容については こちらをクリック 解説しています。

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