【大阪高等裁判所で逆転無罪】覚せい剤の強制採尿を薬物事件に強い弁護士が解説

先日、大阪高裁裁判所で行われた覚せい剤使用事件の控訴審で逆転無罪の判決が言い渡されました。
(平成30年8月30日に配信された報道各社のネットニュースを参考にしています。)

報道によりますと、この事件は、昨年6月、大阪府内で警察官の職務質問を受けた男性が任意採尿を拒否して自宅マンションに帰宅した際、警察官は男性から強制採尿するための捜索差押許可状を裁判所に請求しましたが、令状が発付されるまで約1時間半にわたって、警察官は、男性にマンションの部屋のドアを閉めさせず、廊下から男性を監視していたようです。
令状発付後、男性は強制採尿された尿から覚せい剤反応がでたので緊急逮捕され、その後起訴されていました。
大阪地方裁判所で行われた第一審で、男性は懲役2年10月の有罪判決を受けましたが、今回の控訴審の裁判官は、警察官が令状請求をしている間、男性のマンションの部屋のドアを閉めさせなかったことについて「プライバシーを大きく侵害する違法行為」と指摘した上で「令状主義の精神を無視する重大な違法」として尿の鑑定書について証拠能力を否定し逆転無罪の判決を言い渡しました。

~強制採尿~

覚せい剤の使用は、尿から覚せい剤成分が検出されるか否かで判断されます。
尿鑑定に使用する尿については、基本的に任意で採尿した尿を使用しますが、被採尿者が任意採尿を拒否した場合は、裁判官の発した令状(捜索差押許可状)によって強制採尿されます。
警察官は、強制採尿の必要性を明記した書類を用意して裁判所に対して令状請求するのですが、警察官が疎明資料を準備する時間を含めると、令状が発付されるまでに2時間~3時間程度の時間を要します。
その間、警察官に、被採尿者の行動を制限したり、身体拘束する法的根拠がないので、警察官は、被採尿者の逃走を防止する観点から、被採尿者の行動を監視しているのが現状です。
しかしこの行動監視の方法が、今回の事件のように行き過ぎていれば、その後の強制採尿で得た尿の鑑定結果の証拠能力が認められない場合があるのです。

大阪高等裁判所での控訴審で逆転無罪を目指している方、覚せい剤の強制採尿に疑問がある方は、大阪で薬物事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
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