~事件~
奈良県内や、東大阪市の公園に植えられた桜の木100本以上が何者かによって切断されたりする事件が発生し、警察は器物損壊罪や窃盗罪で捜査を開始しました。
(平成30年3月30日YAHOOニュース掲載記事参考)
この事件を、刑事事件に強い弁護士が解説します。
器物損壊罪~刑法第261条~
器物損壊罪は、他人の物を故意的に損壊する事によって成立する犯罪です。
公園に植えられている桜は、その公園の管理者等によって管理されている物です。
その桜を切断する行為は当然、器物損壊罪に当たると言えるでしょう。
器物損壊罪は親告罪ですので、桜を管理している人が告訴した場合にのみ、犯人には刑事罰が科せられます。
器物損壊罪の罰則規定は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」です。
窃盗罪~刑法第235条~
窃盗罪は、他人の財物を盗む事によって成立する犯罪です。
今回の事件では、根元から引き抜かれて持ち去られている苗木もあったようです。
当然、桜の苗木に関しては財産的価値のある物ですので、窃盗罪が成立するでしょう。
切断されて持ち去られた桜の枝に関しては、財産的価値が認められるかどうかが、窃盗罪の成立に影響します。
もし切断されて持ち去られた桜の枝について財産的価値が認められた場合は、切断された枝についても窃盗罪が成立します。
窃盗罪の罰則規定は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。