高速道路上において、約4キロにわたってあおり運転を繰り返し、走行車線上に車を停止させたとして大阪府の大学生Aは、暴行罪で大阪府警に逮捕されました。
(フィクションです)
あおり運転に対して暴行罪が適用されるのでしょうか?大阪の刑事事件に強い弁護士が解説します。
1 あおり運転
昨年、東名高速道路においてあおり運転によって2名の方が死亡する事件が発生し、世間を騒がせました。
この事件で逮捕された男は、危険運転致死罪で起訴されています。
あおり運転とは、走行中の車に対して急接近したり、急停車させたり、幅寄せしたり、蛇行運転することによって、走行中の車を威嚇し、走行を妨害する行為です。
これらの行為は、道路交通法違反に抵触し行政処分を受けたり、あおり運転が原因で交通事故を起こせば過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪等で刑事罰を受ける事になります。
2 暴行罪
昨年のあおり運転による死亡事故の発生をうけて、警察庁はあおり運転の取締りを強化するように全国の警察に対して指示を出しました。
その内容は、あおり運転による交通事故を未然に防止するために、取り締まりを強化し、道路交通法での行政処分を科せるだけでなく、暴行罪を積極的に適用し、あおり運転に対しては、厳しく対処するといったものです。
そもそも暴行罪とは、他人に対して不法に有形力を行使することによって成立する犯罪で、あおり運転についても、暴行罪の「暴行」に当たるという見解が有力です。
暴行罪で起訴されて有罪が確定すれば「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科せられます。