今回は、談合の問題点等について解説します。
~談合は何が問題か~
談合とは、入札の際に、入札業者同士で事前に話し合って落札させたい業者を決め、その業者が落札できるように入札内容を調整することをいいます。
談合に加わった事業者は談合の話し合いに基づき、落札させる業者に落札させるよう、入札価格や量などを自ら制限します。
この点で相互にその事業活動を拘束ないし遂行しています。
談合の話し合いに従い、落札予定業者以外は一定の価格より下げることも、より多くの品量やより良い技術を出すことはしません。
この結果、自由競争が制限されてしまうのです。
入札談合は、価格カルテルなどとともにハードコア・カルテルといわれ、競争制限を目的としたものであり市場促進効果や正当化事由を有しない点で、直ちに競争の実質的制限に当たるとされています。
~情報交換と共同開発~
事業者同士の情報交換や共同研究開発、JV(ジョイントベンチャー)などは競争上望ましいものもあり、直ちに競争の実質的制限とはされません。
情報交換としては、技術動向や経営知識、過去の事業活動に関する情報の交換は原則として違法になりません。
一方、商品役務の価格や数量や具体的な計画や見通しは、他の事業者に知られればそれを基準に価格調整ができるため、原則として違法になります。
共同開発や研究については、基本的に独占禁止法違反となる可能性は低いですが、共同する事業者の市場におけるシェア(占有率)が高かったり、その成果が直接に市場の製品に影響を及ぼすものであったりすれば、独占禁止法上問題となる可能性が出てきます。
公正取引委員会が公表している事業者団体の活動と、共同研究開発に関する独占禁止法上の指針については、下記URLを参考にしてください。(公正取引委員会HPにリンク)
「事業社団体の活動に関する独占禁止法上の指針」
http://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/jigyoshadantai.html#cmsD29
「共同研究開発に関する独占禁止法上の指針」
http://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/kyodokenkyu.html
次回は、JR東海のリニア談合事件について解説します。
~大阪で独占禁止法違反でお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお問い合わせください。~