~刑法を解説~ 第21章 虚偽告訴の罪

~刑法を解説~24回目の本日は、第21章虚偽告訴の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

虚偽告訴の罪

第21章は、虚偽告訴の罪について規定されています。
規定されている内容は以下のとおりです。

第172条 虚偽告訴罪
第173条 虚偽告訴罪の自白による刑の減免について

この章では、人に刑罰又は懲戒処分を受けさせる目的で、虚偽申告をする虚偽告訴罪について定められています。
虚偽告訴罪は、人に刑罰や懲戒処分を受けさせることを目的にして行われたことを必要とする目的犯で、少年事件における保護処分を受けさせる目的であっても成立します。
またここでいう「告訴」には、被害届は含まれません。
また何をもって「虚偽」というかは、申告等の内容をなす事実が客観的真実に反するかどうかです。
虚偽告発も処罰の対象となります。
「告発」とは、犯人又は告訴権者以外の第三者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示を意味し、単なる犯罪事実の申告では虚偽告訴罪は成立しません。
ちなみに虚偽告訴罪は、故意犯ですので、虚偽告訴罪が成立するには、申告した事実が客観的に虚偽であるだけでは足らず、申告者が、申告した内容が虚偽であることを認識していることが必要とされています。

ちなみに虚偽告訴罪は、 偽証罪 と同じく、自白による刑の減免が規定されており、刑が減刑されるか免除されるかは裁判官の裁量によります。(第173条)

虚偽告訴罪の罰則

この章に規定されてされている虚偽告訴罪の法定刑は「3月以上10年以下の懲役」です。

「~刑法を解説~第22章わいせつ、強制性交等及び重婚の罪~①~」に続く

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