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【お客様の声】無許可でタクシー業(白タク) 保釈を獲得し執行猶予判決

2024-11-02

無許可でタクシー業(白タク)を行ったとして道路運送法違反で逮捕、起訴されるも、保釈を獲得し早期釈放を実現するとともに、刑事裁判では執行猶予判決を勝ち取り服役を免れることができた事件の、弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が紹介します。 

◆事件概要◆

50代の男性が、無許可で旅行客の送迎を行っていたという、いわゆる白タク事件です。
当初事件は在宅で進められていましたが、複数が事件に関与していることが発覚し、男性は警察に逮捕されて、その後20日間の勾留後に道路運送法違反で起訴されましたが、起訴後はすぐに保釈が認められて釈放されました。
そして刑事裁判では、ご家族が身元引受人となり監視監督を約束していることが評価されて執行猶予を獲得することができました。

◆結果◆

保釈認容
執行猶予獲得

◆事件経過と弁護活動◆

当初、男性は在宅で警察の捜査を受けており犯行を認めていましたが、自宅を捜索されて数週間後に逮捕されてしまいました。
弁護士は、警察に逮捕、勾留されている男性の接見を複数回行い、取り調べに対するアドバイスを行いました。
また勾留期間中の男性は接見禁止となっていたため、ご家族などが男性に面会することができませんでした。
そのため弁護士は、接見時に、ご家族からの伝言を男性に届けたり、逆に、男性からご家族への伝言を承ったりして、身体拘束による男性や、ご家族等に対する不利益が最小限にとどまるように努めました。
そして起訴される可能性が高まった段階で、公判に向けた準備を行うとともに、起訴後すぐにでも釈放されるように保釈請求の準備を行いました。
そうしたところ、男性は起訴されたその日のうちに保釈が認容され、裁判においても執行猶予を得ることができました。

【お客様の声】職場盗の容疑で取調べ 弁護士のサポートで不送致となった冤罪事件

2024-10-30

職場盗の容疑で警察の取調べを受けた方が 弁護士のサポートによって疑いが晴れ、不送致となった冤罪事件の弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が紹介します。 

◆事件概要◆

依頼者の勤めるドラッグストアで売上金が盗まれる窃盗事件が発生しましたが、売上金を保管している事務所に出入りしていたという理由だけで、警察から犯人だと疑われ、依頼者は警察から厳しい取り調べを受けていました。
依頼者は全くの冤罪で、弁護士は警察の取調べに対するアドバイスと行うとともに、依頼者に対して精神的なサポートを行ったところ、依頼者の疑いは晴れ、検察庁へは送致すらされませんでした。

◆結果◆

不送致

◆事件経過と弁護活動◆

今回の事件は、従業員しか出入りできない事務所内で発生した窃盗事件で、外部からの侵入形跡がないことから警察は職場盗事件として捜査していました。
売り上げを保管していた事務所には依頼者以外の従業員も出入りしていたようですが、どういった理由か、警察は、依頼者の犯行と決めつけたかのような厳しい取り調べを行っており、依頼者は非常に困惑し、不安を抱えていました。
そこで弁護士は、依頼者に対して取り調べに対するアドバイスを行うとともに、依頼者が、警察の厳しい取り調べに屈することがないよう、精神的なサポートを行いました。
そして警察に対しても冤罪事件である旨を申し入れるなどして、証拠がないのであれば、必要以上の捜査を行わないように申し入れるなどしたのです。
そうしたところ依頼者の疑いは晴れ、依頼者が検察庁に送致されることすらありませんでした。

【お客様の声】スーパーで万引き 店長の上申書により不起訴を獲得

2024-10-27

全国にチェーン展開するスーパーにおいて、お酒類を万引きした窃盗事件において、被害店舗の店長に、宥恕の内容の上申書を作成いただくことに成功し、不起訴を獲得した、弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が紹介します。 

