Archive for the ‘財産犯罪’ Category

上司に借りた車を乗り捨て 横領罪で逮捕

2024-04-18

勤めていた会社の上司から車を借りたまま退職し、そのまま車を乗り捨てたとして横領罪で逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件(『上司から軽乗用車を借り3か月使用した後無断欠勤で行方不明…2年近く乗り回した挙句に車を放置、大阪市の31歳男を横領の疑いで逮捕』から引用)

当時勤めていた会社の上司から借りた軽乗用車を返さず、退職後も2年近く乗り回したた挙句に、車を乗り捨てていた男が横領罪で警察に逮捕されました。
逮捕された男は、当時勤めていた会社の上司から車を借り、その後、職場を無断欠勤し、軽乗用車とともに行方不明になっていたようです。
逮捕された男は、横領した車を2年近く乗り回した後に、乗り捨てていたようです。

横領罪とは?

横領罪とは、自分が占有する他人の物をそのまま自分の物にしてしまうことによって成立する犯罪で、人の物を盗む窃盗罪とは異なります。

刑法第252条1項

自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
(刑法から抜粋)

横領罪を解説する上でよく耳にするのが「委託信任関係」という言葉です。
委託信任関係とは、物の持ち主などの信頼を得て、その物の保管や管理を任されたり、法律に基づいて物の保管や管理をすることで、この委託信任関係がない場合は、そもそも人の物を占有している時点で何らかの犯罪に抵触している可能性が高いでしょう。
今回の事件を例にすると、上司から車を借りた時点で委託信任関係が発生していることになります。

横領罪の罰則は

横領罪で有罪が確定すると「5年以下の懲役」が科せられます。
罰金刑の規定がないので、略式の手続きがなされることはなく、起訴=公判請求(刑事裁判)となりますが、裁判で有罪が確定したとしても執行猶予を得ることができれば刑務所に服役しなくてもすみます。

まずは示談

横領罪は、数ある刑事事件の中で「財産犯罪」に分類されます。
財産犯罪の事件は、被害者に謝罪し被害品を弁償することで刑事罰が軽減される可能性が高くなりなす。
起訴前に弁償ができていれば不起訴の可能性も出てきますし、起訴後であっても判決が言い渡されるまでに弁償できれば執行猶予の可能性が高くなります。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では横領事件に関する無料法律相談や、横領罪で警察に逮捕されてしまった方への弁護士派遣を年中無休で対応している、刑事事件専門の法律事務所です。
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箕面警察署に家族が逮捕 釈放はいつ?

2024-02-12

箕面警察署に逮捕された家族の釈放される時期について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

昨日、箕面市に住むA子さんの旦那さんが窃盗罪で逮捕されました。
A子さんは、箕面警察署の事件を担当している捜査員に事件の詳細を聞きましたが、旦那さんが起こした事件の詳細を教えてもらうことができませんでした。
A子さんは、旦那さんがいつ釈放されるのか不安でなりません。(フィクションです。)

ご家族やお知り合いが警察に逮捕されてしまうと、まず最初に気になるのが、逮捕された人がいつ釈放されるのかでしょう。
そこで本日のコラムでは、窃盗罪で逮捕された方がいつ釈放されるのかについて解説します。

逮捕された日に釈放されることも…

窃盗罪の場合、被害額が少額で、証拠隠滅や逃走のおそれがない場合、犯行を認めていれば逮捕されたその日のうちに釈放されることもります。
万引きで現行犯逮捕された方などは、余罪がなければ、逮捕されたその日のうちに釈放されることがよくあるようです。

検察庁に送致後に釈放されるケース

警察に逮捕されると、逮捕から48時間以内に検察庁に送致されます。
送致とは、犯罪捜査の舞台が警察から検察庁に移動することですが、実際は検察官の指揮によって、警察が犯罪捜査を行います。
そこで送致を受けた検察官が、これ以上身体拘束をして捜査をする必要がないと判断した場合は送致後に検察官の指揮で釈放されます。
また、検察官が身体拘束の必要があると判断した場合でも、検察官の意思よって身体拘束を続けることはできず、それ以上の身体拘束には裁判官の許可が必要になります。
それが勾留ですが、裁判官が勾留を認めなければ、その時点で釈放されることになります。

