Archive for the ‘性犯罪’ Category

【刑法改正①】「強制性交等罪」が「不同意性交罪」に変更

2023-06-17

暴行や脅迫による性行為を規制している「強制性交等罪」「強制わいせつ罪」が、『不同意強制性交等罪』『不同意わいせつ罪』に変更され、それにともなって処罰要件等が変更されることが決定しました。
本日のコラムでは、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が、この刑法改正について解説します。

改正される刑法

今回改正が決定したのは、刑法の中でいわゆる性犯罪に関する犯罪行為規制した条文です。

刑法第176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。 13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

刑法第177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛(こう)門性交又は口腔(くう)性交(以下「性交等」という。) をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

刑法第178条(準強制わいせつ罪・準強制性交等罪)
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2  女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、 姦淫した者は、前条(第177条)の例による。

強制わいせつ罪と、強制性交等罪については、その規制内容が改正され、準強制わいせつ罪や準強制性交等罪については、強制わいせつ罪強制性交等罪に組み込まれます。

変更される主な内容

①性交同意年齢

現在の強制わいせつ罪や、強制性交等罪は、被害者が13歳未満の場合は、暴行や脅迫を用いていなかったり、例え相手の同意がある場合でも処罰対象となっていましたが、この年齢が16歳にまで引き上げられます。
ただし被害者が13歳~15歳(16歳未満)の場合は、加害者との年齢差が5歳以上離れていなければ処罰対象となりません。
つまり20歳の男性が、15歳の女性と性交渉した場合は同意があったとしても、強制性交等罪となり得るが、19歳の男性が15歳の女性と性交渉した場合は、二人の間で同意があれば罪に問われないということです。

②処罰要件の変更

現在、被害者が13歳以上の強制わいせつ罪や、強制性交等罪が成立するには、暴行や脅迫を用いて犯行におよんでいなければなりませんでした。
しかし、今回の改正でその要件が大きく変更されます。
その処罰要件とは

  • 暴行や脅迫(現在の強制わいせつ罪・強制性交等罪)
  • 心身の障害(現在の準強制わいせつ罪・準強制性交等罪)
  • アルコールや薬物の摂取(現在の準強制わいせつ罪・準強制性交等罪)
  • 意識が不明瞭(現在の準強制わいせつ罪・準強制性交等罪)
  • 拒絶するいとまがない(新設)意識が不明瞭(現在の準強制わいせつ罪・準強制性交等罪)
  • 恐怖や驚愕(新設)
  • 虐待(新設)
  • 経済的・社会的地位に基づく影響力(新設)

これら8種類の要件によって、わいせつ行為や性交等の行為に同意しない意思の表示が困難な被害者に対しての行為が処罰対象となります。

③公訴時効の変更

現在強制わいせつ罪については公訴時効が7年、そして強制性交等罪については公訴時効が10年ですが、こういった性犯罪は被害者が精神的ショックを受けるなどして被害を申告しにくいケースがよくあることなどが考慮されて、公訴時効はそれぞれ5年延長されます。
また被害者が18歳未満の場合は、被害者が18歳になるまでの期間が加算されるので実質、被害者が18歳未満の場合は、被害者が18歳になってから時効期間がスタートすることになります。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
刑事事件に関するご相談や、既に逮捕された方に弁護士を派遣する接見を承っておりますので、刑事事件でお困りの方は フリーダイヤル 0120-631-881 までお気軽にお問い合わせください。

女性に性的暴行 強制性交等罪で刑務官を逮捕

2023-01-08

女性に性的暴行をしたとし、大阪刑務所の刑務官が強制性交等罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容(1月7日配信の朝日新聞DIGITALを引用)

昨年12月下旬、20代の女性会社員の後をつけ、知人宅の玄関ドアの鍵を開けた直後、背後から口をふさいで「黙れ」と脅して室内に押し込み、性的暴行を加えるなどした疑いで、大阪刑務所の刑務官が逮捕されました。
強制性交等罪で逮捕された刑務官は「全く身に覚えがありません」と容疑を否認しているようですが、大阪府警は、現場周辺の防犯カメラの映像から刑務官を割り出して逮捕に至ったようです。

強制性交等罪

強制性交等罪は、かつて強姦罪と言われていた犯罪で、刑法第177条に規定されています。

刑法第177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。) をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

