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【速報】刑事訴訟法改定 保釈中刑事被告人のGPS装着
昨日、参議院本会議で、裁判所が保釈中刑事被告人にGPS装着できるように命令できる刑事訴訟法の一部改定案が可決され、公布から5年以内に運用が開始されることが決定しました。
今回の法改定では、保釈中刑事被告人のGPS装着以外にも、刑事裁判の公判期日に裁判所の召喚に応じない「不出頭罪」や、保釈時に裁判所から指定された住居(制限住居)を許可なく離れる「制限住居離脱罪」が新たに新設されています。
そこで本日のコラムでは、刑事手続きにおいて非常に関係深い「保釈」に関する今回の法改定について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
保釈とは
そもそも保釈とは、身体拘束を受けたまま起訴(起訴後勾留)された刑事被告人を、裁判で判決が言い渡されるまでの間、釈放し、日常生活を送りながら裁判所に出廷させる制度です。
保釈は裁判官が許可するもので、全ての被告人に適用されるわけではなく、裁判官はある一定の条件を付けた上で、保釈を許可し、裁判官の許可を得たとしても、保釈金を納付しなければ保釈(釈放)されることはありません。
(※保釈保証書を裁判所に提出した場合は保釈金の納付を免除される。)
保釈中刑事被告人のGPS装着
今回の法改定のきっかけとなったのは、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が保釈中に国外に逃亡した事件です。
当然、保釈中の刑事被告人のGPS装着は、全ての被告人に適用されるわけではなく、海外に逃亡する可能性のある被告人に限られますので、主に海外に拠点を持つ被告人が対象となるでしょう。
また、装着されたGPS装置を勝手に外したり、裁判所が指定した空港や港などの「所在禁止区域」に立ち入る行為に対しては、「1年以下の拘禁刑(2025年までに新設される懲役刑と禁錮刑を統合した刑罰)」が科せられる可能性があります。
保釈中の刑事被告人のGPS装着が開始されるまでには、まだ期間がありますが、それまでにGPS装置の装着箇所や、被告人のプライバシーをどのように保護するか等、まだまだ解決しなければいけない問題があるかと思われます。
裁判に出廷しなければ…
保釈中の刑事被告人のGPS装着と共に可決されたのが、「不出頭罪」です。
これは、保釈中の刑事被告人が刑事裁判の期日に出廷しなかった場合に適用される犯罪で、罰則は2年以下の拘禁刑です。
制限住居を守らなければ…
裁判所は保釈中の刑事被告人に対して日常生活を送る拠点(住居)を指定することができます。
この場所を制限住居というのですが、保釈中の刑事被告人がこの制限住居を守らずに、別場所で生活したり、外泊をしたりすれば「制限住居離脱罪」として2年以下の拘禁刑が科せられます。
刑事事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所で、これまで数多くの保釈を実現してきた実績がございます。
大阪府内だけでなく、周辺の府県で起訴後勾留されている方の保釈を希望される方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にご相談ください。
保釈に関するご相談は フリーダイヤル 0120-631-881 にて24時間、年中無休で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
GW中に逮捕された家族を釈放して欲しい 本日中の対応可能
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は『GW中に逮捕された家族を釈放して欲しい』という希望に対して、本日中の対応が可能です。
こんな方は今すぐ初回接見サービスをご利用ください
私の息子(25歳)は、高槻市内で一人暮らしをしています。
その息子が、GW中に窃盗事件を起こしたとして大阪府高槻警察署に逮捕されました。
逮捕された際に、息子と面会した当番弁護士から聞いて息子の逮捕を知ったのですが、その後、その当番弁護士とも連絡がつかず、息子の状況が全く分かりませんん。
