原則逆送事件で保護処分

2019-06-13

原則逆送事件で保護処分

逆送事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

~事例~

大阪府茨木市に住む17歳のAは無免許で車を運転し、事故を起こしてしまいました。
その事故により被害者は死亡し、Aは危険運転致死大阪府茨木警察署に逮捕されることになってしまいました。
当初、国選の弁護人、付添人が付いていたのですが、家庭裁判所の決定で検察官へ逆送されることになりました。
これは大変なことになったと思ったAの母は少年事件に強い弁護士に弁護活動を依頼しました。
弁護士の活動により、事件は家庭裁判所へ移送されることになり、Aは保護処分を受けることになりました。
(この事例はフィクションです)

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律

第2条危険運転致死傷
「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
 1 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
 2 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
 3 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
 4 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
 5 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
 6 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」

逆送

今回の事例では、少年の起こした交通事故が危険運転致死罪にあたると審判で認定されました。
危険運転致死罪は故意の犯罪で人を死亡させた罪となりますので、成人とほとんど同じ公開裁判を受けることになるいわゆる「逆送」の基準を満たすことになってしまいます。
逆送少年法第20条に規定されており、「行為時に16歳以上の少年で故意の犯罪行為により被害者を死亡させてしまった事件」については、原則、「禁錮以上の刑にあたる罪の事件について家庭裁判所が相当と判断したとき」は例外的に、逆送されることになります。
逆送された場合、名前が明かされない、不定期刑の可能性があるなど成人と異なる点もありますが、成人とほとんど同じ公開裁判を受けることになってしまいます。
ただ、一度逆送されたとしても再び家庭裁判所に戻されることもあります。

 

55条移送

少年法第55条
裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認められるときは、決定をもって、事件を家庭裁判所に移送しなければならない

今回の事例のように一度逆送の決定がされて刑事裁判に付された場合でも、事件を再び家庭裁判所に移送されることがあります。
保護処分となるか、刑事罰を受けるかというのは、とても重要となります。
刑事罰を受けると前科になりますが、少年審判での保護処分は前科とはならないのです。
原則逆送事件で逆送された場合には、ほとんどの場合で裁判員裁判となります。
そして、55条移送されるかどうかの決定についても裁判員を含めて判断されることになります。
なお、過去には逆送されて、55条移送され、また逆送されて、というようにこれらの決定が繰り返されたような事例もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では少年事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
逆送の決定があってからでも家庭裁判所での少年審判にもどすことができるかもしれません。
少年事件でお困りのことがございましたら、フリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。