ここでいう性交とは、いわゆるセックスを意味するので、男女間でしか行うことができませんが、肛門性交や口腔性交に関しては男女間に限られません。
かつて規定されていた強姦罪は、規制される行為が性交に限られていたので、被害者が女性に限定されていましたが、強制性交等罪に法改定されてからは、規制行為が肛門性交や口腔性交にまで拡大されたことによって、男性も被害者になり得る犯罪となっています。

強制性交等罪は、その法定刑が「5年以上の有期懲役」となっており、罰金刑が規定されていない非常に厳しいものです。
しかも自首等の減軽事由によって減軽されない限りは、執行猶予(全部)が付くことも法律的に不可能ですので、起訴された場合は、無罪・無実を得なければ、刑務所に服役しなければなりません。
そのため、強制性交等罪で警察に逮捕された方の弁護活動では、起訴されるまでの間に、被害者との示談を締結させることが最優先される事が大半です。(容疑を否認している場合はこの限りではない。)

強制性交等罪で逮捕されてしまった方は

上記したように、強制性交等罪は非常に厳しい犯罪で、どういった結末を迎えるかは、起訴されるまでに、どういった弁護活動を行えるかに大きく左右されます。
ですから、ご家族、ご友人が強制性交等罪で警察に逮捕された場合は、少しでも早く、こういった刑事事件に精通した弁護士を選任することをお勧めします。
※初回接見サービスについては こちらをクリック

また強制性交等罪逮捕される可能性が非常に高い事件でもあります。
このコラムをご覧の方で、強制性交等事件に関与してしまったと不安のある方は、警察の捜査を受ける前に弁護士に相談しておきましょう。
※無料法律相談については こちらをクリック

同性に対する口腔性交 強制性交等罪で逮捕

2022-12-10

同性に対して無理矢理に口腔性交したとして、強制性交等罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事例(実際に起こった事件を参考にしています)

大阪市住之江区の学習塾で講師をしているAさん(男性)は、主に中学生の授業を受け持っています。
Aさんは、同性の若年層に性的な興味があります。
そんな中、Aさんは、授業後に教室で一人で自習している男子生徒に声をかけ、言葉巧みにトイレに連れて行ってそこで、自分の性器を男子生徒の口に入れるなどわいせつな行為をしていました。
男子生徒にはテスト問題を教えるなどして口止めをしていたのですが、ある日、一人の男子生徒が親に相談したことがきっかけで、大阪府住之江警察署が捜査に乗り出し、Aさんは強制性交等罪で逮捕されました。

強制性交等罪

今から約5年前の平成29年に刑法が改正された際に、強制性交等罪(それまでは「強姦罪」)が大きく変わりました。

刑法177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

それまでの強姦罪は、被害者が女性に限定されており、行為も性交渉に限定されていましたが、5年前に強制性交等罪が新設されてからは、被害者が男性でも成立し、肛門性交又は口腔性交も強制性交等罪の処罰の対象となりました。

今回の事件、被害者の男子生徒が13歳未満だった場合は、暴行や脅迫を持ちてなくても口腔性交しただけで、強制性交等罪が成立します。
もし男子生徒が13歳以上だった場合、口腔性交に及ぶ手段として暴行や脅迫が必要となってきますが、講師と生徒といった関係性や、行為が、二人きりのトイレで行われたことなどを考慮すると、客観的に見て軽い暴行や脅迫行為であっても、被害者の抵抗を抑圧する程度であると認められる可能性が高いでしょう。

強制性交等罪の弁護活動

強制性交等罪は性犯罪の中でも厳しく処罰される犯罪行為です。
起訴された場合は初犯であっても実刑判決が言い渡される可能性が非常に高いです。
そのため、起訴されるまでに被害者の親御さんと示談することが必至となりますので、こういった事件でご家族が逮捕された場合は、すぐにでも弁護士を選任した方がよいでしょう。

弁護士の派遣は

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、こういった刑事事件の弁護活動を専門にしている法律事務所です。
ご家族が、強制性交等罪で警察に逮捕されてしまった方は
フリーダイヤル 0120-631-881
まで、今すぐお電話ください。

【解決事例】盗撮事件の弁護活動を弁護士が解説

2022-12-08

【解決事例】盗撮事件で不起訴を獲得した弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の弁護士が解説します。

本日のコラムでは、不起訴を獲得した盗撮事件の弁護活動について、実際に弁護活動を行った弁護士に解説してもらいます。

まずどういった事件ですか?

この事件は、大阪府内の病院で働いている20代の男性が、大阪府吹田市のスーパーで、小学生女児スカート内盗撮した事件です。
被害者の母親に見つかった男性は、その場で110番通報されて、警察署に連行され、犯行を認めていました。

逮捕されなかったのですか?