GWが終わって、今日から会社が始まっているはずなので一刻も早く息子の釈放できる弁護士を探しています。
(フィクションです。)
逮捕後の身体拘束について
皆さんご存知のとおり警察に逮捕されると身体拘束を受けることになり、釈放されない限りその身体拘束が続きます。
身体拘束の期間は、事件の内容等様々な事情によって異なりますが、身体拘束の期間が逮捕から48時間を超える場合は、裁判官の許可(勾留決定)がなければ身体拘束が続くことはありません。
ちなみに裁判官が許可(勾留決定)した場合は、その日から10日~20日は身体拘束が続き、その後、公判請求された場合は、何もしなければ裁判で判決が言い渡されるまで釈放されることはありません。
早期の釈放
上記したように、逮捕後の身体拘束の流れは以下のとおりです。
逮捕⇒留置(48時間~72時間)⇒勾留決定⇒勾留(10日~20日)⇒起訴(公判請求)⇒起訴後勾留(刑事裁判で判決が言い渡されるまで) 基本的に警察等の捜査機関は
- 釈放すると逃走するおそれがある。
- 釈放すると証拠隠滅する可能性がある。
ことを理由に逮捕した犯人の身体拘束を続け、これらを理由に裁判官に対して勾留を請求します。
逆にこういった理由がなければ、法律的に逮捕した犯人の身体拘束を続けることはできず、裁判官は勾留を決定しません。
そこで弁護士は、捜査機関が主張する勾留の理由を打ち消すための意見書を裁判官に提出して、身体拘束されている被疑者の早期釈放を目指します。
即日対応可能な弁護士
刑事弁護活動は、スピードが命だと言われます。
特に逮捕された方の早期釈放を求めるのであれば、裁判官が勾留を決定する前に弁護士を選任しておけば、勾留請求のタイミングで釈放を求めるための活動を行うことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、逮捕された方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスに即日対応しておりますので、ご安心ください。
甲子園球場で野球観戦 暴力団組員が建造物侵入罪で逮捕
甲子園球場で野球観戦した暴力団組員が建造物侵入罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
今月8日、阪神甲子園球場で行われたプロ野球の試合を観戦したとして、大阪市内に住む暴力団員2名が、建造物侵入罪で逮捕されました。
(4月25日付け、報道各社の記事を参考)
このニュース記事を読んだ方のほとんどは
「えっ!暴力団組員が野球を観戦しただけで逮捕されるの?」
と驚いたのではないでしょうか?
そこで本日のコラムでは、この事件を解説すると共に、弁護士の見解をご紹介します。
建造物侵入罪
今回暴力団組員が警察に逮捕された容疑は「建造物侵入罪」です。
建造物侵入罪とは、刑法第130条に規定されている犯罪で、簡単に言うと「人の看守する建造物に不法に立ち入ったらだめですよ」という法律です。
甲子園球場は、この法律でいうところの「建造物」に当たるということですね。
ところで「きちんとチケットを購入しているのであれば問題ないのでは?」と思われるかもしれませんが、実は甲子園球場は、ご来場時の注意事項で、『暴力団やこれに類する反社会的団体所属者及びこれらと密接な関係を有する者』の入場を禁止する旨を公表し、入場門前などには「暴力団関係者お断り」と表示しています。
つまり例え正規に購入したチケットを利用していたとしても、暴力団組員が甲子園球場内に立ち入れば、それは管理者の意に反し、不法侵入したとみなされてしまうのです。
建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
今回逮捕された暴力団組員が起訴されて有罪となった場合は、この法定刑内の刑事罰が科せられることになります。
弁護士の見解
報道によりますと、逮捕された暴力団組員は「ヤクザがプロ野球を見に行ったらいけないとは知らなかった」と供述していたようです。(参考記事は こちら )
この供述からすると、逮捕された暴力団組員は、建造物侵入罪を犯していることを認識していなかった、つまり犯罪の故意がないという主張になります。