◆事件概要◆

事件を起こしたのは80台の高齢の男性です。
男性は、よく利用するスーパーで、酒類などの食料品4000円相当を万引きし現行犯逮捕されていました。
男性は、家族がお迎えに行ったことから釈放されましたが、同種の前科があることから、当初は何らかの刑事罰が予想されていました。
しかし弁護士が、被害店舗の店長様と交渉を重ね、店長様に宥恕の内容の上申書を作成いただくことができたために不起訴を獲得することができました。

◆結果◆

不起訴

◆事件経過と弁護活動◆

男性は2年前に同様に万引き事件を起こした前歴がありました。
そのような場合、不起訴を獲得するには、単にお店に対して被害弁償しているだけでは足りないことがあり、事件によっては宥恕条項のある示談を、検察官に求められることがあります。
しかし今回の被害者となる店舗は全国にチェーン展開するスーパーで、会社の方針で被害弁償は受け付けてもらえるものの、示談には一切応じない方針でした。
しかし粘り強く弁護士が店長と示談交渉をしたところ、示談書の作成までは応じてもらえなかったもの、店長に宥恕の内容を含んだ上申書を作成していただくことができました。
そしてこの上申書が決め手となり、検察官は不起訴を決定しました。

【お客様の声】派遣型性風俗でキャストを盗撮 キャストとお店双方と示談して不起訴

2024-10-24

派遣型性風俗店を利用した際に、派遣された女性キャストからサービスを受けている状況を小型カメラで隠し撮りした盗撮事件において、女性キャストとお店双方と示談したことによって不起訴となった、弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が紹介します。 

◆事件概要◆

事件を起こしたのは40代の会社員、男性です。
男性は、派遣型性風俗店(デリバリーヘルス)を利用し、自宅に派遣されてきた女性キャストからサービスを受けている際に、その様子を小型カメラで盗撮しました。
盗撮被害に気付いた女性キャストがお店に助けを求め、お店を通じて警察に被害届が提出されてしまい、刑事事件に発展したわけですが、警察の捜査中に、女性キャストとお店双方との示談が成立したことによって、検察庁に送致後に不起訴となりました。

◆結果◆

不起訴

◆事件経過と弁護活動◆

今回の事件は、性風俗店における盗撮事件の典型的なものでした。
このような性風俗店における盗撮事件では、盗撮の被害者となる女性キャストと示談するのが一般的ですが、今回の事件では、男性が、以前にも別の女性キャストに対して同様の盗撮行為を行っていたことがお店側に発覚していたことから、お店との示談も必要となりました。
男性にとっては示談金が高額に及ぶデメリットがありましたが、お店との示談書の内容は、以前の盗撮行為にまで言及しており、今後、男性が以前の盗撮行為で刑事責任を追及されることがないメリットもありました。
また女性キャストやお店としっかりと示談したことによって、事件は検察庁に書類送検されたものの、男性が検察庁に呼び出されることなく不起訴が決定しました。

【お客様の声】駅のエスカレーターで盗撮 不処分を獲得

2024-10-21

駅のエスカレーターで盗撮した少年事件において、不処分を獲得した弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が紹介します。 

◆事件概要◆

19歳の少年が駅のエスカレーターで女性のスカート内を隠し撮りした盗撮事件です。
事件を起こした少年は犯行時に被害者によって現行犯逮捕されましたが、ご両親が警察署に迎えに行って釈放されていました。

◆結果◆

不処分

◆事件経過と弁護活動◆

この事件は、盗撮罪が施行される前の事件だったので、大阪府の迷惑防止条例違反が適用されていました。
典型的な盗撮事件ですが、今回の事件の問題は、事件を起こした少年がまもなく成人(20歳)を迎えることでした。
少年法が適用されるのは、少年審判時に20歳未満の少年ですので、もし警察の捜査や、家庭裁判所の調査が長引いて20歳の誕生日を迎えてしまうと、家庭裁判所から検察庁に逆送されて、成人事件と同じ扱いを受けてしまい、場合によっては刑罰を受けなければならなくなってしまいます。
そのため弁護士は、そういった必要以上の不利益を回避するために家庭裁判所に少年審判を可及的速やかに行うように働きかけました。
また、それと並行してご家族とともに再発防止策を講じたり、被害者様に対する示談交渉を行いました。
その結果、家庭裁判所に送致後、約1か月という短い期間で少年審判が行われて、不処分の結果を得ることができたのです。

