【事件速報】大阪府警が同じ男性を二度も誤認逮捕!!

先日、大阪府警が同じ男性を二度も誤認逮捕したというにわかに信じがたい事件が報道されました。本日はこの事件を弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容(7月10日配信の毎日新聞記事を引用

今回誤認逮捕された男性は、まず4月12日、知人女性に対して危害を加える旨のメールをSNSで送信したとして、脅迫強要未遂の容疑で逮捕されました。
この事件で勾留が決定した男性は、その勾留満期となる5月2日に、今度は、女性の友人らにわいせつ画像をSNSで送ったとして、リベンジポルノ防止法違反の容疑で再逮捕され、20日間の勾留満期となる5月23日に処分保留で釈放されたようです。
記事によりますと、メッセージや画像は複数のアカウントから3月下旬以降に送られていたようですが、送信元となる一部のアカウントに男性の名字が含まれていたことなどから、被害女性が、警察に対して男性からの被害だと警察に訴えていたようです。
そして相談を受けた警察は、逮捕前に、男性に2回電話し、画像やメッセージを送らないよう口頭で警告したということですが、その直後、再び脅迫的なメッセージが女性に送られてきたため、警察は女性の安全確保を優先して逮捕に踏み切ったということです。
ただ逮捕された男性は、逮捕当初から一貫して容疑を否認しており、全くの冤罪が証明されたのは男性が釈放された後だということです。

逮捕罪名

まず男性が逮捕された罪名について解説します。
最初の逮捕は、脅迫罪強要未遂罪という事です。
脅迫罪は刑法第222条に『生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。』と定められている法律です。
また強要(未遂)罪は、相手方またはその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加える旨を告知して脅迫し、または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害する事で成立する犯罪で、刑法223条に規定されており、その法定刑は、3年以下の懲役です。
今回被害にあった女性は「性的画像を友人に送る。」等とメールで脅迫されていたようです。
続いて再逮捕された罪名は、リベンジポルノ防止法違反のようです。
リベンジポルノ防止法は、正確には『私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律』という、あまり聞きなれない法律名の略称です。
この法律の中で、同意を得て撮影したわいせつ画像を、相手の同意を得ることなく、被写体となっている人を特定できるかたちで不特定又は多数に提供することを禁止しており、これに違反すると3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。
今回の事件では、脅迫等の被害女性のわいせつ画像が、女性の知人に送信されたようです。

なぜ誤認逮捕が?

今回の報道を見ていると、警察は誤認逮捕の理由について、女性のもとに送られてきたメールアカウントの一部に誤認逮捕された男性の名前が含まれており、実際に女性が、この男性を容疑者として名前を挙げたこと、そして何よりも、警察が事件を認知し、誤認逮捕された男性に対して警告した後も、脅迫メールが女性に届いたことから、女性の安全確保を優先したためだとしているようです。
確かに警察の発表に納得できることもありますが、何よりの原因は、先入観に支配された『思い込み捜査』ではないでしょうか。
被害者の言うことを鵜呑みにし、十分な裏付け捜査をしないままに逮捕状を請求し、実際に逮捕した警察の責任は重いでしょう。
また送致後に捜査指揮を執ったであろう検察にも責任はあるでしょう。
このような事件の犯罪捜査は、基本的に警察が行いますが、検察庁に送致後は捜査指揮権が検察官となり、警察は検察官の指揮のもとで捜査を行うので、勾留を請求するかどうかの判断も最終的には検察官がくだします。
そういった意味で、1ヶ月以上にもわたって身体拘束が続いた責任の一端は検察官にもあるといえるでしょう。

誤認逮捕を回避するには・・・

今回の事件に限っては、捜査当局の裏付け捜査が十分になされていない状態で、逮捕、勾留という手続きが進んでしまったようですので、誤認逮捕された男性や、その弁護人が、何か対処することによって、誤認逮捕を回避したり、身体拘束を短くするのは難しかったのですはないでしょうか。
逆に、一カ月以上にも及ぶ身体拘束の中で、厳しい取調べを受けながらも一貫して否認を突き通すことが、出来る対処としては限界だったのではないでしょうか。

まずは弁護士に相談を

ある日突然、やってもいない事件で逮捕された…
にわかに信じがたい出来事ですが、このコラムをご覧の方が、明日、そのような自体に陥ってしまう可能性があるのです。
そんな時は、迷わず弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にご相談ください。
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