当然、建造物侵入罪は故意犯となるので、暴力団組員の主張が認められた場合は建造物侵入罪が成立する可能性は低いでしょう。
ただこの主張が認められなかった場合、つまり逮捕された暴力団組員が上記した注意事項を把握していたとなれば、建造物侵入罪だけでなく詐欺罪(2項詐欺)が成立する可能性もあります。
実際にこれとよく似た事件で、会員約款等で暴力団関係者の施設利用を拒絶する旨規定があるゴルフ場において、ゴルフをした暴力団組員が詐欺罪で有罪判決を受けたことがあるのです。
大阪府内の刑事事件でお困りの方は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
大阪府内の刑事事件でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にご相談ください。
【土日の対応可能】家族が逮捕された 即日対応可能な弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、ご家族が警察に逮捕された場合、土日、祝日であっても即日対応可能な弁護士が所属する事務所です。
こんな時にご相談ください
昨夜、同僚と飲みに行ったきり主人と連絡がつかなくなりました。
今朝になって、自宅近くの警察署に相談に行くと「ご主人さんは逮捕されています。」と教えてもらえましたが、何をして、どこの警察署に逮捕されているのかまでは教えてもらえませんでした。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)
上記したように、ご家族が警察に逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の 初回接見サービス をご利用ください。
初回接見サービスに関するお問い合わせは
フリーダイヤル 0120-631-881
にて、24時間、年中無休で承っております。
初回接見サービスの流れ
初回接見サービスのご依頼を受けると、ご家族が逮捕、留置されている警察署を調査します。
ご家族であっても、警察からは、なかなか留置先の警察署を教えてもらうことができませんが、弁護士であれば調査することが可能です。
こうして留置先の警察署が判明すると、そこに弁護士が向い、身体拘束を受けている方と面会(接見)します。
逮捕されて72時間以内の場合、逮捕された方が、警察署ではなく検察庁や、裁判所にいる場合もあるので、その場合は警察署以外で面会(接見)することもあります。
面会(接見)を終えると、ご依頼をいただいたご家族様等に面会(接見)の結果をご報告いたします。
ご報告では、逮捕容疑や、認否をお伝えした上で、今後の手続きや想定される弁護活動プラン、最終的な刑事処分の見通しに至るまで弁護士の見解を分かりやすく解説いたします。
ご報告を聞いていただいた上で、今後の弁護活動をご依頼いただくかをご検討いただきます。
初回接見サービスの費用
初回接見サービスについては、弁護士の日当33,000円と、留置されている警察署までのみなし交通費を頂戴いたします。
(例 大阪府曽根崎警察署で初回接見を行う場合の初回接見費用 34,650円)
まずはお電話ください
初回接見サービスについては こちら でもご案内していますのでご確認ください。
なおフリーダイヤル0120-631-881では専門のオペレーターが24時間対応しておりますので、初回接見サービスのご利用を検討されている方は、いつでもお問い合わせください。
窃盗容疑の少女が別人のまま起訴 お粗末な刑事手続き
先日、窃盗容疑の少女が別人のまま起訴され、その後、公訴が棄却されたという、非常にショッキングで、お粗末な刑事手続きが報道されました。
本日のコラムでは、この事件を検証し、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の刑事弁護人の見解を解説します。
事件内容(4月12日配信の時事通信社の記事等を参考)
少女は、今年2月に、大阪ミナミの飲食店において、現金5万円等が入った財布を盗んだとして緊急逮捕されたようですが、その際、少女は、実在する成人の日本人女性の顔写真入りマイナンバーカードを所持しており、警察官に対して、この日本人女性の氏名を名乗り、生年月日を答えたようです。
