【事件】
岸和田市に住むAは,無職だった7年くらい前に,岸和田市から生活保護費を受給し始めました。
Aは、4年前に知人から仕事を紹介してもらって働き始めて以降も,収入を岸和田市に申告することなく不正に生活保護費を受給し続けていました。
岸和田市の調査によって、Aの生活保護費不正受給が発覚し、Aは生活保護の返還請求を受けましたがこれを無視していました。
後日,Aは詐欺罪で、大阪府岸和田警察署に逮捕されてしまいました。
(この事件はフィクションです)
【詐欺罪】
詐欺罪とは、人を騙して金品の交付を受けることです。
詐欺罪が成立するには,①欺罔行為,②被害者の錯誤,③錯誤に基づく処分行為,④財物の移転という4つの要件と,それらの因果関係があることが必要になります。
①欺罔行為とは,相手を騙していること
②被害者の錯誤とは,欺罔行為によって相手が告知された内容を事実と勘違いすること
③錯誤に基づく処分行為とは,騙した被害者が財物を交付すること
④財物の移転とは,実際に財物の交付を受けること
以上の4点に因果関係がある,つまり,犯人が被害者を騙したことにより,被害者がこれを信じて財物を交付し,犯人が交付された財物を受け取るという構図が成り立ち,結果,詐欺罪が成立することになります。
今回の生活保護費不正受給事件でAは,働き始めて収入を得るようになった時点で,岸和田市にこの事実を申告する義務がありますが、申告しないまま,生活保護費を受給し続けていたわけですから,詐欺罪に該当する可能性は極めて高いと思われます。
詐欺罪の罰則規定は「10年以下の懲役」です。
生活保護費を不正受給した詐欺事件で起訴された場合,だまし取った金額や期間,これらの弁済の有無及び程度などにもより,執行猶予付きの有罪判決が受けれたり,場合によっては実刑判決を受けて刑務所に服役する可能性もあります。
生活保護費不正受給事件で逮捕された場合、役所に不正受給した生活保護費を返還したり,示談することによって,少しでも処分を軽くすることができます。
岸和田市の生活保護費不正受給事件でお悩みの方、ご家族、ご友人が詐欺罪で警察に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。