はい。
スマートホンを押収されて、そこに盗撮映像が残っていた事や、家族が警察署に迎えに来たことなど、証拠隠滅逃走のおそれがなかったので、逮捕はされず、その日のうちに帰宅しています。

どういった経緯で弁護活動をされたのですか?

男性に弊所の無料法律相談をご利用いただき、弁護活動の委任契約をいただいたことから弁護人として弁護活動を開始しました。

最初はどういった見通しでしたか?

まず小学生の女児に対する盗撮行為がどういった法律に違反するのかを解説します。
まず盗撮行為は、大阪府の迷惑防止条例違反となります。
大阪府の迷惑防止条例では、スカート内を盗撮する行為に対して1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が規定されています。
また被害者が小学生の女児なので、児童ポルノ処罰法違反が適用される可能性もあります。
児童ポルノ処罰法には、盗撮による児童ポルノ製造を規制する規定があり、これに違反すると3年以下の懲役又は300万円以下の罰金と、大阪府の迷惑防止違反よりも厳しい罰則が適用されます。
男性は初犯なので、どちらが適用されても、略式起訴による罰金刑が濃厚でしたが、親御さんと示談できて、宥恕を得ることができれば不起訴の可能性もありました。

どういった活動を行いましたか?

被害者と示談を締結できるかどうかで、結果が大きく変わるので、被害者の親御さんとの示談交渉が主な弁護活動となりました。
また、不拘束で警察の取調べを受けている男性に対して、取調べに対するアドバイスも行いました。

示談を締結できたのですか?

はい。
当初、被害者の親御さんは非常にお怒りでしたが、交渉を続けていく中で、男性の作成した謝罪文を読んでいただくことができ、その頃から、少しずつ示談の話しに耳を傾けていただけるようになりました。
そして交渉を始めて1ヶ月近く経過して示談に応じてもらえることができました。

示談の内容を教えてください。

示談金は30万円で、男性には、今後盗撮したスーパーやその周辺に近寄らない条件が課せられました。
そして相手様から宥恕条項、つまり男性の刑事罰を望まないという示談としては一番良い内容の示談を締結することができました。

男性の刑事処分はどうでしたか?

男性は、警察の捜査を終えて大阪府迷惑防止違反で検察庁に送致されました。
ちょうど、そのタイミングで示談が成立したので、その結果を担当検察官に報告したところ、起訴猶予による不起訴処分となりました。

弁護活動を終えての感想は?

スマートホンが普及し始めてから、盗撮事件は増加傾向にあると言います。
非常に手軽に、そして迅速に写真や動画を撮影できるようになったために、つい出来心で盗撮をしてしまう方が多いようですが、一度成功すると、そのスリルを忘れられずズルズルと犯行を繰り返して、最終的に警察沙汰になってしまうので注意してください。
また今後は、刑法で盗撮行為が規制される見通しで、盗撮行為に対する刑事処分も厳しくなることが予想されます。
もし盗撮事件を起こして警察沙汰になってしまった方は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

痴漢のつもりが強制わいせつ致傷罪に発展 裁判員裁判に強い弁護士②

2022-09-13

痴漢のつもりの行為が強制わいせつ致傷罪に発展し、裁判員裁判となった事件を参考に、強制わいせつ致傷事件の弁護活動と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

強制わいせつ致傷事件の弁護活動

路上痴漢による強制わいせつ致傷逮捕されている場合、まずは身体解放に向けて活動していくことになります。
検察官や裁判官に意見書を提出するなどの活動を行ったり、勾留の決定に対して準抗告を行ったりといった活動をしていきます。
さらに並行して、被害者との示談交渉も行っていきます。
強制わいせつ致傷は起訴されてしまうと裁判員裁判対象事件となってしまいます。
そこで、不起訴処分の獲得を目指すための示談交渉が大切となります。
強制わいせつ致傷の場合、被害者の被害感情は大きくなってしまうことが予想されるため、示談交渉の経験が豊富な刑事事件弁護士に依頼するようにしましょう。