そのため警察は、逮捕した少女を、実在する成人の日本人女性のまま捜査を進め、検察庁に事件を送致し、検察官も少女が別人であることに気付かず、結局、別人を窃盗罪で起訴しました。
この事実は、少女の弁護人が初めて気付き、捜査機関に指摘したことから発覚し、最終的には、検察官が裁判所に公訴の棄却を求め、その請求を裁判官が認めました。
それによって少女は、少年法の手続きに従って、検察庁から家庭裁判所に送致されたのです。
犯人の人定確認
刑事手続きにおいて、捜査対象(被疑者・被告人)の名前や、住居等を明らかにするのは当然のことで、一つ間違えれば、全く事件と関係のない人を巻き込むことになるので慎重に行われなければいけません。
しかし今回の事件では、犯罪捜査における基本中の基本が適切に行われていなかったようです。
逮捕した犯人が別人を名乗り、かつそういったこと証明する物を何も持っていなかったのであれば、こういったミスもまだ納得できますが、今回の事件で捜査当局のお粗末さが指摘されているのは、そうではなく、逮捕時に処女が、顔写真が貼付されている身分証(マイナンバーカード)を所持している上に、この身分証には盗難届が出されていたからでしょう。
しかも、どういった身分証か明らかにされていませんが、逮捕された少女は、逮捕時に自分の身分証も所持していたと言います。
窃盗罪で逮捕した犯人が、2人分の身分証を所持していたのであれば、盗難手配がされていないか照会をするでしょうから、すぐに少女が身分を偽っていたことはすぐに発覚したでしょう。
どうして発覚しなかったのか・・・?弁護士の疑問
この事件を聞いた時に「どうして起訴されるまで気付かなかったのか?」という疑問がありました。
警察に逮捕された犯人が、自分の身分を偽ることはよくあることで、当然、警察もそのことを熟知しているでしょうから、犯人の人定確認には万全を期しているはずです。
また警察は犯人を逮捕すると、取調べの中で犯人の生い立ち等を聴取した「身上調書」という供述調書を必ず作成します。
この身上調書は、事件に関する記載がほとんどないので、否認、黙秘している被疑者でも応じる場合がほとんどです。
そして警察は犯人の戸籍を取り寄せるので、身上調書の内容と、取り寄せた戸籍の内容から矛盾点を発見できなかったのかという疑問が残ります。
弁護士の見解
今回の事件は、起訴後に発覚し、裁判所が公訴を棄却したので、起訴されていた少女は本来受けるべき少年法の手続きに則って、家庭裁判所に送致されたようですが、仮に少女の弁護人が別人であることに気付かずに、そのまま裁判が進んでいき判決が確定してしまったら・・・と考えると全く関係のない人に前科が付いてしまう可能性もあったわけで非常に恐ろしいことです。
殺人罪の量刑は?永山基準とは
殺人事件の刑事裁判を報じるニュース等でよく耳にする言葉で「永山基準」という専門用語がありますが、いったい「永山基準」とはどういったものなのでしょうか。
本日のコラムでは、永山基準を解説すると共に殺人罪の量刑について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
永山基準
永山基準は、けん銃を使用して4人を殺害した犯人(永山則夫元死刑囚)の刑事裁判において、最高裁判所が明示した死刑適用基準をいい、被告人の名前から「永山基準」と名付けられ、昭和58年に基準が示されて以降、これまで殺人事件の量刑はこの永山基準を基に判断されています。
永山基準で有名なのが、被害者数が一つの判断基準になっていることで、殺害した被害者が一人の場合は「無期懲役」、三人の場合は「死刑」と判断基準が定まっていることです。
この基準が、今でも殺人事件の刑事裁判の判決を左右していることに疑問を投げかける声もよく聞かれます。
実際に平成21年から開始された裁判員裁判においては、小学2年生の女児が殺害された殺人、強制わいせつ致死事件の刑事裁判に参加した裁判員からは「個人的な感情としては、(女児の)ご家族と同じ気持ちだったが、裁判の公平性を考え、永山基準に沿って判決を出した」「あまり過去にとらわれすぎると正しい判断できないのかなと。判断基準の見直しがあるのか分からないが、十分に検討していただければいい」(2019年12月4日配信の産経新聞記事を引用)といった意見も上がっています。
被害者の数だけで決まるの?