勾留期間中に釈放されるケース

裁判官が勾留を認めると、勾留決定後10日~20日は身体拘束が続くことになりますが、この満期を待たずに、勾留期間中に釈放が決まることもあります。
窃盗罪等被害者が存在する事件で勾留が決定している場合だと、勾留期間中に被害者との示談が成立し、被害者から被害届が取り下げられた時などは、勾留期間中に釈放されることがよくあります。

勾留満期後に釈放されるケース

不起訴や略式命令となれば、勾留満期と共に釈放されることになりますが、起訴(公判請求)されると、その後、保釈が認められるか、裁判で判決が言い渡されるまで釈放されることはありません。
保釈の請求は起訴された直後から可能なので、起訴(公判請求)が見込まれる場合は、勾留期間中から保釈請求の準備をしておくことが、早く釈放されるためには必至となります。

早期釈放を求める方は

弁護士が積極的に活動することによって釈放が早まる可能性があります。
逮捕された方の早期釈放を求めるのであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は提供する 初回接見サービス をご利用ください。

レンタカーを乗り逃げ 事故を起こして横領罪で逮捕

2023-12-02

レンタカーを契約期限過ぎても返却せずに使用を続けたとして横領罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容

大阪府茨木市に住む無職のAさんは、約2カ月前に市内のレンタカー会社で3日間の契約で車を借りましたが、契約期間を経過してもAさんは、レンタカーを返却せず使用し続け、レンタカー会社への連絡もしませんでした。
そんな中、そのレンタカーを運転中に交通事故を起こしたAさんは、事故処理のために臨場した大阪府茨木警察署の警察官からレンタカー会社から被害届が出されていることを告げられて、Aさんは横領罪で逮捕されてしまいました。(事件は実話を基にしたフィクション。)

横領罪

横領罪とは、自己の占有する他人の物を横領することによって成立する犯罪です。

横領罪が成立するには「本人排除の意思」が必要となります。
本人排除の意思とは、その物の持ち主の意思と関係なく、勝手にその物を処分する意志のことで、窃盗罪等の財産犯が成立するのに必要とされる「不法領得の意思」と同じようなものです。
不法領得の意思とは「権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、利用処分する意思」です。

横領罪に未遂はない

横領罪に未遂の規定はありません。
未遂とは、犯罪に着手しながらも成しえなかった場合をいいますが、横領罪の場合、既に自分の手元にある財物について、上記した本人排除の意思が生じると同時に既遂に達するとされているからです。
仮に、「このまま返却せずに乗り逃げしてやろう。」という意志のもとでレンタカーの契約をしていた場合は、詐欺罪が成立するでしょう。
ただ、その意思は犯人のみぞ知り得る場合がほとんどなので、今回のようなレンタカーの乗り逃げについては、横領罪が適用されるでしょう。

横領事件で逮捕されたら

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、ご家族が警察に逮捕された方から 初回接見 を承っております。
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準詐欺で逮捕 「準詐欺」ってどんな犯罪?

2023-10-24

大阪府警は、聴覚障害のある高齢女性からエアコン洗浄代名目などで現金を詐取したとして、準詐欺の容疑で男5人を逮捕したと発表しました。
振り込め詐欺等の特殊詐欺事件で「詐欺罪」という犯罪はよく耳にしますが、今回適用されたのは「準詐欺罪」という、あまり聞きなれない犯罪です。
そこで本日のコラムでは、「準詐欺」ってどんな犯罪なのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件(10月24日配信の共同通信社記事を引用

今回逮捕された男等は、既に認知症の女性から現金を騙し取ったとして、準詐欺容疑で、逮捕起訴されているようです。
そして今回、再逮捕されたのは、聴覚障害のある高齢女性からエアコン洗浄代名目などで現金を詐取したという、準詐欺の容疑です。
逮捕された男等は、昨年11月中旬~今年5月上旬ごろ、大阪市の60代女性宅を計21回訪問し、筆談で契約を持ちかけて現金をだまし取った疑いがもたれており、詐取した金額は約295万円にも及ぶようです。