【お客様の声】クーポンを悪用した電子計算機使用詐欺事件 示談により不送致

2024-10-18

全国展開する大型量販店において、お店が発行する電子クーポンを悪用し、不正に商品を購入した電子計算機使用詐欺事件において、お店側に被害弁償をして検察庁への送致を免れた弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が紹介します。 

◆事件概要◆

事件を起こしたのは30代の会社員、男性です。
男性は、全国展開する大型量販店をよく利用しており、そのお店のアプリ会員でもありました。
男性は、お店が購入金額に応じて発行している電子クーポンを、複数のスマートホンを使用して不正に取得し、不正取得したクーポンを利用して買い物をしていたのです。
同じ手口で不正に買い物を繰り返していた男性は、ある日、お店の通報で駆け付けた警察官によって検挙されてしまいました。

◆結果◆

不送致

◆事件経過と弁護活動◆

今回の事件は、お店が被害者となる財産犯事件でした。
この類の事件は、事件を起こした人に前科がなければ、お店と示談して被害弁償することによって、不起訴となるケースが多いのですが、逆に、示談や被害弁償がなければ何らかの刑事罰が科せられる可能性が高くなります。
また全国展開する大型店や、コンビニなどは、会社の規定で犯罪行為に対して厳しい姿勢を貫いており、弁護士を選任したとしても、示談を締結したり、被害弁償を受け取ってもらうことは非常に困難です。
そういったことから、今回の事件もお店側との交渉が難航するかと思われましたが、弁護士が、お店の代表者と粘り強く交渉を続けたところ、何とか被害弁償を受け取ったもらうことができました。
そしてその結果を警察に報告したところ、お店側に被害弁償ができていることが高く評価され、それ以上の捜査は打ち切られ、検察庁への送致も免れることができました。

【お客様の声】自転車に放火した器物損壊事件 観護措置を回避

2024-10-15

自転車に放火した器物損壊の少年事件において、観護措置の回避に成功した弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が紹介します。 

◆事件概要◆

中学生の少年が、他人の自転車に放火した器物損壊事件です。
当初、事件を起こした少年は警察に逮捕されていましたが、勾留されることなく釈放され、その後は在宅に切り替えられて、警察の捜査が進みました。
そして家庭裁判所に送致後は観護措置による身体拘束が予想されましたが、弁護士が家庭裁判所に対して働きかけて観護措置を回避することができ、少年は、家庭裁判所の調査も在宅で受けることができました。
最終的に少年審判で、児童相談所長送致となり厳しい処分を免れることができました。

◆結果◆

観護措置回避
児童相談所長送致

◆事件経過と弁護活動◆

この事件は、立件罪名こそ器物損壊罪でしたが、損壊方法が放火という一歩間違えれば大きな被害になりかねない非常に悪質なものでした。
そのため厳しい処分が予想されましたが、警察の捜査や、家庭裁判所の調査期間中に、少年の更生に向けた取り組みを行うことによって、少年審判では、児童相談所長送致となり厳しい処分を免れることができました。
そして何よりも、事件を起こすまで少年は、登校拒否で、家庭内でもあまり親と会話がなかったようですが、この事件をきっかけに親との会話が増え、学校にも徐々に登校できるようになったといいます。
親御さんが「息子の表情が明るくなった」と言っていたのがとても印象的で、今回の活動が少年の更生だけのためではなく、少年の将来に向けてお役に立てたのだとうれしく思える事件でした。

岸和田市の暴走族少年 共同危険行為で逮捕

2024-10-11

岸和田市の暴走族少年が、共同危険行為で逮捕された事件を参考に、共同危険行為と弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

A君は、高校を中退後、同じ環境の友達と交際し、夜な夜な、バイクでの暴走行為を繰り返していました。
そんなある日、A君は大阪府岸和田警察署に共同危険行為で逮捕されてしまいました。