上記したように、永山基準は被害者数が大きく取り上げられることがほとんどで、実際に殺人事件の刑事裁判では、被害者数が量刑に大きく影響していますが、永山基準には、被害者数(結果の重大性)以外にも
- 犯行の罪質
- 動機
- 犯行態様、特に殺害方法の残虐性
- 遺族の被害感情
- 社会的影響
- 被告の年齢
- 前科
- 犯行後の情状
が判断項目となっており、これらの項目を総合的に判断して死刑判決が下されます。
実際に被害者数が一人であっても、他の項目が突出している場合は死刑判決が下されることがあります。
例えば、2004年に奈良県で起こった小学1年女児殺害事件や、2007年に愛知県で起こった闇サイト殺人事件等、永山基準が示されて以降も何件かは、被害者が一人の殺人事件でも死刑判決が確定しています。
こういった事件の特徴は、殺害方法や、動機の際立って悪質で、反省がうかがえない等犯行後に酌むべき情状がない等がほとんどです。
刑事事件に強い弁護士
殺人事件は死刑判決もあり得る非常に厳しい量刑が予想される事件ですので、殺人事件の刑事弁護は、刑事事件に特化した弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、そういった刑事事件を専門に扱っている法律事務所ですので、大阪府内、また関西圏にお住みの方で、刑事事件にお困りの方は是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が提供する 無料法律相談 や、初回接見サービス をご利用ください。
大阪府内の無人販売店での窃盗事件が相次ぐ 料金箱から現金を窃取
大阪府内で相次いでいる無人販売店での窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
数年前から、店舗を構えながら常駐する店員がいない無人販売店が大阪府内に増えています。
最初は冷凍餃子を販売するお店がほとんどでしたが、最近では、お肉やアイスクリーム、お弁当など様々な専門店が、無人販売に乗り出しているようですが、お店に店員が常駐していないということから、窃盗事件が相次いでいるようです。
最初は販売している商品を盗む事件がほとんどでしたが、最近は、工具を使用して料金箱を壊し、中から売上金を盗み出す事件も発生しています。
大阪市西淀川区の事件(4月3日配信のテレ朝NEWSを引用)
事件が起こったのは、3月30日の真夜中午前3時半ころです。
大阪市西淀川区の無人アイス販売店に入ってきた犯人は、料金箱に行き、工具を取り出して料金箱を破壊しました。
そして料金箱の中から現金(売上金)を容器をごと持ち去り店から出て行ったのです。
どういった罪になるの?
店員がいるお店で商品を盗み出せば、その行為は窃盗罪となります。
こういった無人販売店においても、同じ窃盗罪が適用されることは間違いありません。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金を処する。
どういった刑罰を受けるの?
このように、窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
法定刑とは、有罪が確定した場合科せられる刑罰のことで、窃盗罪で有罪が確定すれば、この法定刑内の刑罰が科せられることになります。
初犯であることを前提にすれば、万引き事件の場合、略式命令による罰金刑が科せられるケースがほとんどですが、被害額が高額であったり、転売目的で万引きしているなど犯情が悪質な場合は、起訴(公判請求)されて正式な刑事裁判で裁かれることもありますが、それでも執行猶予を得ることができるでしょう。
他方、無人販売店において商品を盗む窃盗事件の場合、被害額は通常の万引き事件と同じような金額だとしても、無人の販売店を狙っているという点で、計画的で悪質性が高いと判断されがちですので、より厳しい刑事罰が科せられる可能性があるでしょう。
また今回報道されているような、料金箱から現金(売上金)を盗み出す窃盗事件ですと、もはや万引き事件とは言えず、侵入窃盗罪に問われる可能性が高いでしょう。
今回報道された事件の防犯カメラ映像を見たところ、犯人の男は、軍手を着用しており、犯行に使用する工具(料金箱を壊す道具)を準備して無人販売店に入ってきています。
この点から、料金箱にある現金を盗むつもりで無人販売店に不法侵入していると考えられるので、建造物侵入罪と窃盗罪の2つの罪に問われる可能性が高いでしょう。
侵入窃盗事件は、窃盗事件の中でも厳しい刑事罰が科せられやすい事件で、初犯であっても起訴(公判請求)される可能性が高く、事件内容によっては執行猶予を得ることが困難な場合もあります。
まずは弁護士に相談を
今回の報道からも分かるように、無人販売店には高性能な防犯カメラが設置されている店舗は多く、その映像によって、容易に犯人の顔等を識別することができるでしょうから、お店が警察に被害届を提出すれば、警察の捜査によって犯人が割り出される可能性は高いと言えるでしょう。
大阪府内の無人販売店で窃盗事件を起こしてしまった方は、なるべく早めに弁護士に相談することをお勧めします。
元彼女とのわいせつ画像がネット流出 リベンジポルノ被害防止法で刑事告訴~②~
~前回の「元彼女とのわいせつ画像がネット流出 リベンジポルノ被害防止法で刑事告訴~①~」からの続き~
どんな行為が処罰されるの?
