【交野市のストーカー事件②】ストーカー行為で警告 刑事事件に強い弁護士

昨日は、ストーカー規制法で禁止されている「ストーカー行為」と「つきまとい等」について解説しました。
昨年、ストーカー規制法の一部が改正され、つきまとい等の規制行為が拡大され、禁止命令等の制度の一部が見直されると共に、罰則規定が引き上げられて厳罰化される等しました。
本日は、ストーカー規制法警告措置等の禁止命令手続きと、ストーカー規制法の罰則について解説します。

~禁止命令等の制度~

ストーカー行為等の被害者が警察に届け出た場合にとられる措置としては、警告や禁止命令といった行政の手続きが取られる場合と、すぐにストーカー規制法違反として刑事事件化される場合があります。
行政の手続きが取られる場合、昨年に法改正されるまでは、最初に警察本部長等による「警告」が行われ、その後、警察本部長等から委任を受けた公安委員会が行為者に対して聴聞を行った後に「禁止命令」が発せられていましたが、法改正によって、警察本部長等による警告を経なくても禁止命令が発せられるようになりました。
また緊急の場合は、公安委員会の聴聞が行われることなく、行為者に対して禁止命令が発せられることもあります。

Aさんのように、警察署に呼び出されて「警告」を受けたのであれば、手続きの初期段階と考えられますが、この警告の後に禁止命令が発せられる可能性は十分にありますし、警告が発せられたからといって刑事事件化を免れているわけではありません。
ストーカー行為が悪質な場合は、被害者を保護するための応急措置として、まず警告や禁止命令といった行政措置がとられ、それと同時に刑事手続きが進んで刑事罰を受ける可能性もあるのです。

~ストーカー規制法違反の刑事罰~

ストーカー行為には「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の法定刑が定められています。
また、すでにストーカー行為で禁止命令を受けているにもかかわらず、ストーカー行為を行った場合は、禁止命令等違反罪となり、その法定刑は「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」です。
法改正によってストーカー行為罪については非親告罪化されているので、被害者が告訴しなくても、ストーカー行為で刑事罰を受ける可能性があるので注意しなければなりません。

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