詐欺罪

準詐欺罪を解説する前に詐欺罪を解説します。
詐欺罪は、刑法第246条に規定されている犯罪で、簡単にいうと、人から金品を騙し取ることによって成立する犯罪です。
振込め詐欺等の特殊詐欺事件が代表的ですが、無銭飲食でも詐欺罪が適用されることがあります。
詐欺罪が成立するには、少なくとも
①人を騙す行為(欺罔行為)
②欺罔行為によって人が騙される(錯誤)
③錯誤に基づく金品の交付行為

が必要とされ、これらが一つでも欠けると詐欺罪は成立しません。
ちなみ詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。

準詐欺罪

それでは「準詐欺罪」について解説します。
準詐欺罪は刑法第248条に規定されている犯罪で、未成年者の知慮浅薄または人の心神耗弱に乗じて、その財産を交付させることによって成立します。
上記したように、詐欺罪は、人から金品を騙し取ることによって成立しますが、準詐欺罪は、知識不十分な人から、欺罔行為に至らない単なる誘惑的行為によって、お金などの財物を交付させることによって成立する犯罪で、その対象となるのは条文で明記されているとおり、未成年者の知慮浅薄または人の心神耗弱のいずれかです。
今回の事件で被害者となったのは、聴覚障害のある高齢女性ということなので、心身耗弱に該当すると判断されたのでしょう。
ちなみ「準」と付いていますが、詐欺罪と同じく法定刑は「10年以下の懲役」で、未遂であっても処罰の対象となります。
むしろ社会的弱者から金品を詐取すると言った点で、詐欺罪に比べると悪質性が高いとみられる場合もあるので注意が必要です。

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、刑事事件を専門にしている法律事務所です。
大阪府内の刑事事件でお困りの方や、ご家族、ご友人が警察に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が提供する 無料法律相談  初回接見サービス をご利用ください。

男女8人が美人局で逮捕 詐欺罪が適用

2023-10-18

大阪府警が、美人局の容疑(詐欺罪が適用)で男女8人を逮捕した事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

美人局とは

男女がグルになり、女性に言い寄ってきたり、女性とわいせつ行為をした被害者男性に対して、女性の仲間である男が金品を脅し取ったり、騙し取ったりする犯罪行為を、一般的に「美人局(つつもたせ)」といいます。
先日、この美人局の容疑で男女8人が大阪府警に逮捕されたニュースが報じられました。

事件概要(10月17日配信の産経新聞記事を引用

昨年12月、逮捕された女は、バーで知り合った被害男性とホテルに行き、その後体調不良を訴えたようです。そして、別のグルの男性被疑者が、被害男性に対して「睡眠薬を知人女性に飲ませてホテルで乱暴したやろ」などと言いがかりをつけ、男性から示談金名目で約420万円や乗用車1台(時価300万円相当)を騙し取ったようです。

美人局で逮捕されると

今回の事件で適用されたのは「詐欺罪」です。
詐欺罪は、その法定刑は「10年以下の懲役」と厳しいもので、警察の捜査を受けると逮捕される可能性の高い犯罪の一つです。
特に今回の事件は、同じ事件で8人が逮捕されているので、逮捕後も勾留によって身体拘束が続く可能性が高く、その際に接見禁止となるでしょう。

勾留

ここでいう「勾留」とは、逮捕された被疑者を、逮捕後48時間を経過しても引き続き拘束を続ける刑事手続きをいいます。
「勾留」の決定は裁判官がするもので、法律的には逃亡や罪証隠滅のおそれがある場合に決定されます。
今回のように、複数の被疑者が事件に関わっている場合は「罪証隠滅のおそれがある。」と判断されて勾留が決定される可能性が非常に高いでしょう。

