Archive for the ‘刑事事件’ Category

空き家に残飯投げ捨て 威力業務妨害容疑で逮捕

2023-12-27

隣の空き家に残飯投げ捨てるなど迷惑行為繰り返していた男が威力業務妨害容疑で逮捕された事件を参考に、威力業務妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件(12月25日配信のYTV記事を引用

隣の空き家にごみを投げ捨てるなどの迷惑行為を繰り返していた男が、威力業務妨害の疑いで警察に逮捕されました。
被害を受けていた空き家を管理する不動産会社が、空き家に設置した防犯カメラに、逮捕された男が残飯などのごみを投げ入れたり、門を破壊したりする様子が記録されていて、不動産会社は設置した看板が壊されたとして警察に被害届を提出していたようです。

威力業務妨害

逮捕容疑となった威力業務妨害罪は刑法第234条に規定されている犯罪行為で、違反すると「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
威力業務妨害罪は、威力を用いて人の業務を妨害した場合に成立するので、今回の事件で警察は、ゴミを投げ入れたり、門を壊す行為は、威力業務妨害罪における「威力」に該当し、それによって空き家を管理する不動産会社の業務を妨害したと捉えて、威力業務妨害罪を適用したのでしょう。

他の犯罪に抵触する可能性もある

報道によりますと、逮捕された男は、空き家にゴミを投げ入れたり、空き家の門扉を破壊しているようです。
ゴミを投げ入れる行為は、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に抵触する可能性があります。
また、門扉を破壊する行為は門扉の形状にもよりますが、器物損壊罪や、場合によって建造物損壊罪に抵触する可能性があります。
逮捕容疑である威力業務妨害罪の他にこういった別の犯罪が成立するかどうかは、今後の捜査次第となるでしょうが、別途成立する場合は、より厳しい刑罰が科せられ可能性があるので注意が必要です。

まずは弁護士に相談

ご家族等が、威力業務妨害罪で警察に逮捕されてしまった場合は、警察署に弁護士を派遣することからはじめましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、刑事事件に強い弁護士を警察署に派遣する 初回接見サービス を提供しております。
このサービスは電話で予約いただくことができ、ご予約いただいたその日のうちに対応ができる非常に便利なサービスです。

示談金を請求 恐喝未遂罪で逮捕

2023-12-21

示談金を請求したことによって、恐喝未遂罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

Aさんは、大阪府門真市に一軒家を所有していますが、この家は両親が亡くなってから空き家となっています。
半年ほど前から、この空き家に近所の中学生が勝手に出入りし、ゴミを散乱させるなどしていたことから、Aさんは、空き家に監視カメラを設置して防犯対策していました。
そんな中、空き家に勝手に入っていた近所の中学生の家を特定できたので、Aさんは、その中学生の家に行き、対応した両親に対して「勝手に家に入ってきている映像は撮ってある。示談金として100万円を支払え。もし払わないのであればネットの映像を晒すし、子供の名前や、ここの住所も晒す。」と言いました。
この行為が恐喝に当たるとして、Aさんは、恐喝未遂罪で大阪府門真警察署に逮捕されてしまったのです。(フィクションです。)
※参考とした事件は こちらをクリック 

自分が何か損害を被った場合に、相手方に請求することのできる慰謝料や、示談金、治療費など、法律的に相手に請求しても問題のないお金や物であっても、相手方への請求の仕方を誤ると、今回の参考事件のように、恐喝行為となってしまい、最悪の場合は警察に逮捕されてしまいます。

恐喝罪

人から金品を恐喝すると恐喝罪となります。
恐喝とは、人から金品を脅し取ることで、脅す方法としては口で言って相手を脅す、いわゆる脅迫の場合もあれば、相手に暴力をふるう暴行等の場合もあります。
ただし注意しなければいけないのが、暴行をともなう場合、暴行の程度によっては強盗罪に問われる可能性があることです。
恐喝罪が成立するには「恐喝⇒畏怖⇒財産的処分行為(財物の交付)⇒財物の取得」といった一連の流れが必要となります。
恐喝罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
罰金刑の規定がないのが特徴で、起訴されると必ず刑事裁判が開かれ、そこで刑事罰が言い渡されますが、そこで執行猶予を獲得しなければ刑務所に服役しなければなりません。

