~事件~
大阪市旭区に住む無職Aさんは、近所のコンビニで万引きを繰り返していました。
これまで万引きしたのは、おにぎり等の食料品や、缶ビール等のアルコール飲料で、販売価格にすると千円以下の商品ばかりです。
3日前も、このコンビニに万引き目的で入店しましたが、この日は商品を持って店内を物色していたところ店員に声をかけられてしまいました。
そして、通報で駆け付けた警察官に大阪府旭警察署に任意同行されて取調べを受けたのです。
Aさんは、今後の処分が不安で刑事事件専門の弁護士に法律相談しました。(フィクションです。)
1 万引き
万引き事件は窃盗罪に当たります。
万引き事件は、「商品を持って店外に出なければ警察沙汰にならない」と思っている方もいるかもしれませんが、全ての事件がこれに該当するわけではありません。
窃盗罪の既遂時期については学説上①接触説②取得説③移転説④隠匿説に分かれていますが、通説・判例上は②取得説をとっています。
取得説では、目的物を自己又は第三者の占有に移転した時に窃盗罪が既遂に達するとされており、万引き事件では、犯人が盗む目的の商品を持って店内にいる時は、まだ完全に占有権が犯人に移転していないと考えられることから、窃盗罪が成立しないと言われているようです。
しかし全ての事件がそうではありません。
例えば、Aさんのように万引き目的で入店した場合を考えると、商品をカバンや、衣類に隠す行為があれば、その時点で商品の占有が、お店から犯人に移転したと捉えることができるので、犯人がお店から出なくても窃盗罪が成立する可能性があります。
何れにしても、法律上は、万引きの目的で入店した場合、万引きする目的物を手にした時点で窃盗の着手が認められるため、窃盗未遂罪は成立することになります。
2 万引きの量刑
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
被害額が少ない万引き事件であれば、初犯であれば不起訴処分(微罪処分)や略式罰金となるケースがほとんどですが、余罪が多数ある場合や、再犯の場合は、起訴される可能性があります。
万引きのような窃盗事件は、被害者に被害弁償したり、被害者と示談することで刑事処分が軽減される可能性が非常に高い刑事事件です。
大阪市旭区の万引き事件でお困りの方、窃盗罪に強い弁護士をお探しの方は、大阪の刑事事件専門の法律事務所『弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所』にご相談ください。