接見禁止

勾留の決定と共に、裁判官が「接見禁止」を決定することがあります。
接見禁止とは、弁護士や除外された人以外との面会が禁止される手続きで、この決定されると、家族や知り合いが警察署に面会に来ても、面会できません。
また生活用品以外の物品の授受(差入れや宅下げ)が制限され、家族や知人との手紙のやり取りができなくなる場合もあります。

美人局の弁護活動

もし今回の事件で起訴されて刑事裁判で有罪と認定された場合は、被害者に対する謝罪や賠償がなければ実刑判決が言い渡される可能性があるので、それまでにしっかりとした弁護活動を行う必要があります。
起訴されるまでの段階で、被害者との示談を締結することができれば、不起訴の可能性もあるでしょうから、美人局で逮捕された場合は、一刻も早く弁護活動を開始する必要があります。

大阪の刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、大阪府内の刑事弁護活動を専門にしている法律事務所です。
何か大阪府内の刑事事件でお困りの方、警察に逮捕された方の弁護活動を希望する方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。

大阪府泉南警察署管内で連続コンビニ強盗か!?銃刀法違反で逮捕

2023-07-21

大阪府泉南警察署管内で連続コンビニ強盗か!?コンビニで包丁を所持していた男を、銃刀法違反逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容(7月20日配信の讀賣新聞オンラインを引用

コンビニエンスストアに刃物を持った男が押し入り、計約16万円が奪われるコンビニ強盗事件が、大阪府岬町で相次いで発生しました。
最初のコンビニ強盗事件が発生したのは、岬町淡輪の「ローソンみさき公園前店」で、客を装った男が、男性店長に刃物を突きつけ、約6万円などを奪って逃走したようです。
そしてその約15分後、このコンビニから約1、2キロ南西の別のコンビニで、先ほどと同様の手口で約10万円が奪われましたが、いずれもけが人はいませんでした。
2件目のコンビニ強盗事件が発生した、約30分後、今度は阪南市内のコンビニにおいて、で、かばんから刃渡り16・5センチの包丁を取り出した男が、警戒中の大阪府泉南警察署の警察官によって、銃刀法違反の容疑で現行犯逮捕されたのです。
警察は、銃刀法違反現行犯逮捕された男が、先に起こったコンビニ強盗に関与しているとして捜査を進めているようです。

銃刀法違反

銃刀法銃砲刀剣類所持等取締法)では、仕事や日常生活を送る中で必要とされる、包丁やナイフ、ハサミであっても、規制されている刃体の長さが6センチより長い刃物を、正当な理由なく外に持ち出して携帯することを禁止しています。
今回の事件で逮捕された男が持っていた包丁の刃渡りは16・5センチのようなので、銃刀法に抵触することは間違いないでしょう。
この場合の、銃刀法違反の罰則規定は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」となります。

コンビニ強盗

銃刀法違反で逮捕された男性には、コンビニ強盗の容疑もかけられています。
今回の2件のコンビニ強盗ではけが人はいないようなので、刑法第236条の強盗罪が適用されます。
強盗罪の法定刑は「5年以上の有期懲役」ですが、今回発生した2件のコンビニ強盗事件の両方で有罪となった場合は、処断刑の上限が1.5倍されることになります。
有期懲役の上限は懲役20年なので、1.5倍されることによって、最長で30年の懲役刑が科せられる可能性が出てくるのです。
ただ実際に、2件のコンビニ強盗で起訴されて有罪が確定したとしても、懲役30年の刑が言い渡される可能性は非常に低いでしょう。
刑事事件専門の弁護士の見解としては、特段の事情がなければ、懲役6~7年ではないかと予想しています。

大阪府泉南警察署の刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、大阪府泉南警察署の刑事事件に強いと評判の刑事事件専門の法律事務所です。
大阪府泉南警察署の刑事事件に関するご相談や、大阪府泉南警察署に弁護士を派遣する初回接見サービスをご利用の方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【事件速報】来日1週間で逮捕 強制わいせつや窃盗の容疑

2023-06-21

来日1週間で、強制わいせつや窃盗等の事件を次々と起こし警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件(6月20日配信のYTV記事を引用

報道によりますと逮捕されたのは韓国籍の男性です。
この男性は、今年3月に観光目的で日本に来日し、その6日後に、60代の女性からバックを盗んだ窃盗の容疑で現行犯逮捕(すでに起訴)されていましたが、この窃盗事件の3日前には、大阪府内の路上で、女性(20代)に「すいません。駅ありますか。」と片言の日本語で話しかけた後に胸を触わり、さらに女子中学生の服の中に無理やり手を差し入れるなどと合わせて3人の女性に対してわいせつな行為をしたようで、強制わいせつ罪等で再逮捕されました。
警察によりますと、これらの事件と同時期に、逮捕された男の犯行と思われる強盗事件やわいせつ事件が他にも4件発生しているようで、これらすべてが、この韓国人男性の犯行だった場合、来日からわずか1週間で、8件の事件を起こしたことになります。
(フィクションです。)

窃盗罪

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役刑又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役刑又は50万円以下の罰金」ですので、有罪が確定すればこの法定刑内の刑事罰を受けることになります。
逮捕された韓国人男性は、現行犯逮捕された窃盗事件については「無職なのでお金が欲しくなり、女性のカバンなら盗めると思った」犯行を認めているようですが、窃盗事件は、このように犯行を認めていれば、公判請求されずに略式起訴による罰金刑となる場合もあります。しかし、今回は略式起訴ではなく公判請求されているようなので、検察側は懲役刑を求めていると思われます。

強制わいせつ罪

刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪は窃盗罪とはちがい、罰金刑の規定がありません。
そのため今後の捜査で検察が、韓国人男性の犯行に間違いないと認定して起訴した場合は、刑事裁判で有罪か無罪かが判断されると同時に、どういった刑事罰が科せられるかも決まります。
執行猶予を得ることで服役を免れることはできますが、来日直後に連続して犯行に及んでいることが事実であれば、「犯行目的で来日した」と判断されてしまう可能性もあり、その場合は、非常に悪質性が高く執行猶予を得ることが難しいかもしれません。

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所で、警察に逮捕された外国人の方の弁護活動にも対応しています。
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窃盗容疑の少女が別人のまま起訴 お粗末な刑事手続き

2023-04-14

先日、窃盗容疑の少女が別人のまま起訴され、その後、公訴が棄却されたという、非常にショッキングで、お粗末な刑事手続きが報道されました。
本日のコラムでは、この事件を検証し、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の刑事弁護人の見解を解説します。

事件内容4月12日配信の時事通信社の記事等を参考

少女は、今年2月に、大阪ミナミの飲食店において、現金5万円等が入った財布を盗んだとして緊急逮捕されたようですが、その際、少女は、実在する成人の日本人女性の顔写真入りマイナンバーカードを所持しており、警察官に対して、この日本人女性の氏名を名乗り、生年月日を答えたようです。
そのため警察は、逮捕した少女を、実在する成人の日本人女性のまま捜査を進め、検察庁に事件を送致し、検察官も少女が別人であることに気付かず、結局、別人を窃盗罪起訴しました。
この事実は、少女の弁護人が初めて気付き、捜査機関に指摘したことから発覚し、最終的には、検察官が裁判所に公訴の棄却を求め、その請求を裁判官が認めました。
それによって少女は、少年法の手続きに従って、検察庁から家庭裁判所送致されたのです。

犯人の人定確認

刑事手続きにおいて、捜査対象(被疑者・被告人)の名前や、住居等を明らかにするのは当然のことで、一つ間違えれば、全く事件と関係のない人を巻き込むことになるので慎重に行われなければいけません。
しかし今回の事件では、犯罪捜査における基本中の基本が適切に行われていなかったようです。
逮捕した犯人が別人を名乗り、かつそういったこと証明する物を何も持っていなかったのであれば、こういったミスもまだ納得できますが、今回の事件で捜査当局のお粗末さが指摘されているのは、そうではなく、逮捕時に処女が、顔写真が貼付されている身分証(マイナンバーカード)を所持している上に、この身分証には盗難届が出されていたからでしょう。
しかも、どういった身分証か明らかにされていませんが、逮捕された少女は、逮捕時に自分の身分証も所持していたと言います。
窃盗罪逮捕した犯人が、2人分の身分証を所持していたのであれば、盗難手配がされていないか照会をするでしょうから、すぐに少女が身分を偽っていたことはすぐに発覚したでしょう。

どうして発覚しなかったのか・・・?弁護士の疑問

この事件を聞いた時に「どうして起訴されるまで気付かなかったのか?」という疑問がありました。
警察に逮捕された犯人が、自分の身分を偽ることはよくあることで、当然、警察もそのことを熟知しているでしょうから、犯人の人定確認には万全を期しているはずです。
また警察は犯人を逮捕すると、取調べの中で犯人の生い立ち等を聴取した「身上調書」という供述調書を必ず作成します。
この身上調書は、事件に関する記載がほとんどないので、否認、黙秘している被疑者でも応じる場合がほとんどです。
そして警察は犯人の戸籍を取り寄せるので、身上調書の内容と、取り寄せた戸籍の内容から矛盾点を発見できなかったのかという疑問が残ります。

弁護士の見解

今回の事件は、起訴後に発覚し、裁判所が公訴を棄却したので、起訴されていた少女は本来受けるべき少年法の手続きに則って、家庭裁判所に送致されたようですが、仮に少女の弁護人が別人であることに気付かずに、そのまま裁判が進んでいき判決が確定してしまったら・・・と考えると全く関係のない人に前科が付いてしまう可能性もあったわけで非常に恐ろしいことです。

【大阪府警】窃盗罪で逮捕した男を常習特殊窃盗罪で起訴

2023-03-03

昨年10月に、大阪府警に窃盗罪で逮捕された男が、常習特殊窃盗罪で起訴された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容(3月2日配信の朝日新聞デジタルを引用)

大阪府警は、昨年10月に深夜に飲食店入り口の鍵を外して侵入したとして、建造物侵入容疑で60代の男を現行犯逮捕しました。
その後の捜査で、逮捕された男は、昨年6月から10月ころの約4か月間にわたって、大阪府や兵庫県など4府県の飲食店等24件で窃盗事件を起こしていたことが明らかとなって、最終的には、常習特殊窃盗罪などで起訴されたとのことです。

さて逮捕された男が起訴された「常習特殊窃盗罪」とは、どのような犯罪なのでしょうか。
本日のコラムでは「常習特殊窃盗罪」について解説します。

窃盗罪との違い

人の物を盗むと窃盗罪となることは皆さんご存知でしょう。
今回逮捕された男のように、閉店後の飲食店に不法侵入しての窃盗事件は、一般的に侵入窃盗事件と呼ばれていますが、侵入窃盗事件を起こす犯人は、複数の余罪があるのが特徴です。
ただ複数の窃盗事件を起こしていたとしても、刑法でいう窃盗罪で事件処理をした場合、例え複数の窃盗罪で起訴できたとしても、犯人に科せることのできる刑事罰には限度があります。
そこで、悪質な窃盗犯人を厳しく処罰するために存在する法律が、「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」という古い法律です。
この法律の第2条に常習特殊窃盗が、そして第3条に常習累犯窃盗が規定されています。
何れも『3年以上の有期懲役』が法定刑として定められており、刑法でいう窃盗罪の法定刑(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)よりも厳しい罰則が設けられています。

常習特殊窃盗罪とは

常習特殊窃盗罪とは、常習として

  • 凶器を携帯して犯行に及んだ場合
  • 現場において二人以上が共同して犯行に及んだ場合
  • 塀等を乗り越えたり、鍵を開錠して室内に侵入して犯行に及んだ場合
  • 夜間に室内に侵入して犯行に及んだ場合