恐喝罪における「脅迫」とは

恐喝罪における「脅迫」とは、一般に人を畏怖させるに足りる「害悪の告知」です。
ここでいうところの「害悪の告知」とは、人の生命、身体、自由、名誉や財産に対して害を加える旨を告知することで、「殺すぞ」や「殴るぞ」「さらうぞ」といったものが代表的ですが、ここまでハッキリとしたものでなくても、「夜道に気を付けろよ」だったり「まだ幼いお子さんが事故にあわなければいいけどな」といった、相手に危険を感じるような内容でも脅迫となる場合があります。
また脅迫の対象は、相手方自身に限られず、相手方の家族や親族であっても対象となります。

慰謝料等の請求でも恐喝罪になる

冒頭で説明したように、法律的に相手に対して請求することのできるお金や物であっても、相手に対して請求したり、要求したりする際に発する言葉によっては恐喝行為となり、恐喝罪が成立する場合があります。
今回の参考事件においても、管理する空き家に不法侵入するといった不法行為を犯した中学生の親に対して慰謝料を請求するAさん行為は、法律的に問題はありませんが、その際に『もし払わないのであればネットの映像を晒すし、子供の名前や、ここの住所も晒す。』と、相手に害悪を告知し、慰謝料を要求しているので恐喝(未遂)罪となることは間違いないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、刑事事件専門弁護士による法律相談を初回無料で、刑事事件専門弁護士による 初回接見サービス には即日対応しています。

【貝塚市の事件】菓子パンに針 偽計業務妨害罪で逮捕

2023-12-18

【貝塚市の事件】菓子パンに針を刺した男が、偽計業務妨害罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容(12月16日配信のABCニュースを引用

大阪府貝塚市の100円均一ショップに陳列された、商品の菓子パンとインスタントラーメン合わせて3袋に、待ち針や縫い針を刺して、店の業務を妨害したとして、偽計業務妨害罪で79歳の男が逮捕されました。
商品を購入した客が針が入っていることに気付いて事件が発覚し、その後、大阪府貝塚警察署が防犯カメラ映像を精査するなどして犯人を割り出したようです。
逮捕された男は「店員の接客態度が気に入らなかったので、店を困らせようとして家から持ってきた針をパンに刺しました」と容疑を認めているようです。

今回の事件は、商品を購入した客が口に入れる前に針の存在に気付いたので怪我人はいないようですが、一歩間違えれば怪我人が出てもおかしくない事件です。
まずは、今回適用された偽計業務妨害罪について解説します。

偽計業務妨害罪

「偽計業務妨害罪」は刑法第233条に規定されている犯罪行為で、虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて人の業務を妨害することで成立します。
虚偽の風説とは、簡単にいうと「嘘の情報」のことで、流布とは「不特定又は多数の人に伝える」ことです。
そして流布された虚偽の風説によって、人の業務を妨害すれば偽計業務妨害罪になるのですが、今回の事件は風説の流布による業務妨害ではなく、偽計を用いての業務妨害となります。
裁判では、計略や策略を講じるなど威力以外の不正な手段を用いて業務を妨害すれば偽計業務妨害罪に該当するとされているようです。

偽計業務妨害罪の量刑は

偽計業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
起訴されて有罪が確定すればこの法定刑内の刑事罰が言い渡される事となりますが、今回は、報道されている100円均一ショップ以外の別のお店でも同じような被害が確認されているようですので、もし逮捕された男が別のお店でも同様の事件を起こしていたとすると、複数件の偽計業務妨害罪が成立し、それぞれは併合罪となります。
併合罪が適応される場合、犯した罪の重い方の1.5倍が刑期の上限となるので、最長で4年6月の懲役刑が言い渡される可能性があります。