(フィクションです。)

共同危険行為

共同危険行為という言葉は、聞き慣れない方も多いかと思います。
共同危険行為は道路交通法68条に規定があり、「二人以上の…運転者は、道路において二台以上…連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。」とされています。
これは、2台以上でいわゆる暴走族が行う、広がり行為や蛇行走行等が当てはまります。

違反した場合、「二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」に処されます。(道路交通法117条の3)※少年は刑事罰の対象外

観護措置回避を求めた弁護活動

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、刑事・少年事件専門の事務所です。
弊所弁護士は、これまで多数の少年事件を取り扱ってきました。

暴走族少年による共同危険行為のうち少年事件の場合、逆送致がなされない限り、裁判で罰金や懲役に処されるわけではなく少年審判によって処分が決定します。

この審判を行う上で、裁判官は必要に応じて少年の精神鑑定を行います。
精神鑑定は、基本的に少年鑑別所という施設に送られます。
少年鑑別所に送致された場合、最大で8週間の身体拘束が為されます。
その期間、少年は学校や職場に行けず、退学・解雇される可能性があります。

まずは弁護士に相談を

岸和田市の少年事件に関するご相談、共同危険行為で逮捕された少年の弁護士接見は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にお任せください。

家庭内のDV事件で逮捕 釈放を早めるには?

2024-10-05

家庭内のDV事件で逮捕された方の釈放を早めるにはどうすればよいかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

会社員のAさんは、大阪府池田市のマンションで妻と二人で暮らしています。
このマンションで先日、妻と言い争いになり、Aさんは思わず妻の髪の毛を引っ張り床に引きずり倒す暴行に及んでしまいました。
そして感情的になった妻が110番通報したことによって駆け付けた大阪府池田警察署の警察官によって、Aさんは警察署に連行されて取調べを受けることになったのです。
時を同じくして自宅で警察官から事情聴取を受けていたAさんの妻は、警察官に暴行を受けた事実を説明するとともに、警察官の勧めで病院を受診し、治療を受け全治2週間の打撲傷と診断されたのです。
その後冷静になったAさんの妻は、警察官に「被害届を提出する気はない。夫が反省してもう二度と暴力を振るわないと約束してくれればそれでいい。」と説明したのですが、警察はAさんの逮捕状を取得し、Aさんを傷害罪逮捕したのです。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

上記した参考事件のような家庭内のDV事件はよくあるケースです。
こういったケースのDV事件では、被害者が加害者の逮捕を望まなくても警察が逮捕してしまうことは珍しくありません。
そこで本日は、家庭内のDV事件で逮捕された方の釈放を早めるための何ができるのかについて解説します。

家庭内のDV事件

家庭内でなければ、警察は、暴行や傷害事件の捜査は被害者からの被害届を受けて行うのが通常で、被害者が被害申告をしなければ加害者を逮捕どころか、捜査すらしないでしょう。
しかし家庭内のDV事件の場合は、そうではありません。
今回の事件のように、例え被害者が「被害届を提出しない。」「処罰を望まない。」と警察官に言ったとしても、警察は加害者を逮捕する場合があります。

被害届がなくても逮捕できるの?

よく「被害届(被害申告)がないのに逮捕できるの?」という質問がありますが、法律的に被害者が被害届を提出しなくても、警察は、裁判官に逮捕状を請求し、裁判官が逮捕状を発付さえすれば犯人を逮捕することができます。
また現行犯逮捕や、緊急逮捕に限れば、警察官の判断で逮捕しても、逮捕の要件さえ満たしていれば何ら違法逮捕とはならず、逮捕の要件には「被害者の意思」は含まれていません。
当然みなさんは、「どうして逮捕するの?」と思われるでしょうが、それは警察側は、家庭内の問題であるものの、少しでも警察が介入した以上、取れるべき措置があるのに対処せずに取り扱いを終えてしまうと、その後、何か大きな事件に発展してしまった場合に責任を追及されるからではないでしょうか。

どうすれば早く釈放されるの?

