【大阪の少年事件】大阪家庭裁判所の少年審判 弁護士の付添人活動により保護観察
◆事件概要◆
依頼者の息子様(10代男性、短期大学生)は、振り込め詐欺の受け子として、愛知県内において被害者様から現金を受け取ったところ、捜査中の愛知県警の警察官に詐欺未遂罪で現行犯逮捕されました。
息子様は、同様の詐欺事件で再逮捕された後、住居地を管轄する大阪家庭裁判所に事件が送致され審判が開かれましたが、少年事件に強い弁護士の付添人活動によって保護観察処分となりました。
息子様は当初、愛知県内の警察署に逮捕、勾留されていましたが、住居地が大阪市内である事から、少年審判は大阪家庭裁判所で行われました。
そのため、愛知県弁護士会所属の弊所名古屋支部の弁護士と、大阪弁護士会所属の大阪支部の弁護士が連携して、息子様の刑事弁護、付添人活動を行った特殊な事件です。
◆事件経過と弁護活動◆
愛知県の警察署から息子様の逮捕の知らせを受けたご依頼者様から、息子様の初回接見のご依頼いただき、その報告の場で、息子様の刑事弁護活動及び付添人活動のご依頼をいただきました。
当初、ご依頼者様は、遠く離れた愛知県内で息子様が逮捕された事に加えて、事件の内容や、今後の刑事手続きの流れ、処分の見通し等について何も分からない上、接見等禁止命令により息子様と面会できない事から、大きな不安をいだいておられたので、初回接見を担当した名古屋支部の弁護士は、少しでもご依頼様の不安が和らぐよう、事件の内容等を細かく説明し、ご依頼者様に納得いただきました。
また名古屋支部の弁護士は、繰り返し警察署に勾留されていた息子様に接見し、取調べに対するアドバイスや、ご家族からの伝言等を伝え、息子様の不安を取り除くと共に、事件の重大性や、被害者様の受けた損害の大きさを説諭し、自分の起こした事件を反省していただきました。この接見の内容は、逐一ご依頼者様に報告させていただき、ご依頼者様にも現状を把握していただきました。
更に名古屋支部の弁護士は、息子様の勾留に付されていた接見等禁止命令を解き、ご依頼者等親御様が息子様と面会できるようにしたのです。
事件が大阪家庭裁判所に送致され、息子様が大阪少年鑑別所に移送されてからは、大阪支部の弁護士が息子様の接見を担当し、今後の手続きの流れ等について息子様や、ご依頼者様にアドバイスし、少年審判に向けて準備を始めると共に、息子様には、詐欺被害者の方々が書いた文献を読んでいただき、被害者の心情を少しでも理解し、今後二度と同じ過ちを犯すことがないように反省し、被害者様に対する謝罪文を作成してもらいました。
また弁護士は、ご依頼直後から、被害者様やそのご家族様との示談交渉を続けていました。交渉開始当初は示談に対して難色を示していた被害者様ご家族も、息子様やご依頼者様が作成した謝罪文に目を通していただくと、徐々に交渉に応じていただく事ができ、審判の前日に、双方の納得できる内容で示談を締結する事ができたのです。
ご依頼当初は、振り込め詐欺事件で、余罪がある事などから少年院送致が予想された事件でしたが、審判が開かれるまでに、息子様が深く反省し、被害者様に謝罪している事や、その謝罪が被害者様に受け入れられて、審判直前で示談を締結した事が考慮されて、保護観察処分となりました。
調査期間中の息子様の身体拘束を解くことはできず、逮捕から審判までの約2か月間、息子様は短大を欠席する事となってしまいましたが、審判では、当初の見通しよりも軽い処分が決定し、息子様、ご依頼者様だけでなく、担当した弁護士も安堵した事件でした。
その後息子様は、欠席した間の遅れを取り戻すべく、短大に通われています。