~事件~
大阪市西成区の路上で覚せい剤を密売して生計を立てているAさんは、覚せい剤約40グラムを所持していたとして、覚せい剤取締法違反で大阪府西成警察署に逮捕されました。
覚せい剤の営利目的所持を疑われているAさんは、刑事事件に強い弁護士を選任しました。
(フィクションです。)
覚せい剤取締法(営利目的所持)
覚せい剤取締法では覚せい剤の所持を禁止しています。
そして覚せい剤の所持違反には『単純(非営利目的)所持違反』と、『営利目的所持違反』の2種類がありますが、今回は『営利目的所持違反』について解説します。
覚せい剤の営利目的所持違反で起訴され、有罪が確定すれば「1年以上の有期懲役(情状により500万円以下の罰金)」が科せられます。
覚せい剤の単純(非営利目的)所持違反の法定刑が「10年以下の懲役」であるのに比べると非常に厳しいことがわかります。
営利目的とは、覚せい剤を所持する動機、目的が、覚せい剤を販売、譲渡することで財産上の利益を得たり、第三者に得させるためであることです。
覚せい剤の営利目的所持は、『①所持している覚せい剤の量』『②覚せい剤以外の所持品』『③密売事実』等から裏付けられます。
その詳細は下記のとおりです。
①覚せい剤は、一回の使用量が約0.02グラムだといわれています。この量を大きく上回る場合は営利目的の所持が疑われます。
②覚せい剤は2~3回分の量を、「パケ」と呼ばれるチャック付きのポリ袋に入れて密売されるケースが多いため、小分けするためのパケを大量に所持していたり、小分けする量を計る電子計り等を所持していた場合は、営利目的の所持が疑われます。
③販売を裏付けるメモや、メールのやり取りが発覚したり、実際に購入者が捕まったりしている場合は、営利目的の所持が疑われます。