来日1週間で、強制わいせつや窃盗等の事件を次々と起こし警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
参考事件(6月20日配信のYTV記事を引用)
報道によりますと逮捕されたのは韓国籍の男性です。
この男性は、今年3月に観光目的で日本に来日し、その6日後に、60代の女性からバックを盗んだ窃盗の容疑で現行犯逮捕(すでに起訴)されていましたが、この窃盗事件の3日前には、大阪府内の路上で、女性(20代)に「すいません。駅ありますか。」と片言の日本語で話しかけた後に胸を触わり、さらに女子中学生の服の中に無理やり手を差し入れるなどと合わせて3人の女性に対してわいせつな行為をしたようで、強制わいせつ罪等で再逮捕されました。
警察によりますと、これらの事件と同時期に、逮捕された男の犯行と思われる強盗事件やわいせつ事件が他にも4件発生しているようで、これらすべてが、この韓国人男性の犯行だった場合、来日からわずか1週間で、8件の事件を起こしたことになります。
(フィクションです。)
窃盗罪
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役刑又は50万円以下の罰金に処する。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役刑又は50万円以下の罰金」ですので、有罪が確定すればこの法定刑内の刑事罰を受けることになります。
逮捕された韓国人男性は、現行犯逮捕された窃盗事件については「無職なのでお金が欲しくなり、女性のカバンなら盗めると思った」と犯行を認めているようですが、窃盗事件は、このように犯行を認めていれば、公判請求されずに略式起訴による罰金刑となる場合もあります。しかし、今回は略式起訴ではなく公判請求されているようなので、検察側は懲役刑を求めていると思われます。
強制わいせつ罪
刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪は窃盗罪とはちがい、罰金刑の規定がありません。
そのため今後の捜査で検察が、韓国人男性の犯行に間違いないと認定して起訴した場合は、刑事裁判で有罪か無罪かが判断されると同時に、どういった刑事罰が科せられるかも決まります。
執行猶予を得ることで服役を免れることはできますが、来日直後に連続して犯行に及んでいることが事実であれば、「犯行目的で来日した」と判断されてしまう可能性もあり、その場合は、非常に悪質性が高く執行猶予を得ることが難しいかもしれません。
刑事事件に強い弁護士
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