こういった家庭内のDV事件逮捕された方の釈放を早めるには、当事者同士が距離をおいて生活する環境をつくることが一番です。
こういった事件は、事件に至るまでにお互いが感情的になっているケースがほとんどなので、お互いが冷静になれるまでは距離をおいて接触しないことが一番なのです。
また釈放後の加害者については、監督者を付け、行動を制限することで釈放される可能性が高まります。
ただ被害者が重傷を負っている場合や、日常的にDV行為をしていた場合は、こういった措置を講じても釈放されないことがあります。

まずは弁護士に相談

家庭内のDV事件でお困りの方や、こういった事件で警察に逮捕された方の早期釈放を求める方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では刑事事件に関するご相談 フリーダイヤル0120-631-881 にて、24時間年中無休で承っております。

息子を使って窃盗 間接正犯を解説

2024-09-29

12歳の息子に高級時計を窃盗させた事件を参考に、間接正犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

大阪府門真市に住むAさんは、お金に困っており、友人が所有している高級時計を盗んでお金に変えようと考えました。
Aさんは、自ら犯行を実行して捕まることを避けるために、12歳の息子に、友人の家に侵入させて、時計を盗むように命じました。
息子は、人の物を盗むことは悪いことと知っていましたが、Aさんから日常的に虐待を受けていたことから、逆らうとまた殴られてしまうと考え、Aさんの言うとおりに犯行を実行しました。
(フィクションです。)

刑事未成年者

刑事未成年者とは、14歳未満の者をいい、法律上刑罰を科されない者のことです。

本件では、Aさんの息子は、被害者宅に侵入して、時計を窃取しているので、息子の行為には住居侵入罪(刑法130条)と窃盗罪(刑法235条)が成立するように思われますが、12歳の息子は、刑法41条に「14歳に満たない者の行為は、罰しない。」と定めがあるため刑事罰の対象とはなりません。

間接正犯

間接正犯とは、他人を道具として利用して犯罪を実現した場合には正犯として扱われるというものです。
この間接正犯は、自ら手を下して犯罪を実行したわけではないにも関わらず犯罪が成立するので、間接正犯が成立するには

・正犯意思を持っていて
・他人の行為を道具として一方的に支配・利用していることが必要

であると考えられています。
Aさんは、実際に犯罪にあたる行為を行ったわけではないので、窃盗罪の正犯(自ら犯罪を実現した者)が成立しないようにも思えます。
しかし、自分の利益のために息子に犯罪行為を命じ、Aさんが正犯として処罰されないのは妥当ではありません。

正犯意思について

正犯意思とは、自ら犯罪を実現する意思のことを言います。
本件でAさんは自身がお金に困っているのを解消するために、友人の時計を盗んでいることから、自分のために窃盗行為を行う意思を有していたといえます。
したがって、Aさんには正犯意思が認められます。

他人の行為を道具として一方的に支配・利用していたか

息子は、人の物を盗むことは悪いことであると知りながらも、Aさんに逆らうことが出来ずに、本件犯行を実行しています。
このような場合においては、息子の行為は畏怖・抑圧された状況下でなされており、息子はAさんから新たな暴行を受けることを恐れて窃取行為の命令に応じたといえます。
その為、日常的な暴行を行っていたAさんは、息子の行為を道具として一方的に支配・利用していたと認められるでしょう。

上記理由により、Aさんに住居侵入罪と窃盗罪が成立することになります。
窃盗目的で住居侵入が行われているので、両罪はけん連犯(刑法54条1項後段)として扱われます。

参考条文

住居侵入(刑法130条)
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入した者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

窃盗(刑法235条)
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

けん連犯(刑法54条1項)
けん連犯とは、1個の行為が2個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、刑事事件事件を起こしてしまった方からの法律相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は フリーダイヤル0120-631-881にて、24時間、年中無休で受け付けております。
少しでも不安だと感じておられるのであれば、まずは気軽にお問合せください。

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