~刑法を解説~ 第33章 略取、誘拐及び人身売買の罪~①~

刑法を解説~42回目の本日は、第33章略取、誘拐及び人身売買の罪~①~について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

略取、誘拐及び人身売買の罪~①~

本日は、第33章略取、誘拐及び人身売買の罪に規定されている中から

第224条 未成年者略取罪・誘拐罪
第225条 営利目的等略取罪・誘拐罪
第225条の2 1項 身代金目的略取罪・誘拐罪
        2項 拐取者身代金取得罪・拐取者身代金要求罪
第226条 所在外国移送略取罪・誘拐罪 

について解説します。

この章では、略取罪誘拐罪について規定されいます。
略取罪誘拐罪は、人をその本来の生活環境から離脱させて自己又は第三者の実力支配下に移すことによって成立する犯罪ですが、その手段が異なります。
誘拐罪は、その手段が欺罔や誘惑に限られており、それ以外の手段が用いられた場合は略取罪となります。

第224条では、未成年を略取、誘拐することで成立する、未成年者略取・誘拐罪が定めらています。
未成年者略取罪・誘拐の客体となるのは民法第4条に規定されている「未成年」ですので、18歳未満の者を意味します。
また未成年者本人の承諾があったとしても、親など保護監督権のある者の許可なく、未成年を本来の生活環境から離脱させて自己又は第三者の実力支配下に移すと、未成年者略取罪・誘拐が成立するので注意が必要です。
そして第225条の営利目的等略取罪・誘拐罪では、営利やわいせつ、結婚や生命や身体に対して危害を加えることを目的にした略取、誘拐行為を禁止しています。

第225条の2では、近親者その他略取・誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させる目的で、人を略取・誘拐することによって成立する、身代金目的略取罪・誘拐罪が規定されています。
最近はあまり発生することがなくなりましたが、戦後間もない昭和30年代には、身代金目的に略取・誘拐する事件が頻発しており、前条の営利目的等略取罪と区別し、よりも厳しく処罰するためにできた法律だと言われています。
また身代金目的略取罪・誘拐罪は、予備行為も処罰の対象となります。(第228条の3)
そして第225条の2第2項で規定されている、拐取者身代金取得罪・拐取者身代金要求罪は、略取・誘拐した犯人が、近親者その他略取・誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、財物を交付させたり、財物を要求した場合に成立します。

本日最後となる第226条の所在外国移送略取罪・誘拐罪は、所在国外に移送する目的で、人を略取・誘拐することによって成立する犯罪です。

略取、誘拐及び人身売買の罪の罰則~①~

①未成年者略取罪・誘拐罪の法定刑は「3月以上7年以下の懲役」です。
②営利目的等略取罪・誘拐罪の法定刑は「1年以上10年以下の懲役」です。
③身代金目的略取罪・誘拐罪の法定刑は「無期又は3年以上の懲役」です。
④拐取者身代金取得罪・拐取者身代金要求罪の法定刑は「無期又は3年以上の懲役」です。
⑤所在外国移送略取罪・誘拐罪の法定刑は「2年以上の有期懲役」です。

「~刑法を解説~第33章略取、誘拐及び人身売買の罪~②~」に続く

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