~事件~
高校1年生のA君は、窃盗罪で大阪府警に逮捕、勾留された後、大阪少年鑑別所に収容されました。(フィクションです。)
少年鑑別所とはどのような施設なのでしょうか。
付添人弁護士として数多くの少年事件を経験している、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
~鑑別所とは~
少年鑑別所とは、犯罪、非行を犯した少年を、医学、心理学、社会学、教育学等の専門的な知識に基づいて、資質、及び環境の調整(鑑別)を行う施設です。
少年鑑別所には、家庭裁判所の決定によって収容されます。
少年鑑別所には、A君のように、犯罪を犯して警察に、逮捕、勾留されるといった身体拘束に引き続いて収容される少年がほとんどですが、勾留場所として鑑別所が指定される場合や、不拘束で警察の取調べを受けた後に、家庭裁判所に事件が送致されてから収容される少年もいます。
また触法少年(14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年)であっても、児童相談所等から家庭裁判所に送致された場合、審判を受けるまでの間、少年鑑別所に収容される場合があります。
基本的に鑑別所は一都道府県に一ヶ所しかなく、大阪府内には、堺市に所在する大阪少年鑑別所だけです。
ちなみに複数ヶ所に鑑別所があるのは北海道(旭川市、札幌市、函館市、釧路市)と東京都(練馬区、八王子市)、福岡県(福岡市、北九州市)です。
~鑑別所の生活~
さて鑑別所に収容されるとどの様な日常生活を送ることになるのでしょうか?
少年鑑別所には強制的に収容されているという感覚が強いので、警察署の留置場や、少年院等と同じような日常生活を送っていると思っている方も多いかと思いますが、先述したように少年鑑別所は少年の鑑別を行う施設なので、タイムスケジュールは決まっているものの、その規則は比較的穏やかです。
基本的に、日中は、学習や、読書、運動、教官との面談をして過ごし、決められた時間でテレビを見ることもできますし、購入した菓子類を食べることもできます。
また家族とも、平日の決められた時間であれば面会することができます。