では、どんな行為がリベンジポルノ被害防止法で処罰されるのでしょうか?
まとめると次の通りです。
公然陳列罪
「私事性的画像記録物」を不特定又は多数の者に公然と陳列(法律3条2項)
(Aさんの行為)
提供罪
「私事性的画像記録」を不特定又は多数の者に提供(法律3条1項)
「私事性的画像記録物」を不特定又は多数の者に提供(法律3条2項)
提供、公然陳列行為をさせる目的で、「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」を提供(法律3条3項)
※ただし、法律3条1項と2項は、「第三者が撮影対象者を特定することができる方法」によらなければならないとされています。
どんな刑事罰を受けるの?
「私事性的画像記録」を不特定又は多数の者に提供(法律3条1項)と「私事性的画像記録物」を不特定又は多数の者に公然と陳列したり、提供(法律3条2項)の法定刑は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
提供、公然陳列行為をさせる目的で、「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」を提供(法律3条3項)の法定刑は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」です。
リベンジポルノ被害防止法は親告罪
ここでご紹介した罪はいずれも、刑事告訴がなければ公訴を提起する(起訴する)ことができない親告罪です(法律3条4項)。
刑事告訴とは、犯人を処罰して欲しいという被害者の意思表示のことをいいますから、仮に示談を成立させるなどして、被害者のお気持ちが緩和されれば告訴を取消していただく可能性も残されています。告訴が取消されれば、刑事処分は自動的に不起訴処分となります。
まずは弁護士に相談を
SNSが普及し、多くの方がSNSを利用するようになった現代では、リベンジポルノ被害防止法のように、インターネット上での犯罪が横行しています。
このような現状を受け、警察はインターネット上での犯罪行為に対して非常に敏感に反応し、厳しく捜査している印象があります。
リベンジポルノ被害防止法の捜査においては、更なる拡散被害を防止するために、関係先の捜索差押えや、犯人の身体拘束など強制力を用いられる可能性も十分に考えられますので、早めに弁護士に相談し、弁護活動を開始することをお勧めします。
リベンジポルノ被害防止法に関する法律相談や、リベンジポルノ被害防止法違反で逮捕された方にたいする 初回接見サービス をご希望の方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。
元彼女とのわいせつ画像がネット流出 リベンジポルノ被害防止法で刑事告訴~①~
元彼女とのわいせつ画像を投稿して、ネット流出させたとして、リベンジポルノ被害防止法で刑事告訴された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
参考事件
大阪府門真市に住むAさんは、長年交際していた彼女から、突然、別れ話を切り出されました。
Aさんは、彼女とよりを戻そうと、何度も説得を試みましたが彼女の気持ちが変わることはありませんでした。
そこで、Aさんは、彼女との交際時に密かに撮影し、自宅のパソコンに保存していた彼女との性交時のわいせつな画像データ(顔などから彼女を特定できるもの)を、SNS上に投稿しました。
これを知った彼女が大阪府門真警察署に相談し、刑事告訴したことから、Aさんはリベンジポルノ被害防止法で事情を聴かれることになりました。
(フィクションです)
リベンジポルノ被害防止法
リベンジポルノ被害防止法は、正式には「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(以下、法律)」といいます。
リベンジポルノを公にされることによる個人の名誉及び私生活の平穏に対する侵害及びその拡大を防止するために設けられた法律です。
リベンジポルノとは?
世間ではよく「リベンジポルノ」と言われていますが、法律ではどのように定義されているのでしょうか?
この点、法律2条は、世間で認識されている「リベンジポルノ」のことを「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」と呼んでいます。
前者は要は画像写真、動画、後者は写真、HDD、BR、DVD、サーバーなどの記録媒体を指すと考えていいでしょう。
そして、両者に共通する、「私事性的画像」とは、次の人の姿態(すがた)が撮影された画像のことをいいます。
- 性交又は性交類似行為にかかる人の姿態(すがた)
- 他人が人の性器を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
- 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
ただし、「私事性的画像記録」又は「私事性的画像記録物」からは、撮影対象者が、第三者がそれを閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影したものは除かれます。
~次回の「元彼女とのわいせつ画像がネット流出 リベンジポルノ被害防止法で刑事告訴~②~」に続く
【速報】警察の不適切な取調べ 警察官が「殺すぞ」「お前あほか」と発言
警察官が「殺すぞ」「お前あほか」と発言するなど、昨年1年間、全国の警察で不適切な取調べが13件あったことについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
昨日、警察庁は全国の警察が被疑者(容疑者)の取調べを行った際に、不適切とされている行為が10事件で13件あったと発表しました。
不適切とされた取調べの内容は
- 取調べ中に居眠りを繰り返す被疑者(容疑者)の服を揺さぶった。
- 「殺すぞ」「お前あほか」などと被疑者(容疑者)に不安を覚えさせたり、尊厳を害する発言をした。
- 共犯者の供述内容を被疑者(容疑者)に伝えて便宜を図った。
といったものです。
ちなみに発表によりますと、これら不適切な取調べが発覚した経緯は、警察内部からの申告で発覚したのと、被疑者(容疑者)からの苦情で発覚したケースがあるようです。
※こちらの記事は、3月23日配信の朝日新聞DIGITALを引用しています。
不適切な取調べについて
昭和の時代であれば、取調官が被疑者(容疑者)を恫喝して脅迫したり、時として暴力を振るって自白を強要することは日常的に行われていたと言われており、いまになって再審請求されて判決が覆ることがたまにあります。
現代のように捜査技術が発展しておらず、客観的証拠の収集が難しかった時代は、被疑者(容疑者)の自白に頼る捜査員が多く、有罪を得るために無茶苦茶な取調べが行われていたといいます。
しかし平成の時代にこういった捜査手続きが問題視され、警察等の捜査当局も取調べにおける様々な取り決めがなされ、そういった違法ともいえる不適切な取調べは減少傾向になり、令和の時代となった今では、一部の事件では取調べの様子が録音録画されるなど、取調べの可視化が進み、不適切な取調べは根絶されたかのように思われています。
しかし、警察庁が発表したように、いまだに不適切な取調べが行われている現実があるようです。
警察庁が公表している不適切な取調べについては、こちらのコラム をご確認ください。
不適切な取調べを受けたらどうする?
取調べを受けている被疑者(容疑者)のほとんどは、どんな取調べが適切で、どんな取調べが不適切なのかすら分からず、自分の受けている取調べについて疑問を持つことがないかもしれません。
自分が受けている取調べが適切なものかどうかをご自身で判断することは非常に困難だと思いますので、自分が受けている取調べに不安がある方は弁護士に相談することをお勧めします。
まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所で、不適切な取調べに対しても対応しています。
ご自身が受けている取調べに不安のある方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部の無料法律相談をご利用ください。