裁判員裁判

強制わいせつ致傷無期懲役刑が法定されていますので、起訴されると裁判員裁判となります。
裁判員制度は裁判の正当性に対する国民の信頼を確保することなどを目的として平成21年から開始されました。
一般の国民が裁判員として裁判官とともに議論したうえで多数決をとり、基本的には単純過半数により決します。
すなわち裁判員の人選も最終の処分に大きく関わってくる可能性があります。
そこで弁護士は裁判員の選任手続きにも立ち会い、不利、不公平な裁判をするおそれのある裁判員候補者をチェックして裁判員に選ばれない様に阻止します。
さらに、裁判員という一般の方が裁判に参加する形となりますので、裁判前に争点を絞り込む公判前整理手続を行うことになります。
このように裁判員裁判は通常とは少し違う手続きが入ってきますので、刑事事件の中でも裁判員裁判の経験のある弁護士に依頼、相談するようにしましょう。

強制わいせつ致傷罪に強い弁護士

ただの痴漢だと思っていた行為も裁判員裁判対象事件にまで発展してしまう可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、裁判員裁判の経験がある弁護士も在籍しておりますので、ご家族が逮捕されてしまった場合やわいせつ行為で相手にケガをさせてしまったような場合にはお早めにお問い合わせください。
無料法律相談や 初回接見サービス のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881
までご連絡ください。

痴漢のつもりが強制わいせつ致傷罪に発展 裁判員裁判に強い弁護士①~強制わいせつ致傷罪~

2022-09-12

痴漢のつもりの行為が強制わいせつ致傷罪に発展し、裁判員裁判となった事件を参考に、強制わいせつ致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

大阪市平野区に住むAさんは家の近くで自転車に乗っていたときにすれ違った女性が好みのタイプだったため、引き返して再度すれ違うようにして、すれ違い様に女性の胸を触りました。
女性はその勢いに押されて転倒し、手首を骨折してしまい、全治2か月の怪我を負いました。
Aさんはすぐにその場から逃走しましたが、防犯カメラの映像などから特定され、後日大阪府平野警察署の警察官が自宅に訪れ、強制わいせつ致傷罪逮捕されてしまいました。
(この事件はフィクションです)

強制わいせつ致傷罪

刑法第176条前段(強制わいせつ)
「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。」

刑法181条1項(強制わいせつ致死傷)
「第176条(強制わいせつ)、第178条1項前段(準強制わいせつ)、若しくは第179条第1項(監護者強制わいせつ)の罪、又はこれらの罪の未遂罪を犯し,よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する」

強制わいせつにおける暴行にはわいせつ行為自体が含まれる場合もあります。
そのため、痴漢行為であっても強度のものは強制わいせつとなる可能性があるのです。
そして、強制わいせつ致傷の「傷害」の内容については今回の路上痴漢のような外傷による怪我を負った事例だけでなく、心的外傷後ストレス傷害(PTSD)を傷害と認定した裁判例も存在します。
さらに、わいせつ行為後に逃走しようとして、相手を突き飛ばしたような場合であっても相手が傷害を負った場合は時間的、場所的関係が考慮されるものの、強制わいせつ致傷となる可能性があります。

~明日に続く~

【解決事例】南海電車内の痴漢事件で不起訴を獲得

2022-08-31

【解決事例】南海電車内の痴漢事件で不起訴を獲得

【解決事例】南海電車内の痴漢事件で不起訴を獲得した事件の解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。


事件の概要

Aさん(40代、会社員)は、通勤で南海電車を利用しています。
ある日、通勤ラッシュの電車内において若い女性のお尻をスカートの上から触り、その場で被害者に捕まってしまい、その後、大阪府堺警察署で取調べを受けました。
警察署での取調べで犯行を認めたAさんは、しばらくして検察庁に書類送検され、検察官の取調べを受けました。
その際に検察官から「被害者と示談する気はあるのか?弁護士を入れて示談をするのであれば処分を待つがどうすか?」と言われたAさんは、慌てて弁護士を選任しました。
そして選任された弁護士が被害者と示談を締結したことによってAさんは不起訴となりました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

南海電車内の痴漢事件

大阪府内を走行中の電車内で痴漢事件を起こすと、大阪府の迷惑防止条例違反となります。
大阪府の迷惑防止条例では

公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること

を痴漢行為と規定しています。

痴漢行為の罰則規定

大阪府の迷惑防止条例では、痴漢行為の罰則を「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定めています。
痴漢行為によって起訴されて有罪が確定すれば、この範囲内で刑事罰が科せられることとなります。
初犯であれば、略式起訴による罰金刑となる可能性が高いですが、短期間の間に犯行を繰り返した場合は、2回目であっても正式起訴される可能性があるので注意が必要です。

被害者との示談があれば不起訴に

罰則規定からも分かるように、痴漢事件は、警察が扱う刑事事件の中でも比較的軽微な犯罪として扱われています。
そのため初犯であれば、被害者との示談があればほぼ確実に不起訴を獲得することができますので、痴漢事件を起こして警察の取調べを受けている方は一刻も早く弁護士に相談することをお勧めします。

痴漢事件で不起訴を目指すのであれば

痴漢事件不起訴を目指すのであれば、一刻も早く弁護士を選任して被害者と示談することが必至です。
不拘束(逮捕されていない)で警察の取調べを受けている方から「いつ弁護士を選任すればいいのですか?」という質問がよくありますが、被害者との示談交渉を希望するのであれば、一刻も早く弁護士に相談した方がよいでしょう。
検察庁に書類送検されてしまうと、最初の取調べの際に検察官から略式起訴による罰金刑を言い渡されることも珍しくありませんので、検察庁に書類送検されるまでに弁護士を選任して被害者との示談交渉を開始することをお勧めします。

このコラムをご覧の方で、大阪府内の痴漢事件でお悩みの方、被害者との示談をご希望の方は

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

までお気軽にお電話ください。

【解決事例】電車内の痴漢事件 被害者との示談があっても略式起訴(罰金刑)

2022-08-18

【解決事例】電車内の痴漢事件 被害者との示談があっても略式起訴(罰金刑)

【解決事例】電車内の痴漢事件で、被害者との示談があっても略式起訴(罰金刑)となった解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件概要

運送会社でドライバーをしているAさん(40代)は、大阪市内を走行中のJRの電車内において、女子高生に対して、服の上から臀部を触る等の痴漢事件を起こしました。
被害者に腕を掴まれて捕まったAさんは、その後通報で駆け付けた警察官に逮捕されましたが、事実を認めていたことから、その日のうちに釈放されました。
そしてその後、Aさんから選任された弁護士が被害者と宥恕条項のある示談を締結したのですが、Aさんには、10年前に痴漢事件を起こして罰金刑を受けた前科があったことから、不起訴とはならずに略式起訴による罰金刑が確定しました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

同種の前科があれば示談しても罰金刑となった事例

痴漢事件の場合、被害者と宥恕条項のある示談を締結すれば不起訴となる可能性が非常に高いのですが、Aさんのように同種の前科がある場合は、必ずしも不起訴になるとは限りません。
事件の内容や、前刑からの期間にもよりますが、検察官の判断で略式命令による罰金刑となる可能性もあるのです。
Aさんの場合、前刑は、約10年前に起こした電車内の痴漢で、被害者との示談を締結することができずに、罰金30万円を支払っていました。

痴漢事件の量刑

大阪府内で痴漢事件を起こして、大阪府の迷惑防止条例違反が適用されると、無罪か不起訴を獲得しなけば「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」の範囲内で刑事罰が科せられます。
初犯であれば20万円~30万円の罰金、再犯の場合は、上限である50万円の罰金若しくは公判請求(正式起訴)されて執行猶予判決となる場合がほとんどです。
このように再犯の刑事処分は前刑よりも厳しくなる可能性が高いのですが、Aさんの場合は、宥恕条項のある示談を締結していることが評価されて、前刑と同じ略式起訴による罰金30万円でした。

痴漢事件に関するご相談は

このコラムをご覧の方で、大阪府内で痴漢事件を起こしてしまった方、ご家族が痴漢事件を起こして大阪府警に逮捕、勾留されている方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、逮捕されている方のもとに弁護士を派遣する初回接見のサービスを提供しております。
初回接見サービスに興味のある方は

こちらを⇒⇒クリック

東大阪市の監護者わいせつ事件 起訴を回避(不起訴)するための弁護活動

2022-08-17

東大阪市の監護者わいせつ事件 起訴を回避(不起訴)するための弁護活動

東大阪市の監護者わいせつ事件を参考に、起訴を回避(不起訴)するための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

東大阪市に住むAさん(45歳)は、結婚を前提に交際している女性と、その連れ子と一緒に暮らしています。
交際相手の連れ子は、16歳の女子高生です。
一緒に生活する中で、数カ月前からAさんは、交際相手の女性が自宅を留守にしている間に、連れ子の胸を触る等のわいせつな行為を繰り返していました。
連れ子が交際相手に相談したことから事件が発覚し、交際相手はこの事実を、大阪府河内警察署に相談したようです。
(フィクションです)

監護者わいせつ罪、監護者性交等罪(刑法179条)