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
刑事弁護活動は、いかに早く弁護活動を開始するかで、その後の手続きや最終的な結果が大きく変わると言われています。
逮捕された方への弁護士派遣をご希望の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が提供する 初回接見サービス をご利用ください。

レンタカーを乗り逃げ 事故を起こして横領罪で逮捕

2023-12-02

レンタカーを契約期限過ぎても返却せずに使用を続けたとして横領罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容

大阪府茨木市に住む無職のAさんは、約2カ月前に市内のレンタカー会社で3日間の契約で車を借りましたが、契約期間を経過してもAさんは、レンタカーを返却せず使用し続け、レンタカー会社への連絡もしませんでした。
そんな中、そのレンタカーを運転中に交通事故を起こしたAさんは、事故処理のために臨場した大阪府茨木警察署の警察官からレンタカー会社から被害届が出されていることを告げられて、Aさんは横領罪で逮捕されてしまいました。(事件は実話を基にしたフィクション。)

横領罪

横領罪とは、自己の占有する他人の物を横領することによって成立する犯罪です。

横領罪が成立するには「本人排除の意思」が必要となります。
本人排除の意思とは、その物の持ち主の意思と関係なく、勝手にその物を処分する意志のことで、窃盗罪等の財産犯が成立するのに必要とされる「不法領得の意思」と同じようなものです。
不法領得の意思とは「権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、利用処分する意思」です。

横領罪に未遂はない

横領罪に未遂の規定はありません。
未遂とは、犯罪に着手しながらも成しえなかった場合をいいますが、横領罪の場合、既に自分の手元にある財物について、上記した本人排除の意思が生じると同時に既遂に達するとされているからです。
仮に、「このまま返却せずに乗り逃げしてやろう。」という意志のもとでレンタカーの契約をしていた場合は、詐欺罪が成立するでしょう。
ただ、その意思は犯人のみぞ知り得る場合がほとんどなので、今回のようなレンタカーの乗り逃げについては、横領罪が適用されるでしょう。

横領事件で逮捕されたら

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、ご家族が警察に逮捕された方から 初回接見 を承っております。
この初回接見サービスは、電話でご予約が完了する非常に便利なサービスで、ご予約いただいたその日のうちに弁護士を派遣することもできますので、詳しくは
フリーダイヤル 0120-631-881
に、お問い合わせください。

19歳の男を逮捕 被害者の高齢男性が死亡

2023-11-26

高齢男性に対して暴行したとして19歳の男が傷害罪で警察に逮捕されましたが、被害を受けた高齢男性はその後死亡しました。
本日のコラムでは、この事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の弁護士が解説します。

事件報道(11月25日配信のテレ朝ニュースの引用

堺市中区の集合住宅において、高齢の男性に暴行を加えて怪我をさせたして19歳の男が傷害罪で逮捕されました。
犯行後、逮捕された男は自ら119番通報しており、その際に「高齢の男性が文句を言ってきて言い合いになった」と話していたようです。
被害を受けた高齢男性は、搬送先の病院で死亡しています。

なぜ傷害罪?

報道によりますと、19歳の男の逮捕罪名は「傷害罪」です。
被害者が亡くなっているのになぜ傷害罪なの?と疑問に思う方もいるかと思いますが、報道されているのは逮捕罪名、すなわち逮捕時に適用された罪名です。
おそらく警察官が現場にかけつけ、容疑者の男を逮捕する際は、まだ被害男性が生存していたので、傷害罪が適用されたものと思われます。
そしてその後、死亡が確認されると、検察庁に送致される段階で「傷害致死罪」に適用罪名が変更されるでしょう。

傷害罪と傷害致死罪の違い

人に怪我を負わせると傷害罪となります。
今回のように、暴行によって人に傷害を負わせる傷害罪については、傷害の故意までは必要とされず、暴行の故意があれば傷害罪が成立します。
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
そして、故意の暴行行為によって傷害を負った被害者が死亡してしまうと「傷害致死罪」となります。
傷害致死罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」と厳しいもので、法律的には起訴されて有罪が確定したとしても、執行猶予を獲得することができますが、結果の重大性から執行猶予の獲得は非常に難しいのが現状です。

今後について

今回逮捕されたのは19歳の男です。
通常であれば少年法による手続きが進む可能性が高いのですが、傷害致死罪は、原則として家庭裁判所から検察庁に逆送されるので、検察庁に逆送後は、起訴されて成人と同じ法廷における刑事裁判を受けることになる可能性が非常に高いです。
また刑事裁判は、一般人が審議に参加する裁判員裁判で行われるので、弁護人は、通常の刑事裁判よりも高度な専門知識と豊富な経験のある専門弁護士を選任しておくことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
刑事弁護活動の専門知識と経験豊富な弁護士が揃っていますので、傷害罪や傷害致死罪に関する 法律相談 をご希望の方は是非、ご相談ください。

放課後デイ施設で暴行 運営会社代表らを逮捕

2023-11-23

放課後デイの利用者に対して殴るなどの暴行を加えたとして、施設の運営会社の代表等が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容(11月21日配信の時事通信社記事を引用

大阪府吹田市の放課後デイサービスにおいて、施設の利用者の少年が、施設を運営する会社の代表らに暴行されていました。
逮捕されたのは運営会社の代表や、施設の従業員など3人で、3人は、施設内で重度の知的障害がある当時中学3年の少年の顔をバランスボールで殴打したり、頭を壁に打ちつけたりするなどの暴行を加えた疑いがもたれています。

事件の発覚

報道によりますと、今回の事件が発覚したのは、全く別の事件(施設利用者が行方不明になり、その後死亡しているのが発見された事件)の捜査で大阪府警捜査一課が、施設内の防犯カメラ映像を確認したところ、本暴行事件が発覚したようです。
今回の事件の被害者は知的障害があるようなので、こういったかたちで発覚しなければ事件の立証どころか、発覚すらしなかった可能性が高いでしょう。

放課後デイ施設での事件

障害のある子供達を預かり生活の面倒をみる放課後デイ施設は、ここ数年で非常に増加しており、様々な問題点が浮きぼりになって世間を騒がせていますが、今回のような刑事事件の舞台となることも少なくないようです。
今回の事件は暴行事件ですが、施設の利用者が、施設の従業員等による性犯罪の被害にあう事もあります。
こういった立場を利用しての犯行は、非常に悪質性が高く、厳しい刑事罰が科せられる可能性が高く、逮捕される可能性も非常に高いでしょう。

暴行事件で逮捕されると…

暴行罪の法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は科料」とそれほど厳しいものではなく、通常の暴行事件の場合は逮捕のリスクもそれほどありませんが、この手の事件は逮捕される可能性が高く、逮捕後に勾留が決定するのも間違いないでしょう。
そのため弁護士は、まずは早期釈放を求める活動を行い、その上で、被害者の親御様等と示談して不起訴を求めることになります。##

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
暴行罪のような粗暴犯事件に関する ご相談  初回接見サービス については、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。

酒に酔った客を路上に放置 保護責任者遺棄致死罪で逮捕

2023-11-17

バーの経営者が酒に酔った客を路上に放置したとして、保護責任者遺棄致死罪で、大阪府南警察署に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

Aさんは、大阪ミナミの歓楽街にあるビルの一室を借りてバーを経営しています。
2週間ほど前に、一人で来店していた常連客がお店の中で酔い潰れてしまい、閉店時間になっても寝込んだままだったので、Aさんは閉店してお店を出る際に、この常連客を抱えて店外に出し、ビルの階段に放置して帰宅したのです。
そうしたところ、翌日、ビルの清掃業者が亡くなっているこの常連客を発見したのです。
すぐにAさんは大阪府南警察署に呼び出されて事情聴取を受けたのですが、それからしばらくして保護責任者遺棄致死罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

保護責任者遺棄致死罪

幼児や高齢者、身体障害者、病人を保護する責任がある者が、放置したり、生存に必要な保護をしなかったりして、要保護者を死亡させると、保護責任者遺棄致死罪となる可能性があります。

保護責任者遺棄致死罪で客体となる要保護者とは、老年者、幼年者、身体障害者又は病者です。
ここでいう「病者」とは、刑法第217条に規定されている「遺棄罪」でいうところの疾病のために扶助を必要とする者と同じ意味です。
病気や傷害等により、肉体的、精神的に疾患のあることを意味し、その原因のいかん、治癒の可能性の有無、疾病期間の長短は問われません。
薬物等の影響や、泥酔ににより意識を失っている者もこれに含まれます。
ちなみに、扶助を必要とする者とは、他人の助けがなければ日常生活を営むための動作ができない者で、生活資力を自給し得るかどうかは問われません。

保護責任者遺棄致死罪の主体は?

保護責任者遺棄致死罪で主体となるのは、上記客体を保護する責任のある者に限られます。保護責任は、法令の規定、契約、慣習、事務管理、条理によって発生する法律上のものでなければなりません。
幼児の保護者や、老人の介護者は当然のこと、病人を看護する看護師や、幼児の面倒をみるベビーシッターも保護責任者遺棄致死罪の主体となるでしょう。

Aさんは主体となり得るの?

泥酔者に対する保護責任がしばしば問題となっています。
これまで泥酔者に対する保護責任が認められた例としては、一緒に飲んでいて泥酔した仲間を、いったんは介抱されていたものの、その後放置して死亡させた事件や、タクシーの運転手が、タクシーの中で泥酔して寝込んだ客を、タクシーから降ろして路上に放置して死亡させた事件等があります。
これら過去の事件を考えると、自分の店で泥酔して寝込んでいる客に対して、店主であるAさんには保護責任があると考えるのが妥当ではないでしょうか。

遺棄とは?

保護責任者遺棄致死罪でいう「遺棄」とは、要保護者を場所的に移動させるだけでなく、置き去りのように、要保護者を危険な場所に遺留して立ち去る行為も含まれます。
Aさんのように、泥酔して店内で寝ているお客さんを店外に連れ出して放置している行為は「遺棄」に該当するでしょう。

保護責任者遺棄致死罪の法定刑は?

保護責任者遺棄致死罪は、刑法第219条に規定されている法律です。
保護責任者遺棄致死罪で起訴されて有罪が確定した場合は、刑法第218条に規定されている保護責任者遺棄罪の法定刑(3年以上5年以下の懲役)と刑法第204条に規定されている傷害罪の法定刑(15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)と比較して、重い刑が適用されるので、実質的な法定刑は「3カ月以上15年以下の懲役」となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、警察に逮捕された方のもとに弁護士を派遣する初回接見のサービスを提供しています。
この初回接見サービスは、フリーダイヤル0120-631-881にて、年中無休、24時間でご予約を随時受け付けておりますので、いつでもご連絡ください。

幼児に対する暴行 傷害罪で逮捕

2023-11-11

幼児に暴行死重傷を負わせたとして、傷害罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

先日、交際相手の4歳の幼児に対して暴行し、左腕の骨を折る全治約3か月の重傷を負わせたとして、被害幼児の母親と交際する22歳の男が大阪府警に逮捕されました。
この事件を参考に、相次ぐ幼児虐待事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件概要(11月3日配信のMBSNEWSから引用

逮捕された男は、今年の10月17日、大阪府内の自宅において、交際相手の女性の4歳の長男をつかみ上げて床に落とす暴行を加えるなどして、左腕の骨を折る全治約3か月の重傷を負わせた疑いが持たれているようです。
逮捕された男は「イライラを抑えることができず。投げました」「イライラして布団に思いっきり投げた」と容疑を認めているようです。

発覚の端緒

報道された記事から、幼児の母親が「見ていない時に転んだかもしれない」と消防に通報したことから事件が発覚し、その後診察した医師が虐待と判断して警察に通報したものと思われます。
幼児の怪我は、通常の転倒や生活では起こりにくいケガだとし、強い外力が加わったことによるものだと判断されており、骨折の他にも左胸や腕などにひっかいたような傷や肩にやけどの痕があったということですので、警察としては幼児の怪我の程度から虐待しか考えられないと判断したものと思われます。
幼児に対する虐待事件は、被害者幼児を診察した病院の医師から警察に通報がなされて捜査が開始されることがほとんどですが、警察が、幼児から事情聴取することは非常に困難ですし、話せたとしても、親を庇ったり、親がいなくなることの不安や、更なる虐待をおそれたりして、なかなか被害者幼児から真相を聞き出すのは困難です。
ですから、警察等の捜査当局は状況証拠を積み重ねる捜査に時間がかかってしまい、事件発覚から逮捕まで時間を要する傾向にありますが、今回の事件は、発生から逮捕までが非常にスピーディーだったようですので、警察としては幼児の怪我の程度から虐待しか考えられないと判断したものと思われます。

幼児虐待で逮捕されると…

このような幼児虐待逮捕されると、当然、警察や検察は「暴行したのだろう」という考えを持って取調べで追及してきます。
そこで大切なのは、強い意志を持って取調べに臨むことですが、身体拘束の期間が長くなると弱気になり、取調官の言う事に真実なのかと思い込んで、自白に追い込まれそうになってしまうので、刑事事件に強い弁護士のサポートを受けることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、幼児虐待で逮捕された方に対して弁護士を派遣する 初回接見サービス を年中無休で受け付けておりますので、このサービスをご利用いただければ即日弁護士を派遣することが可能です。

初回接見サービスのご利用は
フリーダイヤル0120-631-881
まで、今すぐお電話を!!

ハプニングバーが摘発 公然わいせつ罪で逮捕

2023-11-08

大阪市北区のハプニングバーが摘発され、公然わいせつ罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件(フィクションです。)

先日、大阪市北区にあるハプニングバーが、大阪府曽根崎警察署の摘発を受け、お店の従業員と客の男女が逮捕されました。

上記の参考事件はフィクションですが、このようなハプニングバーが警察に摘発を受けるというニュース記事を目にした方も多いかと思います。
同じ趣味を持った人たちが集うお店を、なぜわざわざ警察が摘発し、逮捕までするのか?と疑問を持つ方もいるかもしれません。
そこで本日のコラムでは、このような事件で逮捕容疑となる「公然わいせつ罪」について解説します。

公然わいせつ罪

公然わいせつ罪は、その法律名のとおり、公然とわいせつな行為をした場合に成立する犯罪で、その犯行態様は様々です。
通行人に自身の下半身を露出する行為が代表的な公然わいせつ行為です。
この行為態様なら、目撃者が実質的な被害者となるので事件化されるのは納得しやすいでしょう。
同じようなもので、人前で性行為に及ぶ行為も、ハグやキス程度であれば事件化されることはありませんが、性器を露出しての行為は間違いなく摘発の対象となるでしょう。

このように人目に付く所で、性器を露出したり、性行為をすることは、社会的法益である性秩序を乱す行為であるため公然わいせつ罪で規制されています。

「公然と」とは

先の説明で、あえて「人前で」「人目につく所で」と表現しましたが、これらの場所は公然わいせつ罪でいう「公然と」に該当します。
ところで、今回の参考事件が発生した「ハプニングバー」は、公然性が認められて、公然わいせつ罪の規制対象となるのでしょうか?
答えは「イエス」です。
公然わいせつ罪でいうところの「公然」とは、不特定多数の人たちが認識できる、または認識する可能性のある状態を意味し、この認識する人たちが特定の人たちであっても、多数存在する場合は公然性が認められるとされています。
つまり、ハプニングバーのお客さんたちが、店内で露出や、性行為をする人たちが存在することを認識し、それを容認していたとしても、そういった人たちのいる中で、露出したり、性行為に及べば公然わいせつ罪となるのです。
そして、そういった場所を提供するハプニングバーの経営者や従業員は、公然わいせつ罪の幇助犯となり得ます。

公然わいせつ罪の罰則は?

公然わいせつ罪起訴されて有罪が確定すると「6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科せられます。
初犯の場合は、罰金刑となることがほとんどですが、罰金でも前科となり、その後の生活に支障が出ることもあるので、少しでも刑事処分を軽くしたい希望がある場合は弁護士に相談することをお勧めします。
また公然わいせつ罪逮捕された方の早期釈放を求めるのであれば、逮捕直後から、刑事事件に強い弁護士を弁護人として選任した方がよいでしょう。

阪神タイガース優勝 道頓堀川に飛び込んで逮捕?

2023-11-05

このコラムが公開された時は、すでに阪神タイガースの優勝が決まっているでしょうか?それとも、勝負の行方は第7戦にもつれこんでいるでしょうか。(本コラムは11月4日に作成しています。)

さて今年の日本シリーズは、セリーグ覇者の阪神タイガースとパリーグ覇者のオリックスバファローズと関西勢対決となり、特に大阪を中心とした関西では大きな賑わいを見せていますが、阪神タイガースの優勝と共に、テレビやネット上で話題になるのが「道頓堀川」です。
9月14日に、阪神タイガースがセリーグで優勝した際は、道頓堀川に26人が飛び込み、道頓堀川にかかる戎橋を中心に、1300人もの大阪府警の警察官が警戒に当たったようです。(9月15日配信のNHKニュースを参考

ところで、道頓堀川に飛ぶ込むと、警察に逮捕されたり、何か刑事罰を与えられるのでしょうか?

弁護士の見解

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の弁護士によりますと「私の知る限りで、道頓堀川に飛び込むこと自体を規制する法律はありません。従って、阪神タイガースの優勝を喜んで、戎橋から道頓堀川に飛び込んだことを理由に警察に逮捕されることはないでしょう。」とのことですが、絶対に刑事罰に問われないかというと、そうでもなさそうです。
弁護士によりますと「これだけの警察官が警戒している中で、警察官の阻止を振り切って道頓堀川に飛び込んだ場合、警察官を突き飛ばす等の暴行をはたらくと公務執行妨害に問われる可能性があります。また、軽犯罪法では、警察官等の公務員の制止を聞かず静穏を害し近隣に迷惑をかけることを規制しているので、川に飛び込まなくても、その周辺で騒ぎ立てる行為は、軽犯罪法違反となる可能性もあります。」とのことです。
なお、道頓堀川への飛び込み行為は、過去に亡くなった方がいるほど危険な行為です。犯罪にならないからといって決してしないでください。

公務執行妨害罪

本日のコラムでは弁護士が指摘した公務執行妨害罪について解説します。
公務執行妨害罪は刑法第95条に規制されている犯罪で、その内容は「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた~(以下省略)~」とされています。
今回のように雑踏警備にあたっている警察官を突き飛ばす等した場合、その行為は、公務執行妨害罪でいうところの「暴行行為」に当たることは間違いないので、その暴行行為によって警察官の職務が妨害されたり、実際に妨害されなくてもそういった危険性がある場合は公務執行妨害罪が成立する事は間違いないでしょう。
公務執行妨害罪の、法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」とされています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件に強い弁護士が所属する法律事務所です。
刑事時専門の弁護士による無料法律相談や、逮捕等によって警察に身体拘束を受けている方への接見を希望の方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら