女性への侮辱行為 侮辱罪で拘留
女性への侮辱行為が刑事事件に発展し、侮辱罪で拘留となった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
女性への悪口が侮辱罪として刑事事件に発展
1週間ほど前に、Aさんは大阪府豊中市のスナックで一人で酒を呑んでいました。
そこに居合わせた女性客のカラオケを不快に感じたAさんは、酒に酔っていたこともあり、女性に対して「デブ、下手な歌をやめろ!!」「豚が歌を歌うな!!」等と大声で罵りました。
スナックの店員から何度も制止されましたが、Aさんは、何度も侮辱行為を繰り返し、最終的に女性の連れ添いの男性客とトラブルになって警察が出動する騒ぎになりました。
そして大阪府豊中警察署の警察官に帰宅するように指示されたAさんは、そのまま会計を済ませて歩いて帰宅しました。
その数日後、大阪府豊中警察署の警察官から電話があり、「女性が侮辱罪でAさんを刑事告訴した」ことを知らされたAさんは、数回にわたって警察署で取調べを受けた後に、検察庁に書類送検されました。
警察や検察庁での取調べにおいて、Aさんは「酒に酔っていたので覚えていない」と、否認の供述を続けたところAさんは、起訴されてしまいました。
(フィクションです。)
侮辱罪
公然と人を侮辱すると「侮辱罪」となります。
侮辱罪とよく似た犯罪で「名誉棄損罪」がありますが、違いは、事実を摘示しているかどうかです。
これらの犯罪は人の社会的な名誉を保護することを目的にしていますが、犯罪の成立には、実際に社会的名誉を貶めることまで必要とされておらず、侮辱罪は「人を侮辱した」時点で犯罪が成立します。
つまり人前で、他人を侮辱するような悪口を言えば、その時点で「侮辱罪」が成立してしまうのです。
侮辱罪は親告罪ですので、検察官が起訴するためには被害者等の刑事告訴が必要となりなす。
ここ最近は、SNS利用者の増加に伴って侮辱罪がクローズアップされることがよくあります。
インターネット上への投稿も、投稿する内容によっては侮辱罪に抵触する可能性は十分にあり、場合によっては刑事事件化することがあるので、投稿内容には十分に注意しなければなりません。
侮辱罪に定められている法定刑は「拘留または科料」です。
拘留とは30日未満の期間で刑事施設に収容される自由刑のことで、科料とは1万円以内の金額を徴収される財産刑です。
このように法定刑は非常に軽いのですが、侮辱罪で有罪が確定するとこういった刑事罰の他に被害者から損害賠償を請求される可能性もあります。
侮辱罪が厳罰化
悪意のあるSNSの書き込みによって、社会的信用を失ったりする等の被害にあう人が増加していることから、侮辱罪が厳罰化されます。
現在侮辱罪には、上記したように「拘留または科料」という非常に軽い刑事罰が定められていますが、厳罰化されると、侮辱罪の法定刑は「1年以下の懲役もしくは禁錮又は30万円以下の罰金」となります。
侮辱罪で拘留
現段階では、侮辱罪の法定刑は非常に軽いので例え刑事事件化されたとしても、起訴される可能性は低く、それほど大事にならないのが大半ですが、中には刑事裁判で拘留が言い渡された事件例もあるので注意が必要です。
ここでは実際に拘留となった事件を紹介します。
元市議会議員の男性は、スナックに居合わせた女性に対し「そんなに太ってどうするんだ」「ドラム缶みたいだな」といった侮辱発言をした上に、女性の夫から注意されても、「デブにデブと言って何が悪い」と言い放ったようです。
怒った女性と夫は、この元市議会議員を侮辱罪で刑事告訴し警察の捜査が開始されましたが、元市議会議員は「相手の女性ではなく、お店のママに言ったことだ」と否認を貫きました。
その結果元市議会議員は、侮辱罪で起訴され、裁判所は「拘留29日」の判断を下したようです。
(3月26日配信の「現代ビジネス」から抜粋した内容です。)
侮辱罪に強い弁護士
「単に悪口を言っただけなのに・・・」「軽い気持ちでネットに投稿しただけなのに・・・」といった行為でも、侮辱罪に抵触し事件化するおそれがあるので注意が必要です。
最近では、ネットでの誹謗中傷が大きな社会問題となっていることを背景に、大阪府では「インターネット上の誹謗中傷や差別の防止を図る条例(4月1日施行)」の成立が可決しました。
こういったことから、ネット上での誹謗中傷行為の取締りが一層厳しくなることが予想されますので、侮辱罪に関することでお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の無料法律相談をご利用ください。
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