Aさんの行為は、監護者わいせつ罪に当たる可能性があります。

監護者わいせつ罪、監護者性交等罪は平成29年改正法で新設された性犯罪です。
それまでは、同様の事案に対して児童福祉法違反等で対処せざるを得なかったのですが、事案の実態に即した対処が必要であることから新設されたと言われています。
監護者わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」、監護者性交等罪は「5年以上の有期懲役(最高20年)」です。

なお、監護者とは、18歳未満の者を現に監督する者をいいます。
民法でいうところの親権規定と同様に監督・保護する者であり、法律上の監護権に基づかなくても事実上現に18歳未満の者を監督し保護する者であればこれに当たります。

監護者わいせつ罪における弁護活動

上記のように、監護者わいせつ罪は非常に重たい罪であるため、起訴され、有罪判決を受けてしまうと執行猶予判決を獲得することが非常に難しくなる、すなわち実刑判決を受ける可能性が非常に高いです。

ですから、そのような事態を避けるには、起訴されるのを回避する、すなわち不起訴を獲得することが必要です。
不起訴を獲得するには、まずは被害者側と示談を成立させ、その結果などを刑事処分を決める検察官に提示することが必要です。

処分を決める検察官としては、被害者の意向を十分に尊重します。
仮に、示談を成立させることができ、被害者が処分を望まないなどとの意向を示せば、検察官はその意思を尊重し、事件を不起訴とする可能性は高くなるでしょう。

監護者わいせつ事件の弁護活動に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件専門の法律事務所です。
東大阪市の刑事事件でお困りの方、監護者わいせつ事件の弁護活動に強い弁護士をお探しの方は
フリーダイヤル0120-631-881
までご連絡ください

盗撮容疑等で大阪府警の警察官が相次いで逮捕

2022-07-29

今月(7月)盗撮容疑等で大阪府警の警察官が相次いで逮捕されていることについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

相次ぐ警察官の逮捕

スカート内を盗撮しようとした警察官が逮捕

今月17日、大阪市内の商業施設において、エスカレーターの下から女性のスカート内を盗撮しようとした大阪府枚方警察署の警察官が現行犯逮捕されました。
逮捕された警察官は、犯行に気付いた被害者に声をかけられて、数百メートル先で取り押さえられたとの事で、逮捕後の取調べでは「自分の靴のかかとを直すためにしゃがんでいただけだ」と容疑を否認していたようです。
(7月15日配信の報道各社のニュース記事を引用)

盗撮目的で女子トイレに不法侵入した警察官が逮捕

今月22日、全国高校野球選手権(夏の甲子園)の大阪大会が開催されていた、大阪市内にある野球場の女子トイレに不法侵入したとして、大阪府河内警察署の警察官が現行犯逮捕されました。
逮捕された警察官は、女性が使用している個室の上から、スマートホンを差し入れて盗撮しようとしたとのことで、女性が被害に気付いて大会関係者によって取り押さえられたようです。
建造物侵入罪で逮捕された警察官は取調べに対して「女性が用を足している姿を撮影する目的で入った」と容疑を認めているということです。
(7月22日配信の報道各社のニュース記事を引用)

大阪府内の盗撮事件

皆さんご存知のように、大阪府内で盗撮事件を起こすと、大阪府の迷惑防止条例違反となり、この条例によって処断さるのが基本ですが、男性が、盗撮目的で女子トイレに入ると建造物侵入罪にも問われます。
大阪府の迷惑防止条例では、ほとんどの盗撮行為に対して「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」を規定していますが、刑法に規定されている建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」が定められています。

夏場に増加する盗撮事件

夏場は薄着の女性が増えるため、盗撮事件が増加傾向にあると言われており、大阪府警もそういった犯罪を抑止すべく、各地で盗撮撲滅キャンペーンを行い、女性に対して注意を呼び掛けています。
最近は、街行くほとんどの人達がカメラ機能を搭載したスマートホンを所持しているため、誰しもが、その気になればいつでも盗撮してしまうことができます。
「目の前の女性のスカートが短かったのでつい出来心でしてしまいました・・・」という、偶発的犯行で、余罪のない場合、犯行を認めていれば警察に逮捕される可能性も少なく、その後の弁護活動次第では刑事処分を免れる可能性も十分にありますので、一度、弁護士に相談することをお勧めします。

大阪府内の盗撮事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、盗撮事件に関する無料法律相談を、フリーダイヤル0120-631-881にて、24時間年中無休で承っております。
刑事事件でお困りの方からのご連絡をお待ちしておりますのでお気軽にお電話ください。

また弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、大阪府警に逮捕されてしまった方には、弁護士を警察署に派遣する 初回接見サービス をご用意しています。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら