~事件~
会社員Aは、3年前、JR大阪環状線の電車内で痴漢したとして大阪府警に逮捕され、その後起訴されていました。
Aは逮捕から一貫して無罪を訴えており、大阪の刑事事件に強い弁護士を選任して刑事裁判にのぞんでいました。
先日、大阪地方裁判所で、Aに対して無罪判決が言い渡されました。
(この事件はフィクションです。)
痴漢事件の現状
電車内の痴漢は、各都道府県の迷惑防止条例違反になります。(強制わいせつ罪に問われる場合もある。)
大阪府内で痴漢事件を起こすと、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反となり、その罰則規定は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
電車内の痴漢事件は満員電車の中で発生することが多く、被害者自身が犯人を間違えてしまったりして、Aのように全く無罪の方が、犯人とされることも少なくありません。
しかし、一度犯人とされると、無罪を証明する事は非常に困難なものです。
そのため最近は、痴漢事件で犯人として疑われた方が、線路内を走って逃走する等の事件が発生しています。
痴漢の犯人と疑われたら
一部では「痴漢の犯人として疑われた逃げろ。」と言われていますが、逃げることによって疑いが増しますし、逃げ方によっては別の罪に問われることもあるのでお勧めできません。
痴漢の犯人として疑われた場合、まずは、目撃者等の協力者を確保することをお勧めします。
電車等の公共の乗り物には、不特定多数の人が乗車しているので、後から目撃者を探すのは非常に困難です。
もしかすれば、痴漢を疑われている方の無罪を証明してくれる方がいるかもしので、できる限り自分の周辺にいた方を確保するようにしてください。
そして何れの場面においても、自分の意に反した内容を口にしないでください。
女性から「謝ったら大事にしないですよ。」とか、警察官から「認めたら逮捕しないよ。」等といった事を言われますが、自分の意に反した内容を口にしてしまうと、痴漢を認めたと捉えられますし、後の裁判では、その一言が、刑事処分を左右することもあります。
そして最後に一刻も早く弁護士に相談してください。
もし逮捕されてしまえば携帯電話機を押収されて一切の連絡が取れなくなってしまいます。
その様な事態に陥る前に、ご家族、ご友人に電話して現状を伝えることができれば、その後、逮捕されたとしても、その方を通じて弁護士に連絡を取ることができます。