の何れかに該当する方法で窃盗事件を犯していた場合に成立する犯罪です。

常習特殊窃盗罪で起訴されると…

先述したように常習特殊窃盗罪は、その法定刑が『3年以上の有期懲役』と非常に厳しい罰則が設けられています。
それ故に起訴された場合は、例え初犯であっても有罪の場合は実刑判決が言い渡される可能性が非常に高いでしょう。

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事弁護活動を専門にしている法律事務所です。
常習特殊窃盗罪のような刑事事件を起こして警察に逮捕されてしまった方に弁護士を派遣する 初回接見サービス や、刑事事件専門弁護士による 無料法律相談 に即日対応していますので、刑事事件でお困りの方は、いますぐ フリーダイヤル 0120-631-881 までお気軽にお電話ください。

未遂と予備 着手がなくても刑事罰の対象となる予備罪とは…

2023-01-23

最近、関東地区で起こった強盗殺人事件が世間を騒がせていますが、先日、大阪市内でも強盗事件が発生し、新聞等で大きく報じられました。
実は、強盗罪は、未遂だけでなく、予備行為も刑事罰の対象となることを皆さんはご存知でしょうか?
そこで、本日のコラムでは、強盗事件を例に、未遂罪と予備罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の弁護士が解説します。

強盗罪

「正体がばれないように覆面をして、他人の家に押し入り、家人を用意していたロープで縛って拘束し、室内の金庫の中から、現金を盗って逃げる。」は典型的な強盗事件です。
これで家人が怪我をすれば強盗致傷罪となり、もし亡くなれば強盗致死罪となりますが、今回は家人に怪我はなかったと想定します。
強盗罪は、起訴されて有罪が確定すれば、5年以上の有期懲役が科せられるので、基本的には執行猶予を付けることができませんが、減軽事由があれば猶予を付けることも可能です。

未遂罪

上記した強盗事件を例に、まずは強盗未遂罪について解説します。
未遂罪とは、犯罪の実行に着手したが、犯行を成しえなかった場合を意味します。(刑法第43条)
未遂は、障害未遂中止未遂に大きく分類することができ、障害未遂とは、簡単に言うと犯人自らの意思ではなく、外部的な何らかの障害によって犯行を成し遂げれなかった場合を意味し、中止未遂とは、犯行に着手したものの、自らの意思で犯行を中断し、最後まで犯行を成し遂げなかった場合を意味します。
障害未遂については、絶対的に減軽されるわけではなく、裁判官の裁量に委ねられますが、中止未遂と認められた場合は、その刑は絶対に減軽されます。
何れにしても、未遂となるには、最低限の条件として、犯罪の実行に着手していなければなりません。
つまり、未遂罪が成立するかどうかは、実行に着手しているかどうかがポイントになるのですが、参考の強盗事件であれば、少なくとも、覆面姿で被害者宅に押し入った時点で強盗の着手は認められるでしょう。
ですから、被害者宅に押し入った後に、犯行を中断したとしても、少なくとも強盗未遂罪は成立します。

予備罪

それでは、実行の着手もなかった場合はどうなるのか?
その場合は、予備罪が成立する可能性があります。
予備罪は、予備行為を罰する規定のある犯罪行為をする目的で、その準備をすることによって成立します。
予備行為を罰する規定があるのは、刑法では内乱予備罪、外患予備罪、私戦予備罪、放火予備罪、通貨偽造準備罪、殺人予備罪、身代金目的略取等予備罪、強盗予備罪の8罪に限られています。
それでは今回の強盗事件に話を戻します。
どのような行為が強盗の予備行為に該当するかについては制限がありません。
ですので、例えば、犯行に使用する覆面やロープを用意したり、被害者宅の下見をして被害者の行動パターンを調査する行為も強盗の予備行為と言えるでしょう。
ただ強盗予備罪が成立するためには、絶対に「強盗を犯す目的」が必要とされており、それは単に行為者本人が心の中で決心するだけでは足りず、客観的に認識できるような事実の存在が必要となります。

まずは弁護士に相談を

強盗未遂罪強盗予備罪でお困りの方は、大阪府内における刑事事件の弁護活動を扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にご相談ください。
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