スーパー銭湯における盗撮事件

スーパー銭湯における盗撮事件

 

公衆浴場での盗撮事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

~事例~

Aさんは、大阪市浪速区のスーパー銭湯の脱衣場において、父親と入浴していた5歳の女児の裸を、スマートフォンで盗撮しました。
盗撮に気付いた女児の父親に捕まったAさんは、通報によって駆け付けた大阪府浪速警察署の警察官に連行されて大阪府浪速警察署で取調べを受け、スマートフォンを押収されました。
(フィクションです)

カメラ機能が搭載されたスマートフォンが普及し、盗撮事件が非常に身近になっています。
そのため、大阪府内での盗撮事件の発生件数は増える一方で、警察等の捜査当局も取締りを強化しています。
こちらのコラムでも様々な盗撮事件を紹介し、大阪府内の盗撮事件は、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例に違反することを解説してまいりましたが、本日は、この条例の他に、盗撮事件に適用される可能性のある児童ポルノ法を紹介します。

◇大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反(迷惑防止条例違反)◇

大阪府内での盗撮行為を禁止している代表的な法律が、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例です。
この条例で禁止されている盗撮行為には様々な形態があります。
公共の場所や乗物(第6条第1項第2号、同第3号)、公衆浴場や便所、更衣室等人が衣類を着けないで状態でいる場所(第6条第2項)、教室や事務所などのように不特定又は多数の者が出入り、利用する場所や乗物(第6条第3項)における盗撮を禁止している他、公共の場所や乗物、公衆浴場や便所、更衣室など人が衣類を着けないで状態でいる場所(第6条第1項第2号、同第3号、同第2項)においては人にカメラを向けたり、設置することも禁止(第6条第4項)しています。

スーパー銭湯の脱衣場における盗撮事件で、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反が適用された場合、その行為は同条例第6条第2項に抵触します。
法定刑は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が規定されており、その量刑は、同種前科、前歴の有無によって大きく左右されるでしょう。
被害者等との示談が成立(和解)していれば不起訴処分となる可能性が高いですが、示談が成立(和解)していない場合でも、初犯であれば略式罰金となる事件がほとんどです。

◇盗撮による児童ポルノ製造罪◇

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」とする)に児童ポルノに関する規定(第7条)があります。
この法律でいう児童ポルノとは
児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為にかかる児童の姿態(第2条第3項第1号)
他人が児童の性器を触る行為又は児童が他人の性器を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(第2条第3項第2号)
衣類の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部分(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの(第2条第3項第3号)
の、写真や動画、これらが記録された電磁的記録媒体です。
そして、児童ポルノに関しては、単純所持、提供、製造、輸出入等が禁止されているのですが、児童ポルノ法第7条第5項で、盗撮による児童ポルノ製造罪が規定されています。
児童ポルノ法では、児童ポルノの盗撮行為について「ひそかに」という表現を使用しています。
ここでいう「ひそかに」とは、児童が利用する脱衣場に隠しカメラを設置して盗撮するような、描写の対象となる児童に知られることのないような態様を意味します。
盗撮による児童ポルノ製造罪の法定刑は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。
ちなみに、Aさんの行為は、盗撮した画像の内容にもよりますが、盗撮による児童ポルノ製造罪に抵触する可能性があります。

大阪市浪速区盗撮事件でお困りの方、スーパー銭湯の脱衣場で盗撮事件を起こしてしまった方は、大阪で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
大阪府浪速警察署までの初回接見費用:35,400円

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